COLUMN

2025.9.19 SHOWROOM

脚を伸ばしてくつろぐソファ

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.487(名古屋・栄ショールーム)
酷暑が続いた今夏も、少しずつ秋の気配を感じられるようになりました。季節の変わり目だからでしょうか、転勤や引越しの話をよく耳にします。このような機会に家具の買替えをご検討される方も増えています。今回はお客様からソファをご検討される際によくご質問をいただくカウチソファ(シェーズロング)についてご紹介したいと思います。

ソファにも色々な形状がありますが、今回ご紹介するカウチソファは、背に身体を預けて脚を伸ばして座れるソファのことです。カウチソファの「カウチ」は、フランスの古語「横たわる」を意味するcoucheierが語源と言われているように、ソファで横になってゆったりと過ごすことができます。ソファで一人が横になってしまうとソファを占領してしまいますが、カウチソファがあれば、周りに気兼ねなく横になって過ごせます。カウチソファのメリットは、なんといってもリラックス感が抜群に良いことです。脚を上げて座れるので疲れにくく、長時間ゆったり過ごせます。人が集まる際にはソファのように腰掛けて使用することも可能です。ストレートタイプのソファとの組み合わせなら、視線が交わる位置で座れるのでより会話も弾みます。
当社のシステムソファMD-1105のカウチソファ(シューズロング)は、奥行きが1400mmとコンパクトなサイズ感なので、ソファ前のスペースを広く必要とせずご使用いただけます。座面は充分広さがあるのであぐらをかいたり、クッションでコーディネートを楽しむこともできます。大変人気のMD-3211ソファにもカウチソファ(シューズロング)の展開があります。アームが長く傾斜したデザインが好まれ、カウチタイプを2人掛けソファとしてご検討されるお客様も多くいらっしゃいます。カウチソファは脚を伸ばしてお使いいただく設計になっていますので、2人掛けソファとは座り心地に違いがあります。お客様のお使いいただくシーンに合わせて上手にお選び下さい。

カウチソファがあるとくつろぎの時間がとても有意義にお過ごしただけます。ソファセットと組み合わせたり、単体でご使用いただいたりと自由な発想でご使用ください。組み合わせやコーディネートに悩まれた時には、お気軽にショールームスタッフにお声がけください。お客様のご希望に沿ったご提案をさせていただきます。ショールームで皆様のご来場を心よりお待ちしております。
(ショールーム担当:水野 未佳子)
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上左右:MD-1105のカウチソファは奥行きサイズがコンパクトなので、スペースを取らずご使用いただけます。 右下:ソファと組み合わせることで座面をより広く使用できます。あぐらをかいたり、お好きなスタイルでおくつろぎください。 左下:マンションのエントランスなど、アクセントとしても活用いただけるサイズです。

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大人気のMD-3211ソファセット。お好みや用途に合わせて上手く組み合わせてお楽しみください。

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2025.9.5 SHOWROOM

お客様との家具選び

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.486(大阪・心斎橋ショールーム)
ショールームではお客様の家具選びの際にお部屋のイメージやお好みをお伺いして、家具のセレクトをしています。来場前に、ショールームではどのようなことを聞かれるのだろう?何か用意をして行くのか?等、不安に思っている方もいらっしゃると思いますが、接客中はヒアリングやコミュニケーションをとり、お客様にご満足いただけるように努めておりますので、安心してご来場ください。

