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美しいもの、人々のライフスタイルを個性的にサポートするものトレンドに流されないもの、
グローバルな視点を持ち環境に配慮されたもの、コストパフォーマンスを考慮したもの
そして、使う人のこころを満たしてくれるもの。そんな家具を1985 年から一貫してつくり続けてきました。

COLUMN

コラム

2027年カラー・オブ・ザ・イヤーの色は

2026.10.30|

DESIGNER

2027年カラー・オブ・ザ・イヤーの色は

D CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.185 毎年、秋に発表する新製品で悩むのが、木部塗装やファブリックの組み合わせです。デザインや構造を考えるのは慣れてはいますが、白い紙の上で鉛筆でスケッチしてきたせいか、製品に使用する塗装色やファブリックを決めるのが、いつも最後になって苦手です。特にカタログ撮影用に製作する製品は、カタログやホームページで長く使用するので、いつも保守的な色を使うことになってしまいます。インテリアの中に置かれる家具は、空間の色に合わせられることが多く、新しいトレンドのヒントを探すのですが、アメリカ西海岸でカタログ撮影を続けていたことと、アメリカのデコレーターの仕事が世界のトレンドになることが多く、アメリカ建築のインテリアに使われる色を気にすることが多くなっています。 日本と違い、アメリカ建築の内装の多くはドライウォールに水性ペイントで塗装されています。アメリカの建築はリノベーションが70%以上を占め、一般住宅はDIYとして自ら補修や再塗装をして使い続けています。ロサンゼルスの多くの中間層以上の家では、通いのメイドさんはもちろん、南米出身でラティーナと呼ばれる方々に、庭仕事や修繕などの日々の雑用をお願いしています。日本で工務店さんにお願いするよりずっと安く、なんでも引き受けてもらえます。ロスでお世話になったプロデューサーの靖子さんの家でも、出入りの修繕を頼む方がいて、電気工事からドアや階段の修繕、外壁塗装だけでなく、室内の壁や床の塗り直しまでこなします。そういった方々がいるおかげで、西海岸の住宅は100年以上たってもきれいに保たれています。もちろん一般家庭でも室内塗装は普通に行われ、クロス貼りは本布で高級住宅の寝室に使われるか、ビニールクロスはトイレなど部屋の一部にしか使われていません。クロス貼りと違い、塗装の方が安価で気軽にリフォームできることも人気の理由かもしれません。 アメリカのホームセンターに行かれた方は、見たことがあると思いますが、DIYとは思えないような建材やドア、キッチン、巨大冷蔵庫、衛生機器など、一軒丸ごと家が建つ材料がそろっています。特に販売されている工具類は丈夫な物が多く、私はドライバーや車用の工具などは必ず買って帰ります。これらの工具は本当に丈夫で、20年以上使ってもぜんぜんダメになりません。ホームセンターで驚くのは、塗料売り場の大きさと種類の多さです。巨大なものは5ガロン(19リットル)入りのバケツで塗料を売っているのですが、それも数千色の中から選べます。塗装専門窓口があるホームセンターでは、色番号を指定するとその場で調合してサンプルを作ってくれ、色が決まると巨大なバケツに入れて販売してくれます。