COLUMN

2016.7.4 SHOWROOM

憧れのチェアお探しします(大阪・心斎橋ショールーム)

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.161
先日エーディコア・ディバイズ大阪・心斎橋ショールームに「雑誌に掲載されていたチェアを教えてほしい」とお電話でお問い合わせを頂きました。調べてみると2年ほど前に掲載された情報誌の製品紹介ページでした。

JALカード会員様向けの会報誌「AGORA」の2014年11月号に、見開きページの記事で掲載して頂きました。AD COREブランドのチェルボトレを後ろから撮影した写真と素敵な文章が添えられていました。発行当初も多数お問い合わせを頂きましたが、ここ最近も度々お問い合わせを頂いています。「数年前だけどまだありますか?」「どこかで現物が見れますか?」などお問い合わせを頂き、当社は廃盤がない事、大阪・心斎橋ショールームで展示がある事をお伝えしています。前述のお客様もすぐにショールームへご来場くださりお話をお伺いすると、雑誌を見て一目惚れだったようで買うタイミングが来るまで大事に会報誌を保存していたとの事でした。それを聞いてとても嬉しくなりました。

他にも、雑誌に掲載された製品やホテルのロビーやレストランなどでご覧頂きお問い合わせを頂く事もあります。画像がなくても、「こんなチェアだった」「○○で見た」などお問い合わせ頂ければ全力でお調べしてご紹介します!ぜひお気軽に問い合わせくださいね。各ショールームでは、座り心地などを確かめながらご提案もさせて頂きます。皆様のご来場お待ちしております。(ショールーム担当:青木 由紀子)

JALカード会員様会報誌の「AGORA」。2014年11月号に掲載して頂きました。左上の最新号にも広告を掲載させて頂いています。他にもインテリアの参考にして頂ける雑誌など多数ご用意しています!
ADC COREブランドの「チェルボトレ」。ガラス天板のダイニングテーブル「セントロデュエ」と合わせて、アームチェア・サイドチェアを展示しています。2004年の発売以来、現在も大人気です!

2016.6.29 DESIGNER

デザインした物と使われ方

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.61
家具のデザインは様々な場所で使われる事を想定してデザインします。形だけでなく使い心地も大切で、その使い心地使われる方の気持ちや、身体になってデザインするのがデザイナーの仕事です。しかし、小さなお子さんや小学生の気持ちを考える事は難しく、まして身体になる事はできません。20年くらい前に小学校の椅子のデザインをした時には自分が思っている以上にとても小さく、低学年から高学年の大きさの違いに驚きましたが、自分を小学校一年生になったつもりで、人間工学のモジュールだけでなく、身体を小さくして視線を低くして感じてデザインしました。完成した小学校で座っている子供達が嬉しそに笑顔だった事を、嬉しく思った記憶があります。

先日、久しぶりに東北の宮城県の松島にある旅館へ行きました。そこは震災後に家具だけの入れ替えのご相談を受け、お客様の使い方から提案して3年前に納入した旅館です。震災で津波の被害は無かったものの、建物本体の破損があり、オープンまで1年近くかかられた旅館でした。少しでも復興のお手伝いができればと、現地にお伺いしてロビーやラウンジなど共有スペースの入れ替えを提案しました。その後、客室を和室からベッドの部屋へなど少しずつお手伝いをしています。3年前のロビーとラウンジの家具では、ファミリーのお客様が過ごしやすい旅館にしたいとのご希望があり、特にロビー周りはチェックインやチェックアウトの時に、お年寄りの利用しやすいベンチや、小さなお子さんの遊ぶスペースなどをデザインしましたが、デザインホテルのような緊張感のあるしつらえではなく、全ての方が安心できるように心がけました。

現地で、お客様の動きを見せていただき、大人の方の動きや気持ちは分かりましたが、小さなお子さんの動きと気持ちだけは、あまり理解できません。姿勢を低くして小さな子供になったつもりで歩いてみて、なんとなく感じた事を考えて、キッズコーナーのデザインをしました。それから納品日、新しい家具をセッティングしてチェックインの時間を待ちました。お年寄り連れのご家族、小さなお子様連れのお客様、ご夫婦、若いカップルなど様々な人たちの動きを見ていて、思っていた使われ方をされるのを見てホッとした事を思い出しました。久しぶりに宿泊した翌朝、ロビーで宿泊されたお客様の姿をずっと見ていました。小さなお子様連れのご家族が2組、時間差でチェックアウトされたのですが、フロント近くに置かれたキッズコーナーで楽しそうに遊び、それを安心して見ているご両親の姿、。思い描いた通りの使い方をされています。3年前の事を思い出して、そうそう、この使い方を考えて作ったんだと嬉しくなってしまいました。

