COLUMN

2023.3.31 DESIGNER

建築インテリア写真の基本

AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.142
取材や視察では沢山の写真を撮影します。今はデジタルカメラだけでなくスマートフォンカメラの撮影が普通になり、撮影する枚数も飛躍的に多くなりました。20年以上前はフィルムカメラで最大36枚撮りで、フィルム代、現像代や紙焼き代が安くないので、シャッターを押すときにも本当に必要な写真かを考え、カメラのシャッタスピードや絞りを調整しながら慎重に撮影していました。いつのまにかデジタルカメラが普通になり枚数を気にせず写真が撮れるようになりました。また、スマートフォンのカメラ機能も高性能になりデジタルカメラよりも良く見える写真が撮影できるようになり撮影枚数が多くなってしまいます。

2月に訪問したアメリカ西海岸建築ツアーは取材目的もあり、デジタル一眼レフとiPhoneの両方で三千枚を越える写真を撮影しました。枚数が撮れるようになって困るのが、ベストカットを選ぶ事と訪問した建築の中を歩くように見やすい順に並べる事です。写真の順番は撮影した順でいいのでは?と思われるかもしれませんが、歩ける順が通常通りで無かったり、お客様と一緒のツアーの場合は前だけでなく、逆方向からの撮影は最後にしたり、撮れなかった場所を後で撮る事もあります。また、当社の建築ツアーのように2班になる場合は、1班で撮影して撮り忘れや構図が悪い場合は2班で撮り直します。セミナーでお見せする時はピントの合った構図の良い写真だけでなく、建物アプローチから玄関、リビングからダイニングへ部屋順に見せる事も大切になるので、これに一番時間がかかります。

取材出張では撮影から帰ったホテルで毎晩、ノートPCにデータを入れフォルダ分けと写真の確認まではしますが、順番にするまではできません。帰国して記憶を辿りながらフォルダ内の写真全部を見ながら、カードゲームのように並べ替えていきます。当然、写真のピントが合っているか、構図は綺麗かなども考慮して選びますが、数百枚の写真の中から順番通りに並べるのは、記憶をたどるしかなく本当に時間がかかります。それと同時に行うのが写真の編集です。インテリア建築写真の基本となる水平垂直に気をつけながら撮影はしてますが、取材は時間制限のある中、歩きながらシャッターを押す為に多少の曲がりは仕方がありません。気をつける事はパース図と同じように空間の高さの中心くらいにカメラレンズがくるように高さを抑えてカメラを水平に構えます。なにより一番大切なのはピントが合っている写真にする為、脇をしめてブレないようにシャッターを押す事です。

私のインテリア写真撮り方セミナーに参加の方はご存知だと思いますが、写真はピントさえ合っていれば多少のパースの修正や濃淡の補正は可能で、PhotoshopなどのPC用の写真編集ソフトだけでなくスマートフォンに付属している無料ソフトでも補正は簡単にする事ができます。最近ではiPhoneなどスマートフォンのカメラ機能が進化して見やすい写真に自動的に色補正をして撮影ができるようになりました。しかし、気をつけないといけないのが、スマートフォンの画面で見やすく良く見えるような味付けになっていて、多くの場合メリハリが強い写真になっている事です。それは雲のある空の風景を撮影すると分かりますが、メリハリがありドラマチックな写真になり自分が上手になったように思う事です。また、綺麗に見える写真でもパソコンに入れて原寸大で見ると画像が荒い事も認識する必要がります。スマートフォンの明るい小さい画面の綺麗さに騙されています。

デジタル一眼レフカメラとiPhoneの両方で撮影する事はあまりありませんが、一眼レフで撮影してもう少し広い画面や逆光が強すぎる場合はiPhoneでも撮影するようにしています。今回は新しいiPhone14にして建築ツアーの写真を撮影しました。帰国して両方の写真を整理して編集したのですが、現地でパッと見た目はiPhone14の画面で見える写真は綺麗で、こちらの方が良いかもと思っていました。写真編集しながら困ったのが、デジタル一眼の写真に比べ濃淡がはっきりしすぎで色も少し記憶と違う事です。デジタル一眼の写真データは甘く見えていた画像はPC画面で見るとナチュラルな光と色で、ピントも細部まで綺麗に合っています。拡大すると分かるのですが、デジタル一眼の写真データ解像度が高いのが分かります。スマートフォンは小さなレンズと画像を受ける撮像素子が小さいので仕方がありません。

今はスマートフォンの手軽さは生活の一部にもなっています。この時期に淡い桜の花を撮影するには、メリハリのあるとても良い写真が撮れます。しかし、デジタルカメラも細部まで綺麗にナチュラルな写真が撮れる事も忘れてはいけません。写真に興味のある方は使い分けをされると良いかと思います。あと、スマートフォンカメラの撮影で一番重要なのはレンズの汚れです。スマートフォンの面で、むき出しになっているレンズは汚れています。これは最近主流になっているノートブックの付属カメラも同じで開け閉めする時に指紋がついて雲がかかったように見えるますので注意しましょう。今年もまたインテリア写真の撮り方セミナーを開催しようと思っています。お楽しみに!(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

左:デジタル一眼レフの画像。上は撮影したままで下はパース補正とシャドウ部を明るく補正しています。右:iPhone14の画像。逆光の影の部分などかなり補正されています。100%にして見ると(拡大花瓶)iPhoneの画像は花瓶などギザギザになり少し荒くなっています。iPhoneの画像は空などメリハリがつきすぎてドラチックですが、少し不自然です。
写真整理する場合はデーター名を順番にして画像を全て開いて順に見ると歩いているように、紙芝居的に順に見えるようにしなければ、第三者に渡したりセミナーに使用する事はできません。今回は3000枚以上の写真から1000枚を選び作業をしました。バラバラの写真をフォルダの中に入れても整理にはなりません。