COLUMN

2025.7.17 SHOWROOM

ハイエンドなシーンにも合うソファセット

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.481(名古屋・栄ショールーム)
いよいよ夏本番です。これからの季節、外出をする機会も多くなりますが酷暑の中での外出の後は、自宅でゆっくりと身体を癒す時間も熱中症対策にはとても大切です。このようなくつろぎの時間に、是非おすすめしたい人気のソファセットを今回はご紹介します。

2025MODELから展開アイテムが増えたNC-075ソファは、丸みを帯びたボディと曲線を描くフォルムが優しい印象のソファです。製品アイテムに角度の異なるコーナーソファが加わったことで、組み合わせのバリエーションがぐんと広がりました。ショールームでお打ち合わせをしていても、カーブするソファセットを空間にレイアウトすると「お部屋が狭くなるのでは?」と懸念されるお客様もいらっしゃいますが、コーナーソファ部分にもお一人座れますので、コンパクトなサイズ感でも、直角にレイアウトをするソファプランよりも有効的にお使いいただけます。またレイアウトする際に角度調整もし易いので、空間に配置した状況に応じて向きの微調整も可能です。
このような丸みを帯びたソファは海外でも大変人気で、世界的に有名な家具見本市でも多くのブランドがこのスタイルを展示していました。また、ニューヨークのセントラルパークを見下ろす超高層マンションのモデルルームにもこのような丸みを帯びたソファセットが取り入れられています。
もう一点ご紹介したいのがMD-3211ソファです。こちらも発表直後から大変人気のソファです。奥行き800mmとコンパクトながらも窮屈感はなく、空間に合わせてシステムソファのように組み合わせることが可能です。アクセントになっているアルミ脚がスタイリッシュな印象で、個人邸だけでなくパブリックスペースでも幅広くお使いいただいております。発表時に発行したタブロイド誌では大きなレイアウト写真と共に、全ての製品アイテムを見開きで一度にご覧いただけます。また、参考レイアウト図もあり、リビングテーブルMD-3212とのコーディネートもイメージし易い構成となっています。お打ち合わせの際にお客様からも「自宅でゆっくり見てイメージを膨らませたい」とのご要望が多く、現在でも増刷をしてご用意をしております。今回ご紹介したソファセットが掲載されているタブロイド誌は、郵送もしておりますので、ご希望の方はお気軽にホームページやショールームまでお問い合わせください。

今回ご紹介したソファセットは、各ショールームで展示をしております。ぜひ実物をご覧いただき、座り心地をご確認いただきながらショールームでの家具選びをお楽しみください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
(ショールーム担当:水野 未佳子)
ご来場予約フォームはこちらから

左:リビングテーブルMD-3212とセットで人気のNC-075ソファセット 右上:マンハッタンにそびえ建つ超高級マンションのモデルルームにも丸みのあるソファセットがコーディネートされています。 右下:人気ソファセットが掲載されているタブロイド誌
左上:NC-075のホームページイメージそのままに納品させていただきました。 左下:アルミ脚が特徴的なMD-3211は、脚周りがスッキリしているので公共の場にも多く納品させていただいています。 右:全体的に丸のあるMD-3211ソファは、無機質な印象のアルミ脚と調和してモダンなシーンにピッタリのソファです。

2025.7.4 SHOWROOM

生活の質が上がるレザー家具

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.480(大阪・心斎橋ショールーム)
梅雨も明け、夏本番の暑さが続いていますね。暑い日が続くと自宅で過ごすことも多くなりますよね。そこで、自宅でより快適に過ごしていただく為に上質なレザー家具はいかがでしょうか。エーディコア・ディバイズでは、お客様の生活スタイルやインテリア空間に合わせて、ソファやチェアの張地はファブリックだけでなく、上質なレザーをお選び頂けます。今回はバリエーションが豊富な当社のレザーと、永く使用していただく為のお手入れ方法についてご説明させていただきます。

大阪ショールーム展示品の一人掛けソファMD-3211-1Pにはスムースレザー(es品番)を張っています。スムースレザーは革本来の表面を活かすために型押し加工を施していませんので、自然な傷跡やシワが表面に出る場合がありますが、表面が滑らかで上品な見た目で程よい光沢があり耐久性も備えています。傷に強い革をご希望でしたら、ウレタン仕上げのものがお勧めです。一人掛けソファAD-229S-1Pに張っているソフトレザー(ADC品番)やエグゼクティブチェアNC-015Hのゼブレザー(Aa品番)はシボの型押しをして仕上げているので、万が一傷がついても目立ちにくいです。また、本革でも汚れやメンテナンス性を重視する場合は、天然皮革用の撥水、撥油加工を施したプロテクトレザー(APR品番)がお勧めです。革の表面に加工しているのではなく鞣しの段階から加工しているので、家具を使っているうちに加工が剥がれる心配もなく持続性があります。革の風合いを楽しむのであれば、ヴィンテージレザー(AVS品番)がお勧めです。自然な色ムラやシワがあり、使っていくうちに革特有の味わいが出てきます。年月が経つにつれて革の味も出てきますので、より愛着が湧いてくると思います。