そのキッズコーナーはお土産コーナーの近くにあります。それまでも同じ場所にあったのですが、以前は絨毯の上にそのまま玩具が置かれ、間仕切りが無かったので、子供達がお土産に気を取られ、じっとしていませんでした。その為に、お土産コーナーと壁で仕切り、遊ぶ所を少し上げてクッション材を敷いてご両親の腰掛ける所を作り、和に合うようなデザインをしました。想定では、親御さんのどちらかが、チェックアウトの支払いをしてお土産を買っている間、お子さんがキッズコーナーで遊んでいて、それを優しく微笑みながら見ているもう一人の親御さんの姿です。その通りの使われ方を2組の家族が続けてされていて、本当に声を上げそうなくらい、嬉しくなってしまいました。松島の旅館ではお客様が以前以上に戻り、お手伝いした部屋も予約でずっと埋まっている事を聞いて、本当に良かったと思える仕事をさせていただいて、幸せな気持ちになりました。私自身デザイナーとして、お客様が使われている姿を見る機会はそんなにありません。それが、自分では想像できない小さなお子様が使っている姿ならなおさらです。

来年の新作のデザインをそろそろしなくてはいけません。今年は今迄以上に難しい、、。相変わらずの西海岸ブームですが、それでいいのか、次はどの方向に行くのか難しいですね。企画は終わり、イメージは少しずつ固まってきたのですが、、。でも、使われる方の気持ちになった製品作りは変わりません。楽しみにしていて下さい。                                           (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)
松島温泉 小松館 好風亭のサイトへ▷

キッズコーナーで二人のお子さんが遊んでいました。遊び場って分かるんですね。少し上がっているだけなのに、ちゃんと靴を脱いで遊んでいます。ベンチに座ってお母さんが優しそうに笑顔で見守られていました。
左上:ロビーには入ってすぐに腰掛けるベンチがあり、お土産コーナーの隣にキッズコーナーがあります。左下:新聞掛は廃止して、雑誌置きに置かれ、上は無料ドリンクコーナーになります。右:キッズコーナの床はクッション材が入った板が敷かれ、ベンチの中は玩具入れになっていますパーテーションはお土産コーナーとの仕切りになっていて、冷蔵庫等が見えないようになっています。お子さんが遊びに集中して、お土産コーナーを触りに行かなくなりました。
上:以前の写真。ロビーは低い籐家具が並び、せっかくの景色が見えません。ラウンジも同じ家具が並び、どこに座っても同じ印象でした。下:アフター写真で、内装は変わっていません。左下:ロビーは旅館らしく和モダンな雰囲気に。真ん中には花台が置かれ華やかな印象になりました。右下:ラウンジはクラシカルモダンで、コーナーでデザインが違い、グループの人数によって使用される場所が選べます。壁にかかるアートは夜には見えなくなる松島湾の姿を描いています。

2016.6.28 PRODUCT

PRODUCT:RA-061 Lamp

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.39
ネオクラシコブランドのテーブルランプのRA-061は、柔らかなラインを描く透き通るような白い陶磁器と、ファブリックシェードの優しい照明です。エーディコア・ディバイズ20周年を迎えた2005年に、上質さをテーマにしたブランド、ネオクラシコの家具に合わせてデザインしました。透き通るように白い本体は、佐賀県の有田町で焼かれた陶磁器です。

照明の本体になる壷を探しに訪れた有田町で出会った、江戸時代から続く窯元で生成されています。そこで出会った柔らかなラインの陶磁器は、販売目的で置かれていた物ではなく、工房の中にひっそりと置かれていたもので、遠い昔、お茶を運ぶためにつくられた茶壺でした。最初、店先に置かれていた花瓶や壷はどれも小振りで、小さな照明にしか使用できない物でした。使える物が無く帰りかけて、せっかくならと工房を見学させていただいた時に、その工房の物置に置かれていました。聞くと、今は製作されておらず、明治時代まで作られていた茶壺で、その中にお茶を入れてヨーロッパへの輸出用のお茶を運ぶための器として作られた茶壺でした。その形に目を奪われてしまい、復刻して作っていただく事になりました。

しかし、製作する為に条件がありました。1300度の高温でガラスのように溶ける一歩手前の燃焼で仕上げる為に、割れたり変形し、仕上りで15%程度小さくなってしまい、このサイズだと10個焼いて3個〜5個はダメになってしまうとの事。そのリスクと、また、その窯元の仕上がり作品として出すのではないので、名前を表に出さない事。その条件を受けて製作していただく事になりました。表面の透き通るような白くガラスのような滑らかさは1300度の高温で生成して生まれています。茶壺そのままの大きさと形は、まるでオリジナルの照明に合わせてデザインされたようです。その昔、ヨーロッパに渡った茶壺が置物やランプとしてインテリアに置かれましたが、そのインテリアが現代によみがえったようです。

布性のシェードはプレーンの白と黒、クラシカルな白のプリーツタイプがあり、下台と照明機具部にはホワイトブロンズが使われています。照明はシェード下に調光機能付きスイッチが備えられて、光をコントロールする事ができます。白磁器の滑らかさと色合いをお楽しみ下さい。               (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)    

