COLUMN

2015.11.25 PRODUCT

PRODUCT:MD-201 Chair

AD CORE DEVISE PRODUCT BLOG Vol.32
今回は、A-modeの中から、MD-201を紹介します。目指したのはあくまでもシンプルでオーソドックスなチェア。脚部にはビーチ材、座面ベースにはファニチャーメッシュを使用しました。ふっくらとした厚めのウレタンと、ゆとりを持たせたサイズでしっかりとした掛け心地を持たせたチェアとして、 2010年に発表しました。

テーパー処理を施した脚部と、後脚の角度を浅めにデザインしたことで、シャープな印象を際立たせます。座面には布バネ・ファニチャーメッシュの上に4層のウレタンを使用し、ゆったりとした座り心地に仕上げました。背中のクッションも4層のウレタン、アームチェアの内側には3層のウレタンを使用しています。直線的に仕上った様に見えるフォルムにも内側のカーブと背裏にもカーブを描くことで、スクエアなフォルムに柔らかさを表しました。見えない内部フレームにも強度を考え、ダボとホゾを併用してフレームを組み上げています。さらに背と座面の張地を貼り分けることにより、オーソドックスなフォルムに変化をつける事が出来ます。また便利なオプションハンドルも用意しました。スチールにクロームメッキ仕上げの持ちやすいハンドルは、購入後の取付けも可能です。

MD-201は、シンプルでスクエアなフォルムをベースにしたスタイルにより、ダイニング以外でも様々ななインテリアシーンに合わせてご利用頂いています。柔らかなラインの中にもシャープな印象を感じさせるチェアです。

(エーディコア・ディバイズ 企画開発/菊地 裕輔)

   ■MD-201 製品ページ ▶

左:MD-201Aの内部フレーム、張り上がると見えない箇所もビーチ材を使って綺麗に仕上げています。右上:強度が必要な前脚と座枠フレームの連結は、ダボとホゾを使用して固定します。右下:背のフレームには、ハンドルの後付を可能にするため、鬼目ナットが取り付けています。
左上:背のウレタン、 左下:座のウレタン、それぞれ4層のウレタンを使用しています。 右上:アーム内側のウレタン、3層のウレタンを使用しています。 右下:オプションハンドルはAD CORE DEVISEのオリジナルハンドルです。

2015.11.9 SHOWROOM

いよいよ大阪にて展示品セール始まります!(大阪・心斎橋ショールーム)

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.136
東京・名古屋各ショールームで大盛況で終了しました、展示品一掃セールですが、ついにエーディコア・ディバイズ大阪・心斎橋ショールームにて14日土曜日・15日日曜日に開催致します。今回は目玉商品を一挙ご案内します!

なんと言っても今回の目玉は、2015年新作のネオクラシコ ヘリテージ!大阪・心斎橋ショールームでは円形のテーブルとソファセットを展示していますが、どちらもセール対象となります。特にダイニングセットは大人気のベージュの花柄スリップカバー付です。もちろん外した状態でもお使い頂けるので、簡単にインテリアのアレンジができます。他にも単品チェア、TVボード、照明などもセール対象です。更には大阪では展示していなかった大人気商品もご用意しております。このブログでも御紹介させて頂いた革小物のコースターやマットもこの2日間のみ30%オフにて販売しますので、ぜひこの機会にご自宅用またはプレゼントなどにいかがでしょうか?

最後にスペシャルな情報としまして、なんとご購入頂いたセール商品をその場でお持ち帰り頂いた場合、更に5%オフさせて頂きます!この2日間のスペシャルなイベントにぜひお気軽に御来店ください。お待ちしております。                                          (ショールーム担当:青木 由紀子)

テーブルφ1500とアームチェア、サイドチェア各2脚(花柄スリップカバー付)セット 定価¥1,189,000→50%オフ¥594,500(税別)
1Pソファ定価¥203,000→50%オフ¥101,500(税別) 自分専用ソファにおすすめです!