ショールームでお打ち合わせの際、お部屋の広さに合わせて家具の1/50スケールのテンプレートを使用して図面上での寸法の確認をしています。実際にお手持ちの図面に置いてみるとバランスの確認やイメージをしていただきやすく、大活躍しています。同じ商品でもサイズがかわったときのイメージ等もすぐにご確認いただけます。図面をお持ちではない場合は、どのくらいのサイズ感の家具をご希望かをお伺いしご提案します。製品については、ショールームの展示品はもちろん、ホームページで実際に納めた家具のお写真をご覧頂きながら特徴等をご説明し、イメージを膨らませていただいております。お好きな家具の写真や、お部屋の雰囲気が分かる写真等をお持ちいただければコーディネートのご提案もスムーズに行えますので是非お持ち下さい。サイズ感や、どのようなカラーが合うかなど一緒に考えさせていただきます。展示しているチェアやソファなどは、実際に座ってご体感いただくことで、座面の硬さや、座面の高さの違いなどを感じていただけます。構造や素材が違いますので、デザインにより掛け心地は異なります。またお使いいただく場所や、目的によっても選び方は変わってきます。テーブルなどは木部の質感なども確認いただけるので、より具体的に家具の出来上がりをイメージしていただけます。
製品が決まりましたら、次は塗装色や張地などの選定です。同じ家具でも塗装色や張地によって全く印象が変わります。色々な組み合わせを試してご自身だけの素敵な家具作りをお楽しみください。お打ち合わせした家具の、木色やファブリックのサンプルもその場でお渡ししております。
大阪ショールームではダイニングセットは4セット、ソファセットは5セット、他にもダイニングチェア、ラウンジチェア、カウンターチェア等を展示しております。展示している木部、張地もそのままご選定いただけますので、お気に召されたものがありましたらお声がけください。お部屋の図面をお預かりして、プランをお作りすることも可能です。是非ご相談ください。

私たちショールームスタッフは、お客様一人一人のライフスタイルやお部屋に合う家具をご提案させていただきます。いくつかのパターンでお悩みの際も、お客様がご納得いくイメージが出来上がるまで何度でもお打合せさせていただきます。ご自宅で家具選びを楽しめるようショールームでは、ミニカタログをお渡ししています。スタイル写真のページなどインテリアの参考にもなりますので、ぜひお近くにお越しの際は各ショールームへお立ち寄りください。皆様のご来場お待ちしております。
(ショールーム担当:天川 唯)
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左:塗装サンプル。右:家具の1/50テンプレートを使用して図面上での寸法の確認をします。
落ち着いた空間でお客様の家具選びのお手伝いをさせていただきます。

2025.8.29 DESIGN

3Dプリント技術と家具開発

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.159
今年も新作となる 2026年モデル の開発を進めており、加えて当社の創立40周年を記念したイベントの開催も予定しています。新作開発における設計・開発体制をさらに強化するとともに、イベントで使用する模型制作のため、最新の3Dプリンターを新たに導入しました。従来機(約5年前に導入)と比較すると、立体表現の精度や造形スピードが格段に向上しており、すでに新製品開発の現場で早くも活躍しています。

3Dプリンターは2009年の技術特許切れを機に多くの企業が市場に参入し、以降、進化と改良が加速しました。当時1000万円を超える大型設備が主流だったものが、小型化と低価格化が急速に進み、現在では家庭用の機器が1万円台で購入できるほど一般化しています。今回導入した「Bambu Lab」は高精度とスピードを兼ね備えながらコストパフォーマンスに優れており、当社の家具開発における大きなアシストとして期待できる存在です。もともと3Dプリンターは試作品製作を目的として開発されましたが、現在では自動車・医療・宇宙開発など多岐にわたる分野で応用されています。特に粉末積層方式を用いる機器は、F1のエンジンパーツやフレームパーツの製作にも活用され、従来では考えられなかった効率性とコスト削減を実現しています。

この3Dプリント技術は、私が個人的にここ数年観戦を楽しみにしている世界最高峰の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」でも重要な役割を担っています。ツール・ド・フランスは3週間にわたり、1日平均200km前後を走り抜け、標高2000m級の山岳地帯を越えながらフランスを一周する過酷な大会です。プロチームのエンジニアやメーカーは、選手が持つパワーを余すところなく発揮できるよう、人間工学や空力性能を極限まで突き詰めています。わずか1秒を削るために、人と機械が融合した最適化が日々のデータと共に研究されています。近年では、選手一人ひとりの体格やライディング姿勢に最適化されたハンドルやサドルを、3Dプリンターでミリ単位の調整を加えて試作製作するケースも増えています。長時間のレースでは、わずかなポジションの違いがパフォーマンスに直結します。また、選手たちは大会期間中、栄養摂取の内容や量を細かく記録・管理し、出力を最大化させる徹底した調整を行っています。こうした背景からも、超人的なパフォーマンスを支えるのは個々に最適化されたデザインの力であると実感しました。最先端技術が人間の能力を最大限に引き出すという点に、ものづくりの可能性を改めて感じました。