■061 Lighting・RA-061(テーブルランプ) ▶

左:720ミリの高さのテーブルランプはインテリア照明として存在感があります。右:陶磁器の本体は高さ400ミリ、太さが220ミリあります。焼く前には一回り大きく460ミリあります。茶壺のフタの先の丸い部分を無くして照明の支柱を付けました。支柱は本体を通してスチールベースに止められます。
左:照明器具の下には細いツマミがついていて、回すと調光とオンオフのスイッチになっています。右上:立った時に目に光が入って眩しくないようにシェードのトップに乳白のアクリル板が置かれています。ベースはスチールのホワイトブロンズ仕上げ、底にはゴムの脚が装着され安定と防止になっています。陶磁器の底には見えませんが、窯元の印が隠れています。

2016.6.27 DESIGN

塗装仕上げ 匠の技

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.50
我が社では年に一回、自分たちのブランドの家具を作る現場を見て、成り立ちや苦労を肌で感じ、それぞれの仕事に活かそうと工場研修を実施しています。家具に携わる仕事をしていても、実際の家具の製作現場は中々見る事が出来ません。今回は、九州にお伺し3工場を廻ってきました。

家具製作の現場には、部署柄いつもお伺いしていろいろ見ているはずなのですが、工場見学をさせていただく度に新しい発見や知らなかったノウハウがあります。出来上がった製品を見ると、その仕上がりが当たり前と思ってしまいがちですが、実際の作業を目の当たりにすると「ここまで手を掛けるのか・・・」と改めて感心してしまいす。今回お伺した主にテーブルをお願いしている工場では、最近大人気のヴィンテージ塗装(ネオ クラシコ ヘリテージシリーズの規格色 D-6、7色)の工程を見てきました。

ヴィンテージ塗装は、導管のあるホワイトオーク材の素材感を強調したざっくりとしたナチュラルな質感が特徴です。オーク材にうずくり加工(木目の凹凸を強調する加工)を施し、白または黒塗装をした後、今度はその塗装を剥がしますが、その落とし具合が仕上がりを決定します。塗装したうずくり材の塗装を落とすと、導管に入り込んだ塗料はそのまま残り、凸部分だけ本来の木部色が露出します。塗装を落とすといっても、突板部分と無垢材、平面と木口部分では塗装の乗り方、落ち方が全く異なります。広い面と角の部分や凹みの部分でも手加減一つで台無しになってしまいます。そして最も肝心なのが、細部ばかりに気を取られてはダメで、少々雑に見えても製品全体を見た時に「良い感じ」に仕上ってないといけません。まさにセンスの見せ所、しかも、やり直しが効きません。毎回材料も違えば、季節や天候によっても仕上がりが左右されます。理屈では分かっている塗装の工程でしたが、今回その工程を細かく見せていただいて、繊細で難しい作業に改めて感心しました。

こちらの工場では、ヴィンテージ塗装を仕上げる職人は一人だけ、センスと技術を持ち合わせた職人のみが仕上げをまかされているそうです。今、最も人気色のヴィンテージ仕上げ、お客様にもその魅力と素晴らしさをもっと感じていただけるようにPRしていこうと思いました。(企画開発 / 武田 伸郎)

塗装は、職人の手作業とセンスによって仕上げが決まります。
右がうずくり加工に白染色を施したモノ、左が表面を研磨して塗装を落とした材。導管にいい具合に白塗装が残っています。

2016.6.23 SHOWROOM

工場研修に行ってきました。(東京・広尾ショールーム)

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.160
先日、全社員で工場研修に行ってまいりました。当社では年に1度、自社製品の知識向上やスキルアップのため工場研修を行っております。今回は九州の工場を3件廻ってきました。ちょうど九州は30℃を越える真夏日。暑さの中、工場の方々にもご協力いただき、しっかり勉強してまいりました。

工場研修は日頃、私たちも製品の中まで見ることはあまり無いのでとても貴重な経験です。工場の方々の説明を聞きながら製品作りの流れを見ていくとどれだけ手間が掛かり、丁寧に作られているかが良くわかります。テーブルやキャビネットなど天然木を使うため、工業製品のように全て機械化は出来ず人の手作業となることが多く、職人さんの経験と技が随所につまっています。商品によって木の木目や色味のバランスを見ながら組み合わせたり、張地の特性を考慮しながらカットし縫製したり、多くの人の手が加わり、お客様の元へ届けられていきます。

私も今回初めて見学する工場ばかりで、実際に自社の商品を製作している現場が見られてとても勉強になりました。高いクオリティーでひとつひとつ丁寧に作られているモノ作りをお伝えしながら、ショールームでご案内させていただきたいと思います。
(ショールーム担当:西條 恵理)

人気のラウンジチェアNC-053とNC-030L。手作業で組立と仕上げを行っています。
NEO CLASSICO HeritageのD−6(ヴィンテージホワイト)は一度ホワイト塗装をし、マスターを見ながら塗装を削ってヴィンテージ感をだします。職人さんのセンスの見せどころです。
研修後は国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されている豆田町(大分県日田市)を散策したり、小鹿田焼きの窯を見学してきました。