COLUMN

2016.6.27 DESIGN

塗装仕上げ 匠の技

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.50
我が社では年に一回、自分たちのブランドの家具を作る現場を見て、成り立ちや苦労を肌で感じ、それぞれの仕事に活かそうと工場研修を実施しています。家具に携わる仕事をしていても、実際の家具の製作現場は中々見る事が出来ません。今回は、九州にお伺し3工場を廻ってきました。

家具製作の現場には、部署柄いつもお伺いしていろいろ見ているはずなのですが、工場見学をさせていただく度に新しい発見や知らなかったノウハウがあります。出来上がった製品を見ると、その仕上がりが当たり前と思ってしまいがちですが、実際の作業を目の当たりにすると「ここまで手を掛けるのか・・・」と改めて感心してしまいす。今回お伺した主にテーブルをお願いしている工場では、最近大人気のヴィンテージ塗装(ネオ クラシコ ヘリテージシリーズの規格色 D-6、7色)の工程を見てきました。

ヴィンテージ塗装は、導管のあるホワイトオーク材の素材感を強調したざっくりとしたナチュラルな質感が特徴です。オーク材にうずくり加工(木目の凹凸を強調する加工)を施し、白または黒塗装をした後、今度はその塗装を剥がしますが、その落とし具合が仕上がりを決定します。塗装したうずくり材の塗装を落とすと、導管に入り込んだ塗料はそのまま残り、凸部分だけ本来の木部色が露出します。塗装を落とすといっても、突板部分と無垢材、平面と木口部分では塗装の乗り方、落ち方が全く異なります。広い面と角の部分や凹みの部分でも手加減一つで台無しになってしまいます。そして最も肝心なのが、細部ばかりに気を取られてはダメで、少々雑に見えても製品全体を見た時に「良い感じ」に仕上ってないといけません。まさにセンスの見せ所、しかも、やり直しが効きません。毎回材料も違えば、季節や天候によっても仕上がりが左右されます。理屈では分かっている塗装の工程でしたが、今回その工程を細かく見せていただいて、繊細で難しい作業に改めて感心しました。

こちらの工場では、ヴィンテージ塗装を仕上げる職人は一人だけ、センスと技術を持ち合わせた職人のみが仕上げをまかされているそうです。今、最も人気色のヴィンテージ仕上げ、お客様にもその魅力と素晴らしさをもっと感じていただけるようにPRしていこうと思いました。(企画開発 / 武田 伸郎)

塗装は、職人の手作業とセンスによって仕上げが決まります。
右がうずくり加工に白染色を施したモノ、左が表面を研磨して塗装を落とした材。導管にいい具合に白塗装が残っています。

2016.6.23 SHOWROOM

工場研修に行ってきました。(東京・広尾ショールーム)

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.160
先日、全社員で工場研修に行ってまいりました。当社では年に1度、自社製品の知識向上やスキルアップのため工場研修を行っております。今回は九州の工場を3件廻ってきました。ちょうど九州は30℃を越える真夏日。暑さの中、工場の方々にもご協力いただき、しっかり勉強してまいりました。

工場研修は日頃、私たちも製品の中まで見ることはあまり無いのでとても貴重な経験です。工場の方々の説明を聞きながら製品作りの流れを見ていくとどれだけ手間が掛かり、丁寧に作られているかが良くわかります。テーブルやキャビネットなど天然木を使うため、工業製品のように全て機械化は出来ず人の手作業となることが多く、職人さんの経験と技が随所につまっています。商品によって木の木目や色味のバランスを見ながら組み合わせたり、張地の特性を考慮しながらカットし縫製したり、多くの人の手が加わり、お客様の元へ届けられていきます。

私も今回初めて見学する工場ばかりで、実際に自社の商品を製作している現場が見られてとても勉強になりました。高いクオリティーでひとつひとつ丁寧に作られているモノ作りをお伝えしながら、ショールームでご案内させていただきたいと思います。
(ショールーム担当:西條 恵理)

