COLUMN

2015.8.28 DESIGNER

写真撮影のコツ

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.49
先週、アメリカ西海岸インテリアレポートを開催しました。募集開始からすぐ満席になり席をギリギリまで増席し対応させていただきましたが、暑い中、窮屈な席でも熱心にお聞きいただき、ありがとうございました。500名を超えるお客様にお越しただき、西海岸への感心の高さを再認識しました。

今回も会場でアンケートをお願いしたのですが、写真講座希望にチェックを入れていた方が多く、また、セミナーで使用した数百枚の写真が、私の撮影と思っていない方も多くいらっしゃいました。14回開催のミラノレポートや今回で10回目になる西海岸レポートの写真は全て私自身の撮影で、今回も2千枚を超える中から選び編集をした写真ばかりです。どうやってインテリア写真を撮るのかよく聞かれます。今回のメルマガでは少し撮影のコツをお話しましょう。

建築やインテリアの写真で大切なのは水平垂直が出ている事です。それが曲がっていると歪んで見えてて不安定な写真になってしまいます。プロが使うあおり付きのカメラだと水平垂直が出ますが、三脚を立てての撮影なんで普通では無理です。そうなると、できるだけ撮る時に水平素直に注意して撮るしかありません。画像ソフトのフォトショップを使って修正はできますが、あまりにパースがついた写真を修正するとおかしな写真になってしまいます。よほど良いカメラを使っていると思われていますが、皆さんとあまり変わらないカメラです。iPhoneでもインテリア写真は綺麗に撮れます。

当社のスタッフもそうですが、ほとんどの人の撮っている姿を見ると、撮りたい被写体にカメラを向けて下を向いて撮影しています。たとえば、家具を撮ろうとして家具が画像の真ん中になるように撮るのでカメラが下を向いて、画像がパースがついてしまっています。その家具が置かれた空間全体を撮ればパースが付かないバランスのよい写真になるのですが、、。空間を撮る時には天井、壁、窓など水平垂直になっている所がありますので、それを基準にしてカメラが下をあまり向かないように撮るのがコツです。人は気になる方向に神経が向いてしまいます。それを我慢して置かれた空間全体を見て撮影するようにしたら、そんなに歪んだ写真にはなりません。カメラにはグリット(画面に水平垂直線が出る)機能があります。これはiPhoneにも付いていますので、それを使用すると便利です。また、iPhoneにはHDR機能が付いていて連射して露出の違う画像を自動的に露出の違う写真を合成して補正してくれます。インテリア写真の敵、窓の光へ向いて暗くなる逆光の時にも自動補正して綺麗に撮れます。新しいカメラにはその機能が付いていますので、利用するのも良いかと思います。

それと写真を撮る時に大切なのは順番です。沢山撮り過ぎてどこか分からなくなる事がありませんか?ロケハンや取材で訪問した家での撮影では外観、入口、リビング、ダイニング、キッチン、庭、ベッドルームと家に招かれたように順番に撮影をする事です。どんどん行きたくなる気持ちを押さえて順番に撮っていきましょう。空間の全体写真、そのコーナー写真、そのコーナーにある小物写真と順番に撮って行きましょう。そうするとフォルダに入れてから整理も楽だし、どこの写真が分からなくなる事もありません。物語を作るように写真を撮っていけば、人に順番に見せても分かり易い写真になります。

最後になりますが、写真の本当に大切なのはピントです。ピントがずれた写真はどうしようもありません。ピントだけでも出ていれば、PCソフトを使って修正できます。早撮りしないといけない時は画像よりもピントに気をつけて脇をしめて、手ぶれに気をつけてシャッターを押しましょう。そうそう、手ぶれする原因はシャッターを強く押しすぎる事です。そっと優しくシャッターを押してシャッターが切れるまでジッとしましょう。

9月1日からロサンゼルスへカタログ撮影に行ってきます。撮影はフランス人カメラマンのドミニック氏にお願いしています。今回もどんな写真が撮れるのか楽しみ。新しいカタログは11月に完成予定です。お楽しみに!
(クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

左上:窓枠が下方向にパースがついています。普通に立って目線で撮りました。左下:iPhoneは下を向いています。右上:壁も窓枠も家具も垂直になっています。右下:iPhoneは垂直になっています。その時は腰を落として膝を付くくらいカメラ位置も下げています。(写真は全てiPhone5で撮影)
左上から時計回りに:引いた部屋全体の写真→リビング全体写真→リビングのテレビボードの写真→テレビボードの上の小物の写真。小物になったらパースは気にしなくてもかまいません。立体的に形が分かるようにカメラを向けて好きに撮りましょう。(写真は全てiPhone5で撮影)