天然皮革は、日光が当たる場所や冬場に暖房器具の近くに置いていると硬くなったり、ひび割れ・変色の原因となってしまいます。表面がかさついた時は、レザー保湿クリームなどで栄養を補うと永く綺麗にお使い頂くことが出来ます。チェアやソファなどの張地は、肌が直接触れる部分だからこそ清潔に保ちたいものです。汚れがつかないように綺麗にお使い頂いていても、日常のお手入れは欠かせないかと思います。天然皮革は、使い込むほどに風合いが増し、経年変化を楽しめることも利点です。ファブリックの様々な表情やテクスチャーも魅力的ですが、天然皮革は耐久性に優れ、お手入れも比較的簡単です。革は種類が豊富でそれぞれに特徴がありますので、用途によって選ばれてはいかがでしょうか。

ショールームでも、家具のお手入れ方法をアドバイス出来ますので、気になることがございましたらお気軽にご相談ください。ショールームは完全予約制ですが、ご来店当日のご予約も承っております。お気軽にお問い合わせください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
(ショールーム担当:天川 唯)

左:MD-3211-1Pスムースレザー(es品番)です。面が滑らかで上品な見た目、程よい光沢があります。右上:革の風合いを楽しめるヴィンテージレザー(AVS品番)自然な色ムラやシワがあり、使っていくうちに革特有の味わいをお楽しみいただけます。右下:メンテナンス性に優れているプロテクトレザー(APR品番)です。
左上:AD-229S-1P(ADC品番)のソフトレザーです。左下:NC-015Hのゼブレザー(Aa品番)です。シボの型押しをして仕上げているので、万が一傷がついても目立ちにくいです。右上:ツヤのあるレザーが上質でクラシックな装いを演出しています。右下:ブラックレザーでモダンテイストな空間に仕上げています。

2025.6.30 DESIGNER

家具レイアウトは快適性を左右します

AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.169
先日開催しました「家具のレイアウトと人間工学セミナー」に1300名を超えるお客様に参加いただき、当社で開催したWebセミナーでの最多参加者となりました。終了後のアンケートでは沢山のみなさまに感想をいただきました。いつも感想を書いていただくのですが、こんなに沢山のお客様から長文の記入をいただいたのはあまりなく、全てを拝読するのに半日かかりました。いただいた内容は「ストレスが無いレイアウト寸法と通れるだけのレイアウトは違う」「人が座った寸法を想定してのレイアウトが大切」「椅子やソファの定員でなく実際に使用できる人数が大切」「曲線家具が直線家具より有効に使用できる事が目からウロコでした」など、プロの方からの声をいただき、長年行ってきたスキルアップセミナーの中で一番やりがいのあったセミナーでした。

これまで家具の作り方、革の製造など素材について、インテリア写真の撮り方、家具の人間工学など、インテリア知識の一部となればと様々なスキルアップセミナーを開催してきました。今回のレイアウトセミナーは、コロナ禍中に当社スタッフが、お客様からいただいた平面図の家具位置に点線の場所に、指示された家具をレイアウトしてるだけの、理由や使い勝手を考えず、担当営業から言われた事をするだけの作業になっていて、意味も理由も考えないプレゼン用の図面を見て、社員教育をする必要性を強く感じました。実際の社会人になっての仕事は学校で教わる以外に実務を通して覚える事や、先輩たちから教えてもらい身につける事が多く、コロナ禍では現場に出る事も少なくなり、人との関わり合いも少なくなり、指導も不十分になります。その為、私自身も反省し社内勉強会を開く事にしました。

私自身、40年以上家具のデザイナーとして仕事をしてきましたが、会社の先輩だけでなく、ベテランのお客様から叱られたり教えられ、仕事を覚えてきました。家具のレイアウトもその一つで、家具デザイナーになりたいのに、レイアウトなんて平面に置くだけでしょ、と思っていました。しかし、実際に仕事をしていると、レイアウト次第でホテルや旅館などの宿泊施設の効率性、レストランでの快適性がリピートへ繋がる事など、家具デザイン以上に重要な仕事でした。また、人間工学的寸法だけでなく、国際的マナーでのサイズ決定などはお客様へのセールストークに繋がり、信用されるデザイナーと感じていただけるなど、本当に役立つ事が多くありました。レイアウトセミナーを開催する事を決めた際に、当社営業部からプロのお客様に失礼では?怒りを買うのでは?との声がありましたが、私自身、社外の大先輩から指導された経験からやるべきだと思い開催しました。

