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2025.9.29 DESIGN
コミュニケーションで作る新製品
ここ数日は厳しい暑さも少し和らぎ、秋の気配が感じられるようになってきました。年々日本中の気温が上がる中、社内では熱中症対策マニュアルを改訂し、お客様や社員に万一のことがあってもすぐに対応できるよう備えています。そんな猛暑の中でも、今年も新製品開発は着々と進んでおり、先日は製作をお願いしている大分県の工場を訪ねました。
新しい製品づくりは、一般的にはイメージスケッチから図面に起こすところから始まると思われがちです。しかし当社では、代表の瀬戸が日頃からインテリアの未来のトレンドを意識し、海外での視察も踏まえながらストーリーやコンセプトを構築することから始まります。コンセプトが定まって初めて製品を図式化し、試作づくりへと進んでいきます。今回の9月頭の工場訪問では、第一試作が完成し、実際に座って確認しました。図面上で抱いていた印象と異なる点が多くあり、特に、私は身長190cm近くあるため、、、一般的なサイズ感覚を把握するには努力と工夫が必要です。ほんの数センチの高さや角度の違いが座り心地を左右し、平面上では気づけなかった課題が浮かび上がってきます。工場内は36度前後で、職人さんたちは「これでも例年よりはマシですよ」と笑っていましたが、暑さに弱い私はただ尊敬するばかりでした。
現場では工場の職人さんと意見を交わしながら、細部を仕上げていきます。ステッチラインの位置ひとつで製品の印象は大きく変わりますし、想定していなかった課題や新しい要望も次々と出てきます。図面だけでは表現しきれない美しさが、職人の経験やデザイナーの感覚によってかたちになっていきます。内部のウレタン材を削って形状をイメージに近づけたり、脚部の取り付け位置を調整したりと、限られた時間の中で何度も確認を重ねます。座面とアームのバランス調整では、アームの位置を保ちつつ座面の高さを変え、絶妙な寸法変更でも肘の置き心地大きく左右します。意見が食い違うこともありますが、そのやり取りの積み重ねこそが、製品の完成度を一層高めていきます。こうした細かな調整を重ねる過程こそ、新製品を形にしていく大切なステップだと感じます。
こうしたやり取りを支えるのは、やはり日頃のコミュニケーションです。普段の電話連絡や工場での打ち合わせはもちろん、今回は工場の方々と夜に食事をご一緒しました。仕事の話はもちろん、プライベートな話題にも話が広がり、より親密な関係を築いていくことで、ものづくりにも良い影響があると思っています。家具づくりはデータだけで完結するものではなく、人と人との対話の中で育まれていくものです。今年は40周年のパーティーも企画しております。皆さまとも直接コミュニケーションが取れる機会を楽しみにしています!(開発部 渡辺 文太)