家具づくりもまた、「人に合わせる」という本質において共通しています。当社では快適な座り心地や使用感を実現するため、人間工学に基づいたモジュール設計を行っています。使用シーンや用途に応じ、人体の平均寸法を基準にした設計を採用することで、デザインは異なっても共通した快適性を提供しています。さらに今回新調した3Dプリンターを活用することで、三面図やCG上ではイメージしづらい複雑な形状も瞬時に具現化できます。実際に形にしてみて初めて気づく改善点や課題は多く、開発のスピードと精度を同時に高めてくれます。今回導入したプリンターは、当社のものづくりにおいてより魅力的な家具をデザイン設計することに貢献してくれると感じています。これからも最新技術を積極的に取り入れながら、個々の暮らしに最適化された快適な家具づくりを進めてまいります。(開発部 渡辺 文太)

ARCOチェア(AD-011)の1/5スケールモデル。印刷精度向上と効率化のため、パーツごとにプリントし組み立て。 左上写真:右が3Dプリンター、左は約24年前に手作業で製作されたスケールモデル。右下写真:リアルタイムで印刷状況を確認可能
左写真:タイムトライアル用TTバイク。極限まで速さを追求した空力性能抜群のデザイン設計。ヘルメットから靴下までも空力を優先して考えられているそう。右写真:今年優勝を果たしたライダーが使用するバイクはイタリアのCOLNAGO社製。3Dプリントで車体からハンドルに至るまでを何度も試作し、空気抵抗、力学的に計算されたデザイン。(https://www.colnago.com/en-jp)

2025.8.29 DESIGNER

天然と人工のレザーとレザーフリー

AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.171
先日、久しぶりに接客対応をしました。そのお客様はご家族と最終確認に来られたのですが、前回来社された際に故郷の高知出身のお客様ということで親しくお話しさせていただきました。今回は検討中の製品についてアドバイスを求められました。現在検討中の製品が空間と合うか、小さなお子さんがいるので、使用予定の素材の耐久性などについて、私自身は営業とは違う観点で考えるので、自分ならといろいろお話をさせていただきました。座り心地では、お客様が検討されていた製品とは違う製品を示して、椅子は腰当たりで長く座れるかが決まることや、素材の耐久性の違いや使い方などを提案しました。せっかく決まっていた製品や素材だったのに、営業担当に申し訳ないなと思いながらも…。

使用される予定のファブリックは人工レザーだったのですが、それを見て「何年くらい使われますか?」とお聞きすると、孫が小さいので汚れにくく耐久性があるものが良いと思い、耐久性の高い人工レザーを選ばれたとのことでした。私からは「6年程度なら人工レザーの方が良いかもしれませんが、10年以上使うなら天然革に勝るものはありません。」とお伝えしました。私と同年代だったので「昔はビニールレザーが使用されていた車やバイクのシートは劣化して割れており、最近では使われませんし、最近は耐久性が上がっていますが革には勝てません」とお話ししました。そう話をさせていただき、接客担当に変わりました。後から、営業担当者が製品がグレードアップし素材も革に変わったと喜んでいたので、お客様が提案したものに変えていただけたことがわかりました。

人工レザーの方が天然皮革より耐久性が高く汚れにくいという認識は強く、素材自体が劣化するということはあまり知られていません。人工レザーは素材によりますが、湿度や紫外線で劣化が進みます。これは製品素材が生産された後から始まります。天然皮革や天然素材のファブリックは環境によって劣化や退色することはありますが、素材自体が溶けたり崩壊することはあまりありません。昔の自動車のシートの割れなどは良い例で、私自身もスニーカーのスタンスミスで本体の革が大丈夫なのに、後ろのブランド名の緑のタグがボロボロになったことや、母の遺品整理をしているときに見つけた40年近く前のイタリアからのお土産のブランドバッグが表面の革はまったく何もなっていないのに、中を開けると内装の人工レザーがベトベトに溶けてしまっていた経験など、人工レザーの劣化を経験しています。一方、若い頃に買った天然皮革のジャンパーや革靴は今でも現役で使えています。