実際にセミナーをする事になり画像を作りながら、自分自身の経験値の事を見直す事になりました。人間工学的モジュールは学生時代に習った事ですが、様々な高さの家具との間など実践的なサイズについては、社会人になっての経験値で得てきた事が多く、改めて資料作成するとなると参考本が無く一からになりました。レイアウト資料を図面から作りながら改めて家具レイアウトの大切さを感じ、私自身も忘れかけていた事の再認識になりました。平面図で家具で埋めるだけだと使えない事が多く、ダイニングセットは、椅子を引いた状態でなければ座る事ができません。またソファやラウンジチェアなど低い椅子に座ると人は脚を前に出すのでセンターテーブルとの間は多く取る必要があり、ソファの座の高さによって隙間が変わります。どちらも人が使用する状態でレイアウトをする事が重要です。そのモジュールを決めるのは人間工学寸法で、なんとなくでなく、具体的なモジュールを示す事ができればお客様にも納得いただけます。

「曲線家具が直線家具より有効に使用できる事が目からウロコでした」は、レイアウトする場合には狭い場合ほど、デッドスペースを少なくする必要があり、狭い空間だからと通路や隙間をできるだけ少なくしてレイアウトすると逆にデッドスペースが増え使えないスペースが増えてしまいます。実際に人型を使うと視覚的に見やすくなり、L型のソファの角はデッドスペースで、コーナーをラウンドにするだけで人が座れるようになります。インテリアの流行だけでなく、ストレスの無いインテリアを作る為にも曲線家具が必要とされています。最近使う事の無くなった、テンプレートという樹脂板でできた手書き用の製図用品を手に取りながら、これを何枚もダメにして買い替えた事や、レウアウトを書く前にレストランやオフィスでも隣との距離を定規で決めてレイアウトをした事を思い出しました。次のセミナーもスキルアップのためのセミナーを企画します。お楽しみに!(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

左上:人間工学的、建築基準的に通路の寸法は決まっており、それも家具のレイアウトに利用できますが、家具の高さによって変わります。右上:以前使用していたテンプレートと言われる樹脂板。テーブルとの隙間や椅子の間など決まっていてレイアウトしやすい物でした。左下:ソファは座の高さや奥行きで人の足の出が変わりセンターテーブルとの隙間を変える必要があります。右下:レイアウトは動線を考える際には家具単体の隙間でなく、人が座った状態でのモジュールが重要になります。
上:曲線家具と直線家具のインテリア写真。写真で見ると直線ソファの方が多く座れるように見えます。 下:実際に人型を入れてみると、直線ソファのコーナーは人が座れずに角も片側に人が座ると座れない事が分かります。曲線ソファはコーナーに植物や照明が置く事ができて空間に柔らかさと豊かな印象を与えます。

2025.6.26

MD-201

クリエイティブ・ディレクター瀬戸 昇が、デザイナーからの視点で写真だけでは伝わらない製品の魅力を動画でお伝えします。
今回は2010年に発表した、シンプルで洗練されたフォルムと快適な座り心地を両立したダイニングチェア MD-201をご紹介いたします。

 

2025.6.25 DESIGN

エーディコアとロサンゼルスの思い出

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.158

エーディコア・ディバイズのアイコンとも言える代表作の CERVO AD-861 が誕生したのが1985年。それから様々な時代を経て40年が経過しました。おかげさまで CERVO は現在もご注文をいただくロングセラー商品です。開発当時は、日本の美意識を意識しつつもイタリアのモダンデザインに少しでも追いつこうと、当時としては画期的な構造でエッジの効いたデザインでしたが、40年を経た現在では流行を何度か廻って、ちょっとヴィンテージの雰囲気も醸し出すアイテムになってきました。そろそろ「マスターピース」と呼ばれても良いのかな、なんて思える CERVO ですが、そんな CERVO との付き合いも30年になろうとしています。

