COLUMN

2017.3.30 DESIGNER

綺麗な写真はカメラの性能?腕?

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.71
4月4日からミラノサローネが始まります。今年も行かれる方も多いのではないでしょうか。私も20代の頃から毎年訪れて、セミナーをするようになって本格的な取材を行ってきましたが、アメリカ西海岸建築レポートをするようになった事もあり、2015年からお休みしていました。今年は3年ぶりにミラノへ行く予定です。視察旅行に行く時にはカメラは必需品。皆さんもカメラ選びに悩まれているのではないでしょうか。

海外レポートをする時のスライド写真は、私自身が撮影をした写真を使用しています。数をこなすと写真も上手になるもので、最初はデジタルカメラが出始めの時は、暗い展示会場で手ぶれをしないように撮影するのは大変でしたが、年々カメラの性能が上がり、今は、あまり気を使わなくても綺麗な写真を撮れるようになっています。そうなると構図のバランスでセンスの問題になってきます。時々聞かれるのですが、綺麗な写真ですね、どんなカメラを使われているのですか?と、カメラの性能が良いから良い写真が撮れるんですよね的な質問をされます。心の中ではカメラではなくて、腕なんですよ、と心でつぶやきながらカメラの説明をしています。昔も今の写真もピントはきている写真なのですが、昔の写真を見るとなんだか立体感が無く、最近撮影した写真は抜けが良くノイズも少ない綺麗な写真です。やはり年々カメラの性能も上がっているんだなと思ってしまいました。

以前は明るいレンズが暗い室内写真に適していて、F値と言われる絞り値が重要でした。F値が小さいほうが明るいレンズで、今でもそのほうが良いのですが、カメラ本体の受像機の性能が上がったので、あまり影響されなくなってきました。インテリア空間は狭い事が多く、できるだけ広く撮れる広角レンズを使います。35ミリ換算で焦点距離24ミリ~28ミリがゆがみの少ない広角レンズで、コンパクトカメラはこの範囲の広角が使われています。高価なミラーレスや一眼レフカメラを購入されて、間違ってしまうのが、別売りレンズに書いている焦点距離です。レンズに25ミリと書いいるので広角と思ったら35ミリ換算で焦点距離50ミリで、全然広角レンズでない事があります。カメラ屋さんで35ミリ換算で何ミリかを確認して購入して下さい。

インテリアを撮影するカメラとしては、明るいレンズ、広角レンズの35ミリ換算で24ミリ程度、最後に一番大切なのは新しい事です。昔のフィルムカメラはレンズとフィルムの性能で決まっていました。カメラが古くてもレンズがしっかりしていれば、綺麗な写真が撮れていたので、名機として、何年も使い続ける事ができましたが、今のデジタルカメラは電気製品です。毎年性能が良くなっていて、3年も過ぎると古くなってピントを合わせる所など性能が落ちてきます。新しいカメラが一番なんです。あとは、撮るアングルです。インテリアの写真は水平垂直が基本です。下手な人は物を中心に撮ってパースのきつい写真になります。空間全体を水平垂直に気をつけて、脇を締めてシャッターを優しく押して下さい。そうしたらカメラ君が綺麗な写真を撮ってくれているはずです。

視察旅行でカメラを持って行かれる方は、広角レンズの35ミリ換算で24ミリ程度、そして新しいカメラをお持ち下さい。一番大切な事を忘れていました。買ったカメラは何日か使い倒して慣れて下さい。車でもそうですが、買ったばかりの車は上手く運転できませんよね。沢山撮影して、PCに入れて実際にどんな写真が撮れているかを見て、綺麗に撮れるように練習しましょう!写真のクオリティを必要以上に重くして、沢山取り過ぎてPCがパンクしないように気をつけて。今回はセミナー予定は無いので、見たい所だけ回る予定です。さて、ヨーローッパのインテリアの方向が何処へ向いているか楽しみです。
(クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

左上:昨年購入したミラーレス一眼のPanasonic DMC-GX8。右上:2012年に購入したPanasonic DMC-GX1で4年使用。左下:2009年に購入したPanasonic DMC-LX3。右下:2006年に購入したPanasonic DMC-LX2。その前はコンパクトデジカメを数台、3年〜4年毎に買い替えてきました。どれも取材で活躍しました。同じメーカーのカメラを使う事によって慣れた操作で使えます。
現在使用しているミラーレス一眼のPanasonic DMC-GX8です。レンズは前のモデルから使用しているので5年使っています。レンズは12-35ミリのズームですが、35ミリ換算で24ミリの広角ズームでF値は2.8でまあまあ明るいレンズです。このカメラのの良い所はファインダー(覗く所)が上に立てられる事です。上から覗いて低いアングル(室内で水平に撮影できる)で身体に近くなるので、ギリギリまで引いてできるだけ広く撮影できます。