COLUMN

2013.2.4 DESIGNER

ロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」の罪

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.4
昨日、NHKで沢木耕太郎 推理ドキュメント運命の一枚「”戦場”写真 最大の謎に挑む』を放送していました。
見始めはショックで、がっかりしていましたが、キャパ(本名フリードマン・エンドレ・エルネー)の「崩れ落ちる兵士」の写真がその後のキャパ自身の早すぎる死の運命を決めてしまった事を知り、考えてしまいました。

「崩れ落ちる兵士」は頭部を撃ち抜かれ倒れる瞬間の人民戦線兵士を撮った事で有名でしたが、その写真は演習時に撮られた事、兵士がその後生きていた事や、もっともショックだったのが、キャパ自身の写真ではなく、恋人ゲルダの撮影した物である可能性が高い事でした、、。「崩れ落ちる兵士」であまりにも名声を得すぎたキャパが、「崩れ落ちる兵士」を越える写真を撮影する為に生き急いだ人生だった事、なんだか好きなカメラマンだっただけに、見終わってから重い気持ちになってしまいました。

「崩れ落ちる兵士」は確実に報道カメラマンの目標になり、それを越えようと危険な戦場で命を落としたカメラマンは何人いただろうとう考えると本当に罪な写真だったと考えてしまいます。キャパに憧れて戦場を駆け抜けた沢田教一もその1人ではないか、、先日の日本人女性カメラマンや、多くのカメラマンも死なずに済んだのではないかと、、。
(エーディコア・ディバイズ クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

「崩れ落ちる兵士」画像は作成した物です。