人気のラウンジチェアNC-053とNC-030L。手作業で組立と仕上げを行っています。
NEO CLASSICO HeritageのD−6(ヴィンテージホワイト)は一度ホワイト塗装をし、マスターを見ながら塗装を削ってヴィンテージ感をだします。職人さんのセンスの見せどころです。
研修後は国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されている豆田町(大分県日田市)を散策したり、小鹿田焼きの窯を見学してきました。

2016.6.13 SHOWROOM

気持ちの良い空間でお寛ぎ下さい。(名古屋・栄ショールーム)

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.159
全国的に梅雨入り、すっきりしないお天気が続いていますね。エーディコア・ディバイズ名古屋・栄ショールームは、じめじめした梅雨の時期でも気持ちよくなるくらい窓の外の景色が美しく、雨に濡れた木々に梅雨の晴れ間には太陽が差し込みキラキラ輝いてみえます。そんな気持ちの良い空間で、お客様へお出ししているフレーバーティーも季節にぴったりなフレッシュなフレーバーに変わりました。

グリーンレモンの香りとレモングラスをブレンドした夏限定茶「ハツコイ」はスッキリとした味わいに、レモングラスのスーッとした喉越しがある夏にぴったりの緑茶と、マンゴーの王様のアルフォンマンゴーのとろっと甘い風味をぎゅっと凝縮した香り豊かな紅茶。こちらも、常夏を思わせるようなフレーバーで大好評です。お客様の中には、毎回この季節のフレーバーティーを楽しみにご来店くださる方もいらっしゃいます。

すっきり美味しい夏のフレーバーティーを緑溢れる気持ちの良いショールームで、お気に入りの家具を選びながら召し上がって行ってください!フレーバーティーの美味しい煎れ方もご案内させていただきますので、いつでもお声掛け下さい!お待ちしております。(ショールーム担当:小田切 里子)

ショールームに一歩はいると、この壮大なグリーンが広がります。雨の切れ間の太陽の光が差し込んでついうっとり見入ってしまうなんて事も…。
気持ちの良い空間で、新しくなったフレーバーティーをお召し上がり下さい。

2016.6.8 SHOWROOM

無事納品させて頂きました!(大阪・心斎橋ショールーム)

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.158
エーディコア・ディバイズ大阪・心斎橋ショールームでは、先日納品させて頂いたお客様の物件をご紹介させていただきます。

今回のお客様はホームページをご覧頂きテイストなどを気に入って頂いて、ショールームに御来店くださいました。新築のおうちにダイニングセット、リビングセットをお探しとの事で、展示品を中心に様々な製品をご案内させて頂きました。最終的にはNC-025ダイニングテーブルとNC-007コンフォートチェアに決定。そこから木部の色や生地をお選び頂くのですが、ここで登場するのが、数々の納品例画像集。実際に納品した画像をご覧頂く事で、よりイメージが具体化します。その際にダイニングテーブルの大きさや方向などもご確認させて頂きます。最後に搬入経路や納品日のおおよそのご希望など打合せさせて頂き、ご注文が完了しました。ここまで来るとお客様も私も納品が待ちきれなくなるぐらいワクワク感で一杯です!

そして、先日無事に納品する事が出来ました!完成した製品はイメージ通りでお客様にも大変気に入って頂く事ができました。各ショールームでは様々なインテリアのご相談もお受けしています。ぜひインテリア、家具選びのお手伝いをさせてください。皆様のご来店お待ちしております。                  (ショールーム担当:青木 由紀子) 

お客様のご希望でテーブルの上にはクリアガラスを乗せています。テーブルのサイズ感もぴったり!          ダイニングテーブル:NC-025  コンフォートチェア: NC-007MS
ダイニングチェアと同じ生地でラウンジチェア、同じ色味で円形のリビングテーブルも納品させて頂きました。お部屋からの景色がとてもよく天保山やUSJまで一望です!ラウンジチェア:NC-054  リビングテーブル: MD-212

