COLUMN

2014.7.29 DESIGN

真夏の工場探訪記

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.27
干上がりそうな日が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。日本全国、真夏日状態なのでどこにいってもこの暑さからは中々逃れられませんね。先日打ち合わせで、東北地方を廻ってきました。早朝に車で出発して北へ向かう訳ですから、何となく涼しげなイメージを持つものの車載温度計は午前10時ですでに30度!気合いを入れ直して目的の工場へ向かいました。

最初の工場へは、事故渋滞はあったもののなんとか午前中には到着。梅雨明け間近なピーカンの晴天でしたが、都心の蒸せ返るような暑さではありませんでした。1件目の打ち合わせが長引いてしまい、慌てて次の工場へ。山形から宮城県の「古川」へ車を飛ばしました。高速から見えるどこまでも広がる平野が何となく懐かしく、僕はほぼ30年振りの古川訪問になります。当時は「古川市」でしたが、現在は大崎市に統合されていました。お伺いしたのは、カバーリングなどの縫製を専門に請け負っている工場で今回が初めての訪問です。きちんと整頓された広々とした工場を案内していただきました。縫製に特化した工場という事でしたが、数台並んだ自動裁断機とゆったりとした作業台に様々なミシンがずらりと並んでいてちょっと壮観でした。

工場の中程にブラインドが繋がったような大きな機械がありました。綿を製造する「綿打ち機」とのこと。一般的にクッション材に使う「中綿」は指定した厚みや大きさにカットしたものを工場に届けてもらいますが、この工場では自社でクッション材の綿を製造していました。工場の作業は終了していたのですが、機械を廻していただいて製造過程を見る事が出来ました。化繊綿の原材料のチップをほぐした後、非常に薄いシートにして何層にも重ねてクッション材にします。木製のブラインドみたいな部分は竹の板で、薄い綿が竹のバーをシート状に流れて行き、ブラインド状の左右の振り幅によってクッションの長さを決めます。綿も化繊綿も基本的には同じ原理で、昔も今も同じ方法で製造しているという事でした。初めて見る機械はとっても興味深く、みるみるうちにふわふわの綿が仕上がっていました。

打ち合わせが終わる頃にはすっかり日も暮れていました。お礼を述べて帰宅の途につきましたが、時折睡魔と戦いながら深夜に無事帰宅。今回の出張は新製品に関する打ち合わせでしたが、どんな風に反映させるのか乞うご期待です。
(エーディコア・ディバイズ 企画開発/武田伸郎)

大きな木製ブラインドのような機械。吊り元を支点に、左右の振り幅によって綿の長さを決めます。