COLUMN

2017.12.28 DESIGNER

生きているインテリア

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.80
2017年もあと少しとなってきました。皆様はどんな一年だったでしょうか?私は9月に社長になり、年末のご挨拶にお伺いするようになって少し実感が湧くようになってきました。お客様からはデザイナーは引退ですか?セミナーはしないんですか?と聞かれますが、ご安心下さい。まだまだデザイナーは引退しませんし、西海岸セミナーなど、皆さんに必要とされるセミナーはまだまだ続ける予定です。

今も、1月10日から始まる西海岸建築レポートのスライドを作成する為に、12月4日に帰国してから、写真整理と補正に追われています。取材からこんなに時間の無いセミナーは初めてで、本当の意味で、今の旬の情報をお伝えできる写真になっています。今回の取材は初めて12月に訪れたので、街のクリスマスツリーや住宅内のクリスマスの飾りなど、いつもの住宅とは違う姿を見る事ができました。今回は3000万ドルの販売前の住宅から、アメリカ東海岸のフェデラルスタイルのファミリーの住宅、フランク・ロイド・ライトJrの設計の家や、1920年代のスパニッシュハウス等、様々なスタイルを見る事ができたのですが、撮影した2千枚近くの写真を整理しながら、生きているインテリアとは何かを感じる事ができました。

3000万ドルの家は豪華なクールモダンで、調度品など入れられ販売を待つばかりで、景色やインテリアも目を見張るものでしたが、他の家と比べて何かが足りません。人が住んでいない家は空気感が違います。3000万ドルの家も、他の家もどちらも、綺麗にデコレーションされているのですが、住まわれている家は生活に必要な物だけでなく、アートやフォトパネル、家族の写真やお気に入りの小物も置かれ、大切に使われたいい感じの使われ感が出ている事です。あまりにも綺麗に片付いた空間はなんとなく居心地が悪くなります。また、家と家具のマッチングも大事で、バランスの取れた空間でなければ快適な空間となりません。これ以上はセミナーのネタバレになってしまうので書けませんが、、。

いつもお世話になっているロスのプロデューサーのYASUKOさんから聞いた話ですが、ファッションブランドやファッション誌の撮影では新品だとリアリティが出ないので、新品のバッグや服を床に打ち付けたり、砂を付けたりして使った感を出すそうです。ファッションの世界も、この数年衰退してきたメルローズ通りの古着ファッションがヴィンテージとして再流行していて、セレブ達に人気で、日本でも古着をヴィンテージとして見うように変わってきました。、実際に使われた感覚感は時間が経なければ実現できません。日本では新品が良いとされる感覚が根強いので、ヴィンテージ感にも程度があると思いますが、大切に使われた印象のヴィンテージは日本人としても取入れられるのではないでしょうか。

これからの製品創りは新しく見えるデザインだけでなく、使われ続けて価値のある、大切に使われるデザインもしなければと思いました。さて、2018年はどんなファッション、インテリアが来るのでしょうか。新しい風が吹きそうな気がします。それをキャッチできるように、アンテナを張っていなければ、、。今回の西海岸建築レポートはいつも以上に、いろいろなスタイルが見る事ができます。お楽しみに!皆様良い年をお迎え下さい。
(クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

1月10日のセミナーの家です。左上:フェデラルスタイルのファミリーの家では暖炉の上の靴下の飾りが置かれていました。左下:フランク・ロイド・ライトJrの設計の家で宝飾デザイナーが住んでいました。右上:アーティストのデザインで人工大理石が使われた白いインテリアが特徴。右下:ビバリーヒルズを見下ろす大理石がふんだんに使われたホテルのような住宅で、3000万ドルで売り出し中でした。
2000年にオープンし、ロサンゼルスでもっとも集客のあるショッピングモールのグローブ。巨大なクリスマスツリーにはたまげました。空には実物大のサンタの乗ったソリとトナカイが吊られ、サンタの家ではサンタと記念写真が撮れます。やはりアメリカのクリスマスは違います。