アメリカの室内用塗料の市場は2026年には3兆円と言われますが、日本では10分の1の2千億円ほどと言われています。アメリカのホームセンターでの塗料売上の割合は、大型家電の冷蔵庫と並ぶ1位だそうです。 アメリカの2027年のインテリアカラーは?と調べると、各塗料メーカーが2027年トレンドカラーのカラー・オブ・ザ・イヤーとして、10月中旬に発表していました。3,500以上の色を販売する高品質な室内用塗料メーカーとして人気のBenjamin Moore(ベンジャミン・ムーア)の2027年のカラー・オブ・ザ・イヤーは「Webster Green HC-130/ウェブスター・グリーン」。汎用性が高く、存在感のあるこの色は、柔らかなブルーとピンクに、深みのある銅色、オリーブ色、バーガンディ色を組み合わせたグリーンで、落ち着きを保ちながらも色彩を添え、デザインに個性を与え、あらゆる空間に静かな優雅さをもたらすそうです。日本の伝統色でいえば緑青(ろくしょう)をくすませたようなグリーンは、日本ではあまり使われない色ですが、この数年、ミラノサローネのファブリックでグリーン系が多く使われていることを思い出しました。たしかに、温かみのあるグリーンはクラシックだけでなく、モダンな空間にも合うように思いました。 北米で最大の建築用塗料メーカーであるSherwin-Williams(シャーウィン・ウィリアムズ)の2027年カラー・オブ・ザ・イヤーは「Celery SW 6421/セロリ」。明瞭さと快適さが融合した、軽やかでハーブのようなグリーンで、新鮮な視点と優雅さを体現しています。かすかに黄色みを帯びたこの柔らかく落ち着いたグリーンで、軽やかなパステルカラーと、地に足の着いたハーブのような色合いの絶妙なバランスを実現しています。こちらのグリーンは、緑青(ろくしょう)を明るくしたようなグリーンです。北米最大級のホームデポで独占販売されている内外装用塗料を製造しているBehr Paint(ベアー)のカラー・オブ・ザ・イヤーは「Grounded T27-01/グラウンデッド」。ブラウンがかったオリーブグリーンで、苔のようなオリーブ色に、土のような茶色のニュアンスが加わった色は、日常の空間を自分だけの聖域へと変え、静かに生命を宿す自然の重層的な複雑さを反映しているそうです。北米第2位のPPGインダストリーズ社傘下の塗料メーカー、Glidden(グリッデン)のカラー・オブ・ザ・イヤーは「Artifact/アーチファクト」。温かみのあるスモーキーブルーで、親しみやすく落ち着いた色合いです。空間の個性を損なうことなく、空間をリフレッシュさせる効果があるそうです。 今年のアメリカの塗料メーカーの2027年カラー・オブ・ザ・イヤーは、落ち着いたグリーン系やブルー系が多いように感じました。特徴があって目立つというより、柔らかな落ち着いたニュートラルカラーに合わせ、調和させるための色でした。デザインと同じように、柔らかな安定をインテリアに必要としているように思います。アメリカの塗料メーカーの塗装色を見ると、微妙な変化の色が並び、昔よく使った印刷用のDICの色見本を見ているようで、この組み合わせを考えているデコレーターはすごいなと思いました。2027年モデルの新作発表会のインビテーションカードには、ウェブスター・グリーンを使用しました。当社の製品は環境に配慮したやさしい製品へと進化しています。発表会でお待ちしています。お楽しみに!(クリエイティブディレクター 瀬戸 昇)