2015.10.30 DESIGNER

気がつけば30年

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.51
気がつけばエーディコアでデザインを始めて30年になります。ついこの間、上野の国立博物館で20周年の記念展示会を開催したと思っていたら時間の経過は早いものです。いまだに国立博物館の本館を借り切っての20周年の事はお客様から、凄かったと言われます。国宝を見ながら博物館内でのパーティや、スワロフスキーで特注した、当社のマーク入りのペンダントヘッドのお土産など、準備など本当に大変でしたが、良い思い出です。それからもう10年経ちました。

30年前にエーディコアを立ち上げる時のメンバーとして参加したのは、大学を卒業して1年を少し過ぎた1985年でした。マレーシアで樹液を取り命を終えたゴムの木の利用を考えていた会社のデザイナーとして参加しました。結局、ゴムの木は家具としてはモロく使えない木材だった為、天板などの集成材の使用だけにとどまりましたが、他の材料を使って家具のデザインと販売をする事になりました。その時に社のコンセプトとして掲げたのは21世紀まで作り続けられる家具。廃盤にしないデザイン、大量生産せずに、必要とされる方の為だけに国内で受注生産する事、JIS規格の繰返し試験の3倍の強度を持つ事など、社内の約束事に出発しました。世の中の製品の多くは数年経つと、デザインが古くなったり、性能面でも古くなり、廃盤になる事が多くあります。ずっと使い続けていただきたい、そうする事で、廃棄する物が少なくなれば、本当の意味の環境に配慮した事ではないかと考えたからです。

しかし、長く使えるデザイン、古くならないデザインをする事は経験の少ないデザイナーには難しい事で、本当に悩む日々が続きました。その頃から心にあったのは、どこにでもありそうで無いデザイン。一番最初にデザインしたのは、サーコロという四角いスツール。重ねられるシンプルなスツールで、和にも洋にも合う椅子として様々な場所で使われています。次にデザインしたのはCERVO/チェルボという座が脚から浮遊している椅子です。CERVO(イタリア語で鹿)のような脚は色を選べ、故障しても交換できるようにスチールパイプにビスで取付けられる構造で、座と背もステンレス製のバネになるLアングルで組まれました。図面を書く時に苦労したのは、スチールフレームの図面で、木部を組立てからの完成姿からの寸法を割り出すのに、計算機でsin,cos,tanの計算を一日中して割り出し、木部に入れる鬼目ナットにかかる強度も計算して、数日かかって作った計算表を見ながら図面を書きました。数学ってこうやって役に立つんだ、勉強を多少していて良かったと思いました。椅子の完成図ではなく、パーツ図から全て書き終えたのですが、それからが大変でした。

家具の工場といえば設備上から、木製の工場、スチール工場と分けられていて、その両方を組み合わせた家具製品はその頃存在していませんでした。経験が少ないから、そういった常識を知らずにデザインしたからこそ出来た椅子なんです。最初に木製の工場へ図面を持って行った時には、こんな雑貨のような椅子を作れるか!と工場の方から怒鳴られられました。今度はスチール工場にフレームをお願いしにいった時には、何度何分と細かな誤差も指定した図面に、こんな精度のパーツなんて作れるか!と怒鳴られました。若造が持ってきたわけ分からん図面だからと返されそうになりましたが、元来、強情な性格に育ったせいか何度も工場へ通い、やっと作っていただいたのがCERVOです。最初はJIS規格の強度試験が通らずに、何度も試験場を往復して角度の調整、溶接方法、木部の鬼目ナットなど変更してやっと製品化になりました。木工場の社長からはこんなのは売れないと言われての発売です、、。しかし、1986年頃から始まるカフェバーやプールバーのブームで、発表直後から電話の鳴りっぱなしで、数万脚発売するヒット製品になりました。デザインは構造からという事を本当に実感した仕事でした。

30周年は、今の時代に合うような、ナチュラルな展示会を各ショールーム内で開催する事になりました。新作のデザインのような優しい空気に触れていただければと思っています。先月、アメリカ西海岸で撮影した写真を使用した総合カタログも大改訂されます。会場でお渡しするトートバッグとお土産もデザインしました。ほっこりするような物ですので、お楽しみに!                               (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

昭和61年に書かれたCERVOの図面です。トレーシングペーパーに書かれた図面が懐かしい。 他に細かなパーツ図も書きました。
強度計算と角度計算に時間をかけたフレームの図面です。今ではCADがあるので、計算はすぐですが、計算機での3次元の計算は苦労しました。

