COLUMN

2018.11.25 PRODUCT

PRODUCT : 022-MODEL Lounge Chair

AD CORE DEVISE PRODUCT BLOG Vol.68
今回はNEO CLASSICOシリーズよりクラシカルモダンテイストのラウンジチェア、NC-022をご紹介します。
コンパクトなサイズ感のラウンジチェアのNC-022はファブリックにより大きく表情を変え、重厚なスタイルにも、やわらかなスタイルにも変化します。

NC-022は空間を広く見せるローバックと、よりフォーマルな印象を与えるハイバックタイプをご用意しています。脚部はメープルの無垢材を削り出し、座の柔らかいラインに沿うように高い精度で加工されています。座面の構成はフレームにダイメトロールという柔らかさと反発力を兼ね備え耐久性に優れた布バネを張り、その上に厚みと硬さの異なる6層のウレタンを重ねることで、底付き感の無い、身体の感覚に寄り添った上質な掛け心地を実現しています。

目に見えない内部構造ですが、背座のフレームは強度と軽さを両立するため中空になっています。美しい三次曲面のラインを作り出すために、中空のフレームはそれぞれ異なる形状の17枚の合板を放射状に並べてできています。合板の縁材には堅木の無垢材を三次曲面に削り出した物を用いることでエッジまで滑らかなカーブを作り出し、同時に強固な構造になっています。このフレームに下張りを施しウレタンを貼り、ファブリックを張りこむと美しい曲面の背座が生まれます。

クラシカルモダンテイストで上質な掛け心地を実現したNC-022。ゆったりとしたダイニングチェアとして、また上質な時間を過ごすためのパーソナルチェアとしてもお使いいただける絶妙なサイズ感のチェアです。1930年代の華やかなアール・デコのテイストを現代に蘇らせ、華美になりすぎないクラシカルなデザインはレストランやオフィスなどシーンを選びません。ぜひショールームでお確かめください。
(エーディコア・ディバイズ 開発部/富所 駿)

■NC-022 LOUNGE CHAIR 製品ページ ▶

左:フレームの構造、放射状に並んだ合板のリブは一枚ずつ異なった形状です。パーツごとに番号を振って組み上げられます。右上:リブを固定する縁材は無垢の堅木を三次元に削りだしたものです。右下:複雑な形状のフレームにウレタンを貼りファブリックを張りこむと美しい曲面が生まれます。
左上:メープル材の脚部。左下:後脚の角木。シンプルな構造ですが高い加工技術が必要とされます。右上:座枠に張られたダイメトロール。柔らかさと反発力を兼ね備え、高い耐久性を持った布バネです。右下:座面のクッションの構成。厚みと硬さの異なる6層のウレタンを重ねています。

2018.11.19 SHOWROOM

La.Mur(ラ・ミュール)さんへ家具を納品させていただきました。

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.243(名古屋・栄ショールーム)
先日、愛知県豊橋市のヘアサロンLa.Mur(ラ・ミュール)さんへ家具を納品させていただきました。La.Murさんはヘアだけでなく、エステ・まつ毛エクステ・ネイルなどトータルで美をサポートされています。店内は女性スタッフのみで、お客様へリラックスできる空間というコンセプトのヘアサロンです。インテリアコーディネーター様と何度かお打ち合わせをしながら、お客様のイメージや空間に合った家具をお選びいただきました。

今回、ヘアサロンのウェイティングスペースということもあり、お客様がよりリラックスして寛げる空間をイメージされ、NEO CLASSICO Heritageシリーズのソファ「055-MODEL」とコンフォートチェア「030M-MODEL」を選定いただきました。ソファはボタン絞りと、アーム部分の丸クッションがシックな中にエレガントさを演出し、両サイドにはフランスのファブリックメーカー、カサマンス社のマルチカラークッションをプラスすることによって雰囲気を引き出して、アクセントになっています。コンフォートチェアはスロープアームが美しいセミラウンジサイズのチェアでゆったりおかけいただくことが出来て、背部からアームにかけての革パイピングで引き締めています。ソファと張地を合わせることにより、統一感がありとても上品な印象です。インテリアコーディネーター様と内装のイメージや空間をシュミレーションしながら、ショールームでお打合せさせていただいた家具が、お客様のイメージ通りの空間になったと喜びの声をいただき、大変嬉しく思っています。