地球に優しいものづくりは当たり前に

2026.09.30|

DESIGNER

地球に優しいものづくりは当たり前に

D CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.184 7月26日に発生したネパールの大規模土石流では多くの方が亡くなり、今でも捜索が続いています。ネットで流れるニュースは、最初はフェイクニュースかと思うほどの衝撃映像で、川を流れ下る土石流が人々を飲み込む映像に恐怖を覚えました。その映像を見ながら、2017年7月7日に九州北部を襲った豪雨を思い出しました。大分県と熊本県を襲った豪雨の当日、大分県の日田市にある工場へ出張する予定で向かいましたが、高速道路や一般道も通行止めでたどり着けず、翌日、回り道をしながら、やっとの思いで日田市内を訪れました。山から流れた樹木が橋や鉄橋を押し流し、被害の大きさと状況を目の当たりにして、その場に立ち尽くしたことを今でも鮮明に思い出します。災害を引き起こしているのは地球環境の変動ですが、直接的な要因は、森林の手入れが追いつかず、山が荒れていたことだと後で知りました。その時から、当社の環境問題への取り組みが本格的に始まりました。当社でも何かできないか、小さなことでも構わないから取り組んでいかなくてはたいへんなことになる。今からでも遅くないと……。 世の中ではSDGsのマークが見られるようになり、SDGsのマークを使うのは大企業がするべきことなのかなと思っていたのですが、大水害を目の当たりにし、地球環境に悪いと思われることはやめるという取り組みを、当社でも進めていこうと心に決めました。まず始めたのは梱包材の見直しで、石油由来の素材から地球環境に優しい素材へ変更することにしました。椅子やソファの養生材をビニール袋から不織布へ変更し、その不織布も自然由来で土に還る素材としました。テーブルなどの養生材は発泡スチロールから再生紙に変更し、養生用テープやエアパッキンなど、どうしても石油由来になる素材にはリサイクルされた素材を使用するなど、徹底した見直しを行いました。しかし、一番たいへんだったのは、協力していただいているすべての工場で取り扱いがなく入手が困難だったことや、素材のコストアップなど、さまざまな理由でなかなか進まなかったことです。当社ではコストアップしても構わないという強い意志を示し、進めることにしました。説得する際には、数年後には家具業界でもそれが当たり前になっているはずだと説明しました。あれから10年近くになりますが、家具業界ではなかなか進んでいないのが実情です。 その後、2020年からは二酸化炭素削減のために、家具本体の素材の見直しを行い、南洋材など海外からの輸入材の削減に取り組みました。ソファの骨格を作る材は、それまではラワン材と呼ばれる東南アジア産の木材(フタバガキ科などの広葉樹の総称)を合板にしたラワン合板を使用していました。その合板は、4000キロ以上離れた東南アジアで伐採された材を合板に加工し、船で運ばれ、日本の港に着いてから、地方にある家具工場まで数百キロ運ばれます。その合板を、大分県日田市にあるソファ工場の近くの合板工場で作られた針葉樹合板に切り替えることにしました。その合板工場では、半径100キロ以内で伐採された杉やヒノキ材だけを使用しています。主に使われるのは、建築材に不向きで、二酸化炭素を吸収できなくなった大径木で、これを合板に加工しています。12ミリ以上の主材に使用しているラワン合板を、すべてその工場で作られた針葉樹合板に切り替えることにしました。その時にもあったのが、材料が現在のルートでは入手困難であること、コストアップ、節の多さ、強度不足など、さまざまな理由から、工場が使いたがらないという問題です。強度がラワン合板より少し劣るのであれば、12ミリ合板を24ミリにすることで同等の強度を保てます。当然、コストアップしても構わないと、強行して仕様変更を行いました。 その時に同時に行ったのは、主材の見直しだけではありません。ソファの骨格を覆う薄板を、再生紙を使用した板材に変更したり、バネの上のクッション材にリサイクルされたリボンデッドフォームを80%以上使用したり、置きクッションの中身をポリ綿から、ウレタンフォームの製造時に出た端材に変更したりするなど、徹底したカーボンニュートラル化を実施しました。今では、当社で販売されるソファは、新たな石油由来素材の使用率を極限まで減らした製品になっています。二酸化炭素を吸収する森林の杉やヒノキなどの針葉樹を伐採してカーボンニュートラルになるのは不思議に思われるかもしれませんが、針葉樹は二酸化炭素をセルロースという物質に変えて体内に吸収します。しかし、杉などは40年以上経つと二酸化炭素を吸収しなくなります。そのため、計画的な森林管理が重要になります。また、その材を燃やすのではなく、住宅や家具として使用することによって、二酸化炭素を固定することになります。当社のソファは外国産の材を極力減らし、工場近くで育った針葉樹を使用することで、輸入時の二酸化炭素排出を抑えています。さらに、二酸化炭素を固定した材を使用することによって、カーボンニュートラルを実現しています。 当社では、1985年から不要な製品を作らない受注生産を行っており、廃棄製品のゼロ化を実現するとともに、製品を廃盤にせず、息の長いデザインと製品化を行ってきました。そして、中身や梱包材についても、環境に優しい製品化を行っています。最近のイラン情勢によるナフサ不足からビニール袋不足が生じましたが、当社では自然由来の不織布を使用していたため、まったく影響はありませんでした。当社の取り組みを続けていて良かったと思える時でした。関東では豪雨災害が続き、今も34日以上にわたって雨が続いています。ますます環境への配慮が求められる時代になると思います。この秋の新作では、新しい取り組みとしてクッションの素材を一新します。試作の最終段階に来ています。地球に優しいデザインと性能をお見せできると思います。お楽しみに!(クリエイティブディレクター 瀬戸 昇)