2015.10.26 DESIGN

1985年から30年後の現在

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.42
会社の通り道添いに、スバル自動車のショールームがあります。通常は新車や話題のモデルが展示してあるのですが、先日通り掛かった時に懐かしい旧車がいくつも展示されていました。僕と同じ歳のスバル360から丸目が可愛いスバル1000、往年の名車レオーネまで、ピカピカで並んでいました。中でも目を引いたのが、ちょっと未来チックな「アルシオーネ」。当時では珍しいリトラクダブル(格納式)ヘッドライトは、スーパーカーみたいで質実剛健なスバルのイメージとはちょっとかけ離れていましたがとても印象に残っています。発売が1985年、今からちょうど30年前になります。スピルバーグの映画「バックトゥザフューチャー」が公開されたのもちょうど30年前。1985年当時の高校生(主演マイケル J フォックス)が、30年前にタイムスリップするストーリーでしたね。映画で描かれていた30年後の世界が、現在の世界とどう違うのか?巷ではいろいろニュースで報道されていました。昭和生まれのオジさんからすると、1985年はそれほど前には感じないものですが・・・30年前といえばだいぶ昔のことになるのかもしれません。

AD CORE がファニチャーブランドとして誕生したのが1985年。ブランド発足30周年を迎える事ができました。発足当初 AD CORE は、それまでの業界にはない色んな事にトライしてきました。異素材を組み合わせたハイブリットの椅子や在庫を持たずにオーダーをいただいてから生産する受注生産システム、「3ヶ月連続で新製品を発表」なんてこともやった事が有りました。当時のコンセプトが「21世紀まで作り続けられる家具」。いつの間にか21世紀も過ぎ、発足から30年が経過しました。当時、ベストセラーだった弊社の看板製品「CERVO」も、カフェブーム全盛時の爆発的な生産数には及びませんが、未だ人気の製品です。製品アイテムもたくさん増えましたが、いくつもの時代を乗り越え、どの製品も未だ現役です。

デザイナーの瀬戸が思い描いてきた、使い捨てでは無いデザイン。「家具」は、プロダクト製品の中でも懐古主義的ではない時代を超えて残り続けるマスターピースになりえるジャンルです。古ければ良しとするヴィンテージの世界観とも異なり、昔のデザインでも現代にフィットし、生き続ける事が出来ます。若い頃「○○名作家具が誕生から数十年!!」なんて目にするたび「すごいなぁ」と、感心していたものですが、AD COREが30年という節目を迎えた今、そんな理想の世界にちょっとだけ近づけたのでしょうか。これからも、1年1年を重ねて、新たな歴史を重ねてがんばりたいと思います。(エーディコア・ディバイズ/企画開発 武田 伸郎)

1985年誕生のスバル アルシオーネ。懐かしい。
発足当時のAD CORE CERVO のビジュアルです。懐かしいけど旧くない?

2015.10.25 SHOWROOM

座った人に感動を与えるチェアとは?(東京・広尾ショールーム)

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.135
エーディコア・ディバイズ東京・広尾ショールームでは、ここ数ヶ月であるチェアのお問合せが立て続けにありました。両方ともデパートやホテルで座った椅子が本当に座り心地が良く、調べていただいたら、エーディコア・ディバイズのチェアだったとのことでした。偶然にも、NC-020という同じシリーズでした。

お一人目は、日本橋高島屋8階レストランにあるNC-020 チェアに座ったところ、とても座り心地が良くてご自分用に1脚ご購入したいとショールームにお越しいただいたご婦人。ご自身の身長に合わせて脚カットをされて、ご来場当日ご購入いただきました。もう一件は、高松のクレメントホテル に設置いただいたNC-020 チェアのお掛け心地をお気に召して、ご連絡くださったご年配の男性。生地や木部色を選びに行けないのでとの事で、何度かサンプルをやり取りしてご決定いただきました。大変喜んでいただけて、温かいお手紙にご趣味の俳句も添えて送っていただけました。一脚のチェアが人に感動を与え、手に入れたいと思っていただくことはそれほど多くはないと思います。それも、一番身近に置きたいと自分用に1脚だけ買われたチェアは、毎日の多くの時間をそこで過ごして頂けることでしょう。

ぜひ、皆様もエーディコアディバイス東京広尾ショールームにお越しいただき、お気に入りの1脚を見つけてください。これからSALEもございますのでお買い得な1脚も見つかるかもしれませんね!ご来店心よりお待ちしております。(ショールーム担当:巻嶋 久美子)

エレガントな曲線が美しいチェアは包み込まれるような座り心地でずっと座っていたくなります。