最近、レザーフリーやアニマルフリーとして、本革を使わないことを聞くことが多くなってきました。動物の本革を使用しないということで、動物を殺さない動物愛護ということでスタートした運動で、一部のファッションブランドから始められました。その代わり、植物由来のヴィーガンレザーが注目を集めるようになりました。ヴィーガンレザーといっても多くの製品はまったく石油由来の素材を使用していないわけではなく、下地に天然素材を使用し、表面にはポリウレタンやPVCをコーティングして作られています。自動車メーカーでもレザーフリーをPRする会社が海外では増えてきました。アニマルフリー運動は毛皮素材のためだけに飼育されるミンクやフォックスやワニやヘビなどのエキゾチックレザーと混同されていて、車や家具に使用される革は100%食用肉の副産物です。命ある生き物を殺して生活している私たちはその命を100%いただくことで持続可能な生活ができるのではないでしょうか。

天然皮革が耐久性が高い理由は下地の強さにあります。天然皮革はコラーゲン繊維が絡んでいる下地、その上に銀面と言われる強い表皮層が一体化していて、その上にウレタン塗装などの染料を塗布しています。皮のコラーゲン繊維を鞣して革にするために、クロムなめしやタンニンなめしを使用します。そのクロムなめしのクロムが六価クロムと誤解されていますが、クロムなめしに使用されるのは自然界に存在する三価クロムです。限られた予算とある程度の耐久性では、人工レザーの方が優れていますし、メンテナンスさえすれば長く使えるのが天然皮革です。用途によってお使いいただければと思います。私も知らなかったのですが、2024年3月に日本産業規格(JIS K 6541用語)が改訂され、「革」および「レザー」という用語の定義が厳格化されました。この改訂により「革」や「レザー」と呼ぶことができる製品は動物由来のものに限定されることになったそうです。

30年以上前に購入して修理しながら履き続けた革靴も裂けてきたので、役目を終えようとしています。何度も修理をして足になじんだ革靴を諦めきれずに、磨きながら捨てようか悩んでしまいます。今の自動車は電気パーツが多いので、10年以上使うことは考えなくても良いので人工レザーの使用が進んでいるのかな…と思いました。そろそろ2026モデルの新作試作の素材を決めないといけません。今年で40年になったエーディコア・ディバイズです。50年に向けての素材選びも重要です。お楽しみに!(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

天然皮革と人工レザーの表裏。上から 天然皮革(クロム仕上げ)、PUレザー (ウレタンレザー)、PVCレザー (塩化ビニルレザー)。天然皮革(1.2ミリ厚)は繊維層の上の銀面にポリウレタン塗装を塗布したもの。革は下地と表面の境がなく一体の素材で下地の繊維層が厚い。引き裂きや擦れに強度があり熱にも強い。PUレザー: 柔らかな不織布にポリウレタン樹脂をコーティングしたもの。天然皮革に近い風合いや柔らかさを持っています。湿気や紫外線、熱に弱い。加水分解など起こしやすく表面のベトつきや剥がれが起きやすい。PVCレザー : メリヤスなど織物にポリ塩化ビニル樹脂をコーティングしたもの。耐久性が高く、汚れに強く、価格が安価。湿度や紫外線、熱に弱い。年数が経つと硬くなり割れてくる。
左:購入してから30年以上経つUチップの革靴。スグッドイヤーウェルト製法で作られています。裏は革底でしたが、ゴムのビブラムソールに張り替えのオールソールを2回して、踵は4~5回交換しています。外はまだ元気ですが、中と履き口が裂けてきたので、限界かもしれません。補強すればまだ履けるかな、、。右:革ジャケットでゴート(山羊)のタンニンなめしの革を使ったもので、33年前に横浜元町のトゥモローランドで購入しました。表面は色褪せして袖口は擦れてきましたが、まだまだ現役です。私が死ぬまで使えそうです。

2025.8.28 PRODUCT INFO.

NC-054

クリエイティブ・ディレクター瀬戸 昇が、デザイナーからの視点で写真だけでは伝わらない製品の魅力を動画でお伝えします。
今回はNEO CLASSICOより、低く柔らかなフォルムが特徴的なラウンジチェアNC-054を紹介します。