COLUMN

2013.4.30 DESIGN

真夜中のエアポート

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.13
先日、成田空港のお仕事で納品にお伺いしました。以前、メンテナンスの時もお伺いしているので、セキュリティーの厳しさは承知していたのですが、ボストンマラソンのテロ事件の直後だった事もあり、ことのほか厳重なチェックとなり入館退出に時間が掛かって夜通しの納品となりました。

今回納品させていただいたスペースには、7年ほど前から弊社の製品をお使い頂いています。ネオクラシコのラウンジチェアは木部の塗装メンテナンスを行なっているので、ある程度品質を維持していますが、アームを人工レザーで張りくるんでいる特注のラウンジチェアは、張り地の
痛みが目立っていました。経年変化もあるので、ある程度は仕方が無いところですが、痛みの原因として日々のクリーニングも考えられます。

公共の不特定多数の方がお使いになるスペースではクリーニングと消毒を兼ねてアルコールで拭き掃除をする場合も増えているようです。ビニールレザーや人工皮革にアルコールを用いると、表皮の損傷や軟化、硬化などの症状が出て耐久性が落ちてしまいます。お手入れする場合は薄めた中性洗剤で固く絞った布で拭く、拭いた後は水分を残さないようにするのがポイントです。最近は本物と遜色ない人工皮革もあり、見た目や触感で選んでしまいがちですが、公共性の高い場所でお使いになる家具については、対薬品や止水、妨汚や耐油対応など、用途に合った張り地を選ぶ必要がありますよね。

静まり返った空港ロビーで作業の合間の休憩中に、ひっそりと佇んだ真夜中の飛行機を眺めながら・・・そんな事を考えていました。(エーディコア・ディバイズ 企画開発/武田伸郎)

たくさんのお客様にお座りいただいた特注のラウンジチェア。アームの手の触れる部分の痛みが目立ちました。
いつもは出国の際にフライトを待つロビーにて。静まり返った空港にひっそり佇む飛行機。