2016.5.30 DESIGNER

人の手と指の感覚

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.60
先日、当社の製品製作を協力いただいている山形の工場で2日間、製品の製作工程を、材料取りから組立、完成まで全てを見てきました。年に一度必ず製品の全ての工程を、自分自身の勉強の為にも見るようにしています。試作で工場内で立会う事はあるのですが断片的な製造だけです。通常品として工場ラインで流れる製品を一から完成まで全ての工程を通して見る事は、工場の方もあまりありません。31年以上通っている工場ですが、いつも発見があり、本当に楽しい時間でした。その工程を見ながら、ドイツの車メーカーの工場のドキュメンタリーを見ていた事を思い出しました。

ドイツの高級スポーツカーメーカー、ポルシェのシュトゥットガルト本社の歴史的建造物のある工場を、新工場にするドキュメンタリーですが、その中で一番力を入れていたのが最先端の塗装工場でした。より高品質の塗装にするために人の手が入らないように工場全体をクリーンルーム化して、埃を取るブラッシングまで完全ロボット化した塗装ラインです。ポルシェを代表するスポーツカーの911のボディのラインはプレスするのが難しく、911が発表された1964年からボディの塗装前には人の手でなでて、少しでも歪みがあればチョークでマーキングして修正する、ハンドメイド的な工程が有名で、多くの人の手が入る作りが売りでした。そんな記憶があったので、ポルシェも完全ロボット化したんだと少し残念な気持ちになりかけました。

しかし、一つだけ人の作業が残っていました。映像の中で、塗装自体はクリーンルームの中でロボットが行うのですが、塗装の仕上り検査で、光を使い塗装品質を確認する工程です。ここにはロボットはおらず、2 人の作業員が注意深くボンネットを見つめ、手袋を使わずに素手でそっとその表面に触れていました。次の工程で研磨が必要とされる不均一な塗装を見つけるにはこれが最良の方法そうです。ロボット化が進みセンサーが発達しても人の手の感覚にはかなわないそうです。山形の工場では塗装前の下地を掌と指でなぞるように触れて、完成時もなでる検査工程を見ていて、この映像を思い出していました。物は違っても最後は人が一番のセンサーなんだなと、、。どのくらいの凸凹を、人の指は感じる事ができるのでしょうか。調べると、2013年9月12日にストックホルム大学の心理学者チームが、「人間の触覚の限界」を研究した論文を発表。論文によると、人間の指は、13ナノメートルの小さな隆起が付けられた表面と、何もない表面を区別することができるそうです。10万分の1ミリ少しの表面が分かるなんて凄い精度です。

私自身、工場内で流れている製品をいつも手に取り、なでていて、塗装仕上がりの時にも触るようにしています。家具会社によって塗装の仕上がりは違います。当社の協力工場の塗装はいつもなでているのですぐに分かります。普段の生活でも物に触れるクセがあり、洋服の生地や、鞄や靴の革素材、食べ物はスーパーでもついやってしまうそうになり、気がついて手を引いています。ついトマトや茄子なんか触りたくなってしまいます。でも、昔、母親が八百屋さんやスーパーで物を手に取りながら選んでいたのを思い出しました、キュウリはトゲトゲのある物、茄子は張りがあって指滑りがよく艶やかな物、トマトは固めでずっしりと重さがある物など、指先がセンサーだったんだと。今は袋に入っている物が多く、触れない物が多くなってきましたが、、。

ぜひ、皆さんも物を選ばれる時、家具も触って優しく触れてみて下さい。良い物かどうか分かると思います。当社の家具も全てが良い触れ心地であるように品質に気をつけないといけません。  (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

左:ポルシェの新工場の塗装後検査ライン。素手で塗装の表面を触れて検査しています。他の塗装ラインでは、ほぼ全てをロボットが作業を行います。右:1970年代のボディ製作ライン。人の手でボディ組み立てと表面仕上げをしています。(Porsche AG本国サイトから)
左:組立後、塗装前の表面研磨の仕上がり検査です。ひっくり返して指先で裏側や、脚先まで触れて確認します。右:R1.5の面取りは指先で触って確認します。ゲージより指先の感覚が大切なんです。両方とも女性の職工さんですが、作業中でも手袋はしていません。