デイヴィッド・ホックニーの「ペアブロッサム・ハイウェイ」

2026.08.31|

DESIGNER

デイヴィッド・ホックニーの「ペアブロッサム・ハイウェイ」

AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.183 8月14日、草間彌生さんが亡くなりました。現代アートの巨匠としてもっとも活躍し、作品は高額取引されたアーティストの一人で、海外に行くとその作品の人気に驚きました。草間彌生さんの大きな作品を初めて見たのは20年以上前で、カタログ撮影でロサンゼルスを訪れるようになり、ビバリーヒルズの住宅街の入口にあるビバリーガーデンパークの中に置かれた巨大なアートでした。それまでは存在は知っていましたが、撮影でお世話になったプロデューサーのYASUKOさんが草間さんのアートが大好きで、勧めもありロサンゼルス現代美術館などで見るようになりました。その後、撮影や取材で訪問する住宅では現代アートがインテリアに使われ、家具同様デコレーションの大切な一部になっていることを知りました。さすがに草間さんのアートは見ませんでしたが、村上隆氏や奈良美智氏の作品は見ることが多くありました。 現代アートのもう一人の巨匠、デイヴィッド・ホックニー氏が今年の6月に88歳で亡くなりました。2018年11月にクリスティーズ・ニューヨークで行われたオークションで1972年の作品「芸術家の肖像画―プールと2人の人物」が9031万2500ドル(約144億円)で落札され、まだ破られていない存命時の作家による最高落札価格を記録しています。ホックニー氏は1937年イギリスのブラッドフォードに生まれ、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートに学んでいます。その後、1963年にアメリカ合衆国ニューヨークを訪れ、アンディ・ウォーホルと出会い、1964年からカリフォルニア州に滞在し、長期間にわたりロサンゼルスで活動するようになりました。当時まだ比較的新しい画材であったアクリル素材でプールを描いた作品群を多く制作することになりました。その後もロサンゼルスを拠点に制作を続け、ロサンゼルスの風景画は、ホックニーの作品群の中で、もっとも知られている彼のアートイメージになりました。 ホックニー氏の代表作品の一つに「Pearblossom Hwy 11-18th April 1986,#」があります。1988年に制作された作品で、ピカソのキュビズムのアプローチを基にした、フォト・コラージュ作品です。キュビズムは、絵画表現を西洋絵画の一点透視法から解放し複数の時間・動き・視点を一つの画面上に表現することを試みた手法で、複数の視点からものを見ることは、ホックニーの作品の中で、大きなテーマとなっていました。その作品に日本人の女性が関わっていたことは知られていません。その女性とは当社のカタログ撮影でもプロデューサーとして関わっていたYASUKOさんです。YASUKOさんはイギリスで女優をされた後、ロサンゼルスでヨーロッパの有名フォトグラファーと仕事をしていました。その一人の女性フォトグラファーのアニー・リーボヴィッツで、彼女からホックニー氏のアートの題材になる砂漠の場所を相談され、YASUKOさん運転でアニー・リーボヴィッツとホックニーを連れ砂漠のロケハンをしたそうです。 アニー・リーボヴィッツは1973年にローリング・ストーン誌のチーフ・カメラマンとなり、1975年にザ・ローリング・ストーンズのツアー撮影を手がけ、一躍有名になりました。1980年にジョン・レノンと妻オノ・ヨーコの写真を撮影。この数時間後にジョンは暗殺され、写真はローリング・ストーン誌のジョン・レノン追悼号の表紙となりました。YASUKOさんはロンドン在住の女優をする前にジョン・レノンの家でベビーシッターもしていたということで近しい関係にもすぐなれたのではないでしょうか。そのアニーさんからホックニー氏の絵の題材になる砂漠のロケハンを依頼されたそうです。ホックニー氏のロサンゼルスの自宅もウエストハリウッドのYASUKO邸からすぐ近くということもあり、彼とも友人になったそうです。作品の名前にもなったペアブロッサム・ハイウェイはロサンゼルス北部にある実在する道で、砂漠の道路脇にジョシュア・ツリー(観葉植物のユッカの仲間)が生えている荒涼とした風景で、その風景がホックニー氏が一目で気に入り、その場で写真をいろいろな角度で撮り、数百枚の写真を撮影したそうです。 目の前でアート作業が始まり、YASUKOさんは驚いたそうですが、自ら案内した場所が世界的に有名な「ペアブロッサム・ハイウェイ」になったということは、プロデューサーの仕事をしていた中でも誇りに思える仕事だったと話されていました。本当に幅広い交友関係のYASUKOさんは驚きます。YASUKOさんの長い仕事の中で最後に当社のカタログ撮影をお願いできたことは奇跡のようですが、そのYASUKOさんから一番やりがいのある好きな仕事だったと言われたのは私自身も誇りに思います。そのYASUKOさんの友人関係で続けてこられた撮影や取材や建築ツアーは奇跡のようでした。9月2日のセミナーは今までのアーカイブからですが、その中でも最上位に入る住宅ですので、お楽しみください。(クリエイティブディレクター 瀬戸 昇)

