COLUMN

2015.5.28 DESIGN

テーブル天板レスキュー隊

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.37
予期せぬ出来事、思いもよらないトラブルは「よりによって・・・」という時に起こります。お使いになっている家具でも、思い当たる事がありますよね。椅子やソファに飲み物をこぼしてしまったり、テーブル天板に照明器具を落としてしまったなんてお客様もいらっしゃいました。そんなお客様のご依頼を受けて、修理やメンテナンスを行う事があります。

先日、チーク材の無垢天板に接着剤をこぼしたお客様がいらっしゃって、メンテナンスのご相談が有りました。お納めしてまだ間もなく、お客様も大変恐縮していらっしゃいました。塗装と接着剤のトラブルは修復が非常に困難です。無垢材も突き板仕様のテーブルも、局部的な修復は基本的に出来ません。木の木目の表情を活かしたオープン塗装の修復は、さらに難しくなります。(無垢材の場合は、削って仕上げ直しも可能なので補修の幅は非常に広いです)

今回のお客様の場合、チークの無垢材、うずくり加工を施した天板に瞬間接着剤をこぼしてしまい、一部は接着剤が広がっていて、一部はそのままの状態で固まっていました。補修の難易度としてはウルトラ C レベル。少しずつテストをして症状を見ながら、補修を進めます。初期段階に出来るだけ接着剤だけを取り除けるように、いくつかの溶剤やリムーバーを試し、広がったモノと固まってカチカチになった瞬間接着剤を根気よく取り除きます。木目に入り込んだものも、溶かして柔らかくし丁寧に取り除きます。そうしておいて乾燥させ、修復部と全体に違和感がないように研磨していきます。研磨しすぎると、木目の表情が変わってしまうのでここも慎重に。研磨を終えたら下地処理をして、トップに塗装を掛けます。これも、一部分では違和感が生じてしまうので全体を仕上げ直します。職人さんのきめ細かな作業により、きれいにメンテナンス作業が仕上がり、お客様にも大変喜んでいただきました。

家具の補修や修理、メンテナンスは思いのほか手間やコストが掛かります。お見積もりをすると金額に驚いてしまうお客様もいらっしゃいます。椅子やソファの張り替え等もそうですね。でも、大切な愛着のある家具です。メンテナンスをお考えの際は、ご相談下さい。(エーディコア・ディバイズ/企画開発 武田 伸郎)

2カ所に付いてしまった瞬間接着剤の痕。
天板補修、きれいに仕上がりました。