「今までにないファニチャーブランドを創る」という理念からスタートしたエーディコア。当時の家具生産の常識からは逸脱した受注生産システムで、お客様が必要とする製品だけをご希望の仕様でお届けするスタイルを 目指しました。時はバブル経済が始まろうとしていた頃、カフェバーブームにも乗りその時大ヒットしたのが CERVO です。成形合板と木製の脚を金属パーツを介して組み立てたこの椅子は、昔ながらの職人さんからは「こんなの椅子じゃない」と揶揄されたこともありますが、この CERVO が椅子のデザイン性を広げることが出来たのではないかと思います。その後も、不均等厚成形合板に突板を張った製品や、3次元成型合板の加工の可能性を広げるなど、新しい取り組みを続けてきました。困難な時期でも毎年必ず新製品を発表し、展示会を開催してきました。夜中に図面を書き上げて、そのまま工場に車で向かうなんてこともありました。今ではほとんどなくなりましたが、新作の試作制作も夜中まで工場に通い詰めて作り込んでいたものです。新作の試作制作といえば夜通し作業、夜な夜なディテールを職人さんと作り込んで製品の完成度を上げていきました。そして、家具開発と同じくらいこだわりを持っていたのが製品カタログです。ブランド発足当初から、カメラマンの選定から製品の見せ方、カタログの形状から用紙、印刷の方法までオリジナルなモノを目指してきました。その中でも最もこだわってきたのが撮影のロケーションです。

撮影には製品を見せるためのスタジオ撮影と、イメージや世界観を表現するロケーション撮影があります。ロケ撮影はハウススタジオのレンタルが一般的ですが、当社では撮影に使われたことがないロケーションを探して撮影をしてきました。しかし、そんな物件探しも困難になって行き詰ってしまいました。そんな時、持ち上がったのがロサンゼルスでの撮影です。海外撮影なんて夢のようなことでしたが、いろんな出会いもあって、2007年からLA撮影をスタートしました。それまで、いろんな面でヨーロッパ志向だった私と瀬戸ですが、ロケハンで初めて訪れたロサンゼルスに衝撃を受けました。全てが自由でダイナミック、スケールの大きさに圧倒されました。ケーススタディハウスのコーニング邸から見た真っ青な空とダウンタウンの景色は今でも忘れられません。しかし海外撮影は想像以上に困難続き。初めての撮影の時でしたが、LAの倉庫に着荷した製品を確認しに行くと梱包の箱が潰れてぐしゃぐしゃに置かれていました。その時は瀬戸と2人で現地のフォークリフトを運転し、荷物を整理して全て梱包をし直しました。通関の問題で製品を引取ることが出来なかった時もあり、その時は「撮影キャンセルか・・・」と諦めかけた撮影前日の20時過ぎ、ギリギリで製品が引取れた時には皆で抱き合って大喜びしました。撮影でお借りする邸宅は住んでいるそのままの状態でお借りするので、撮影後はお借りする前より綺麗にしてお戻しします。搬出搬入を繰り返すので、普通の引越しよりも大変な作業になります。ライトJr 設計の住宅で撮影した時には(ライトの住宅はエントランスが狭いことで有名ですが)脱出シェルターのように狭い階段を通過しないといけないので鬼のように大変な撮影になりました。撮影時に作業を手伝ってもらうスタッフは現地で手配するのですが、ほぼ南米の出身者。お互い言葉が通じないどうしで身振り手振りを交えながらの楽しい共同作業でした。それ以外でも、数え切れないさまざまなトラブルがありましたが、それも今となっては良い思い出です。2007年から始まったLA撮影ですが、新型コロナウイルス感染の影響からコーディネーターのYasukoさんがロサンゼルスから日本に戻られたこともあり、2019年で一旦区切りをつけましたが、ロサンゼルスで撮影したたくさんの撮影画像はエーディコア・ディバイズの貴重な財産になりました。

2012年からスタートしたエーディコア・ディバイズのコラム。皆様に拙い文章をお送りしてまいりましたが、この6月をもって定年退職することになりました。毎回ネタ探しで苦労しながらもなんとか続けることができました。今まで読んでいただいた皆様、ありがとうございました。これからも独自の視点から家具の提案をお届けするブランド、エーディコア・ディバイズを引き続きよろしくお願いします。(開発 武田伸郎)

左上:初めて訪れたロサンゼルス。ロケハンで視察したケーススタディーハウス・コーニング邸での一コマ。青い空とブルーのプール、ダウンタウンを一望する景観に感激しました。 左下:映画プロデューサー邸ではネオクラシコシリーズの製品を撮影しました。 右:フランクロイドライト Jr 設計の住宅。道路からこの階段を昇降して、奥の超狭いエントランスからの搬入搬出はキツかった・・・。
左上:日本からコンテナに載ったエーディコアの家具はこんな風にロサンゼルスの倉庫に着荷します。初めの頃の経験を活かしキチンと倉庫に届くようになりました。 右上:撮影では、家具の積み込みから始まり、荷下ろしから開梱、搬入搬出とセッティング等々、現地では休む暇もないほど作業が続きます。 左下:お借りした住宅の家具の移動は、最大限慎重に。室内も汚さないよう全員がブーティー(簡易スリッパ)を履いています。 右下:作業を手伝ってくれた愉快なアミーゴ達。決して大きくはありませんが屈強で力持ち