ファッションとインテリアのヴィンテージ家具の効果

2026.07.31|

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ファッションとインテリアのヴィンテージ家具の効果

AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.182 ミラノサローネなどの展示会へ行くと、スタイル展示が主流になっていて、作りこんだインテリアでの展示なのですがよそよそしく居心地が悪く感じることが多くあります。新製品をPRするための展示なのでしかたがありませんが、同じ製品で統一された展示では特に冷たく感じます。来場者がたくさんいる場合は空間の全容が見えないのであまり感じることはありませんでしたが、今回はサローネ時期が終わってから回ったショールームでは、展示製品はゆっくり見ることはできたのですが、整いすぎている空間は冷たく感じて居心地が少し悪く感じました。アメリカ西海岸での住宅で実際に使用されているインテリアとは違い、リアリティがないのは理解できるのですが、何かが足りないように感じました。 2026年3月に開催された2026-27年秋冬シーズンのパリ・ファッションウィークで話題になったのはクリスチャン・ディオールのジョナサン・アンダーソンが手掛けた2026年秋冬ウィメンズコレクションで招待客に送られたミニチュアの緑色のセナチェアです。セナチェアは1923年にパリの公共庭園のためにデザインされた椅子でパリのリュクサンブール公園に設置されました。その後、パリ中の公園や庭園に急速に広まりました。これらの椅子はパリの象徴的な存在ですが、オリジナルのデザイナーと製造者は不明だそうです。1990年椅子が老朽化し始めたため、フランス上院は入札を行い、リュクサンブール公園、チュイルリー庭園、パレ・ロワイヤル庭園向けに2,000脚の新しい緑色の椅子を製造する業者としてフェルモブ社を選定して製造されたそうです。そのヴィンテージ家具のミニチュアがコレクションの象徴として、ジョナサン・アンダーソンが使用したことで話題になりました。 クリスチャン・ディオールだけでなく、ルイ・ヴィトン メンズのクリエイティブディレクターであるファレル・ウィリアムスはショーでミッドセンチュリー風の家庭的なセット「Drophaus」を制作し、ラルフ・ローレンのコレクションでは、ランウェイにヴィンテージラグが使われ、椅子はアンティークやヴィンテージの椅子が並べられました。昨年12月には、ファッションデザイナーのマチュー・ブラジーが、マンハッタンのダウンタウンにある使われなくなった地下鉄駅に到着したヴィンテージ列車を背景にコレクションを発表しました。ヴィンテージデザインは職人技をイメージさせ、それがファッションの目指すものの象徴として多くのブランドで使用されたそうです。最初に話したクリスチャン・ディオールのジョナサン・アンダーソンもパリで最も有名な公園の1つのアイテムの椅子がレジャーを連想させる意味として招待客に送られたそうです。 今、インテリアの主流はエクレクティックスタイルでヴィンテージ、コンテンポラリー、個人的なアイテムを入れ、時間をかけて作り上げたような部屋が魅力的といわれます。新しく作られた空間に入る前に、長い歴史を刻んできたヴィンテージの品々には、本来的な豊かさが感じられ、それらを取り込むことによってインテリアに安定感を与え新しい家具とのコントラストを生み出し、洗練された印象を生み出し、それらに、個人的なアートや小物などのアイテムをデコレーションすることによって自然な印象を与える効果があるそうです。過度に均一で、流行に左右されたインテリアで、一つのトレンドに偏りすぎたり、あまりにもセットのような雰囲気の空間は、本物らしさを失ってしまう可能性があり、トレンドは出発点にはなりますが、適用しすぎると空間はすぐに時代遅れに感じられてしまいます。ミラノで感じた冷たさはこれだったのではないでしょうか。 それが実感できるようになったのは当社のショールームでのことでした。広尾ショールーム時代の展示は以前は当社製品だけで置かれ、当社オリジナルで統一されることが良いと思いこんでいました。六本木へ移転しショールーム作りをしたときに、アメリカ西海岸撮影でお世話になったプロデューサー靖子さんから譲り受けたヴィンテージの家具、照明、アートをショールームの中へ置き、デコレーションとして買い集めたヴィンテージ小物を置くと、固かった空間が柔らかく安定感を与えているように感じられたことです。当社も日本国内で職人が一つ一つ丁寧に作られた製品です。それを職人技を感じさせるヴィンテージ小物と合わせることによってイメージしていただけるのではないでしょうか。テーブルや飾り棚に置かれる品は明治から昭和の小物が多く使われています。家具や照明も1950年代のオリジナルものが置かれていますので、当社製品だけでなく小物もお楽しみください。 (クリエイティブディレクター 瀬戸 昇)

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