エーディコア・ディバイズ各ショールームでは、インテリアのトータルイメージなどお伺いしながら、空間に合わせた家具をご提案させて頂きますので、お気軽にご相談ください。お待ちしております。(ショールーム担当:小田切 里子)
La.MurさんHPはこちら▷

明るく日が差し込ウエイティングスペースに、綺麗なブルーグリーンの家具がとっても生えていて素敵な空間です。

2018.11.19 SHOWROOM

10年目の御堂筋イルミネーション

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.242(大阪・心斎橋ショールーム)
日ごとに寒くなり、すっかり街も冬の装いで様々な場所でイルミネーションが輝く季節になってきました。エーディコア・ディバイズ大阪・心斎橋ショールーム近くの御堂筋では、光輝く並木ストリートのイルミネーションが始まっています。

大阪のシンボルストリートでもある御堂筋のイルミネーションが、今年で開催10年目となりました。今年は⽔都⼤阪にちなんで”流(る)”をコンセプトに御堂筋の約4kmを光の川に見立てて装飾しています。淀屋橋から新橋までの間は流れる光を表現しており、動きのあるイルミネーションとなっています。中央⼤通から北御堂へ向かう歩道には光で波紋を映し出したりと、視覚的にもボリュームアップしたイルミネーションが楽しめます。大阪では、大阪・光の饗宴と御堂筋のイルミネーションだけでなく、中之島にある中央公会堂会館にプロジェクションマッピングを施すなど様々な催しを開催しております。普段何気無く通っている道や駅が鮮やかなライトで彩られ、寒くて歩くのが嫌な時も気分が華ぎます。

エーディコア・ディバイズ大阪・心斎橋ショールームでは、11月14日、15日と2019年モデル新作展示会を行いました。お忙しい中、たくさんのお客様にご来場頂き、誠にありがとうございました。今年の新製品は、透明感のあるアクリル樹脂を初めて使用し新シリーズを発表しました。実際に見ていただき、たくさんのお客様に興味を持っていただけました。11月27日より新作もショールームに展示致しますので、是非一度ショールームにご来店下さい。
(ショールーム担当:三谷 佳菜子)

大阪の北と南を繋ぐ御堂筋の約4kmをイルミネーションで装飾しています。
今年は台風で何本か木が倒れてしまった為、例年以上に光を多く増やしているそうです。

2018.10.30 DESIGNER

透明な素材

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.90
来週から2019年モデル展示会が始まります。カタログも入稿が終わり印刷上がりを待つだけになりました。今回の新作は初めてアクリル樹脂を使った透明感のある製品です。成型合板や木素材を使った木製家具や、金属ではスチール、アルミダイカストや鋳造した物は手がけてきましたが、プラスチック樹脂素材は初めてです。マテリアルファニチャーブランドのトランスペアレンシーの家具デザインをする事になり、初めてアクリル素材を使用することになりました。

アクリル樹脂と聞いてプラスチック製としてイタリアの樹脂メーカーやイームズの樹脂素材の椅子を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、樹脂メーカーの多くの家具はポリカーボネート製で、イームズの樹脂は昔はグラスファイバーで今はPP樹脂で成型されます。両方ともの樹脂のペレットを使った射出成型の薄い物です。今回、当社が発表する家具はアクリル家具でも美しいキャスト方法で作られた厚いアクリル樹脂板を使用して成型した製品です。

私自身アクリル樹脂についての知識がありませんでしたが、アメリカ西海岸での撮影や住宅取材を通して、ヴィンテージ家具にアクリル家具が多く存在することは知っていました。60年以上経た椅子やテーブルが透明感や輝きを失わず、良い感じで時を経た家具が沢山あります。最初はそんなに時間が経っていないように思った家具も60年以上経て、座のクッション素材や布や革がボロボロになっても、樹脂自体は透明感を失っていません。素材自体を調べると1930年代にドイツで発明され、プラスチック樹脂素材としてはもっとも歴史があり、様々な用途に使われてきました。開発当初は戦闘機の風防に使われパイロットの視線と安全を守ってきました。現代では透明度と耐久性が最も必要とされる水族館の水槽に使用され、接着技術の進歩から巨大な水槽を持つ水族館が続々と作られています。その素材の多くを生産しているのが、日本のケミカルメーカーです。

アクリル樹脂は弱いのではと思われる方が多いと思いますが、高い透明度のアクリルはポリカーボネートやペット樹脂に比べ紫外線に強く、黄変や劣化はしにくい特性を持ちます。そういったことから航空機や水族館でも使われる素材で、傷については常識内の硬度があります。皆さんの身の回りにある透明アクリル樹脂のアクセサリー入れなど傷は気にならないはずです。また、十分の板厚を持ったアクリル樹脂は、水族館の水槽と同じで、磨いて輝きを取り戻すことができます。使い込まれたヴィンテージのアクリル家具を見てきましたが、長く愛される素材として家具に使えると確信をして使用しました。ガラスより透明度の高いアクリル樹脂は冷たい無機質な素材と思っていたましたが、実は柔らかで温かみのある素材であることに気づかされました。2019年モデルのPMMA+Woodは、皆さんの樹脂素材への固定観念を変えてくれると信じています。

同時に発表するA-mode、NEO CLASSICOの家具も柔らかさをイメージした製品で、いつも以上に苦労と情熱を傾けて創り上げた新製品です。11月7日からスタートする展示会は花をイメージした荒川 弘之氏のフラワーアート写真とのコラボ展示で、広尾本社会場はいつもの展示会と違うプレゼンテーションを行います。少人数制でゆっくり感じていただける会ですのでぜひおいでください。花をイメージしたアクリルシェルがお待ちしています。
(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

2019年モデルのPMMA+Woodは透明度の高いアクリル樹脂(Polymethyl methacrylate・ポリメタクリル酸メチル樹脂)を使用した家具で、厚みがありながら驚くような透明感があります。椅子やテーブル、ラウンジチェアを展示します。

2018.10.29 DESIGN

フォトグラフィック アーティストとのコラボレーション

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.78
今から遡ること約30年前、AD CORE のカタログを製作する際、インテリアやプロダクト製品を撮影するカメラマンではなく、主にファッションをフィールドにお仕事をしているフォトグラファーに撮影をお願いしていました。家具のデザインもそうですが、クリエィティブディレクターの瀬戸のこだわりで、お決まりのアプローチではなく違った視点から家具を捉えて欲しいという希望があったからです。AD CORE の代名詞でもあるCERVOから撮影をお願いしていたのがフォトグラファーの荒川弘之さんです。

当時はまだ20代だった私達と、フォトグラファーとしてバリバリお仕事をされていた荒川さんとでガップリ四つに組んで撮影を行なっていました。1カットに費やす時間が2〜3時間なんて当たり前、スタジオ撮影の時はいつもエンドレスでした。現在のようにデジタル撮影ではなくフイルム撮影のため、モニターでチェックすることもできず、カメラのレンズで構図を確かめるか再現性の悪いポラ(ポラロイド写真)で確認するしかありませんでした。荒川さんとの撮影はいつも緊張感が漂っていて、現場にはアシスタントに鋭く指示を出す荒川さんの声が響いてました。今でもよく思い出すのが、フラッシュを焚いてのストロボ撮影が多かったのですが、荒川さんはいつもシャッターを切る時は空調のスイッチをOFFにするのです。微細な振動が起きないようにという気配りだったのですが、周りにいる僕たちは、もちろん息を殺してシャッターを切るのを待っていました。当時は自分たちで製品をトラックに積み込みスタジオまで運転して、撮影が終わったら再び梱包して夜明けの街を会社まで製品を持ち帰っていました。今となっては懐かしい思い出です。

そんな懐かしい荒川さんと先日20数年ぶりの出会いがあり、今年の新製品発表会でコラボレーションをすることになりました。ファッション関係のお仕事をしていた荒川さんですが、10年前のリーマンショック以来商業的な撮影はやめて、現在は自分の作品だけを撮影するフォトグラフィック アーティストとしての活動をしています。これまで「Yohji Yamamoto」氏とのコラボレーションやNYでの作品発表など、新しいフィールドで活躍されていました。今年発表する新製品と、荒川さんの作品とのイメージが偶然にもピッタリ。来週から始まる新作展示会、全く新しい試みの新製品も期待していただきたいのですが、荒川さんのアート作品とのコラボレーションも是非ご覧ください。皆様のお越しをお待ちしています。(開発 武田伸郎)

今から30数年前、荒川さんと撮影した撮影カット