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2025.07.30|

DESIGN

インテリアと現代アートの源流は

AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.170 今年の2月、ロサンゼルスで撮影や取材でお世話になっていたYasukoさんがウエストハリウッドの自宅を売却し日本へ完全帰国されました。ご両親がお住まいだった埼玉のマンションに住まいを移されたのですが、長年住んだロサンゼルスの家にあったアートや家具をオークションで販売し、残したいお気に入りのアートや家具だけを日本へ持ち帰りました。日本での住まいはご両親が残されたマンションなのですが、そこにも医院をされていたお父様のアートコレクションが沢山あり、持ち帰っても壁に飾り切れないアートが沢山ありました。ロサンゼルスの自宅にお伺いしてる時から、瀬戸さんに家具のコレクションから差し上げるからと、1950年代の椅子を数点いただく事になり、帰国されてから車で取りに行きました。川口のマンションにはロサンゼルスから持ち帰ったお気に入りのアートが所狭しと置かれていて、飾れないアートが廊下の床に立てかけられていました。 医師だったお父様のコレクションも大変な物で、ベルナール・ビュッフェのリトグラフや絵画、1950年代に来日したアンリ・マチス本人から購入したという絵画など美術館級の絵画が沢山あります。その中にロサンゼルスのYasukoさんのコレクションが加わりました。そのコレクションはインテリア関係者なら垂涎のル・コルビュジエの手書きアートやターナーの絵画など、、数だけでなく質も美術館級の質と数のコレクションになりました。私には家具だけでなく、新しく移転した六本木本社ショールームの為にと、何点かのアートやカメラマンのポートフォリオやヴィンテージのテーブルスタンドランプなどをいただきました。その中にはロイ・リキテンシュタインのリトグラフの三連作品があります。そのリトグラフの額装を修理とクリーニングし、ピクチャーレールの工事を行い、六本木本社のミーティングルームのバックカウンターへ飾りました。 このリトグラフはYasukoさんがアメリカの画廊で購入した物で、1964年にリキテンシュタインが油彩で制作した「 As I opened fire/アズ・アイ・オープンド・ファイア」という作品を基にしたリトグラフで、航空機による戦闘中の短い数秒間を描いたこの絵画は、物語を表す3つのパネルに基づいていて、リヒテンシュタインの最も野心的な作品で視覚的に対立する要素を奇妙に融合させた作品と評されました。いただいたリトグラフ作品はオリジナル油彩とは違いますが、リプロダクションの印刷物ではなく、初版のリトグラフ作品のようです。リヒテンシュタインのオリジナルの油彩なら気の遠くなるような高額なアートになりますが、リトグラフでも価値はなかなかな物だと思います。作品のサイズも三連の作品が入った額は横幅が1.8メートルあり、飾るには場所を選びます。広くなった六本木ショールームの空間があればこの作品が映えるように思い飾る事にしました。 ロサンゼルスに訪問するようになり、住宅の壁面に何も飾られない白い壁だけという事は無く、大きな現代アートがバランスよく置かれ、インテリアの一部として使われている事が良く分かりました。ビバリーヒルズの住宅では美術館に置かれるようなサイズの奈良美智の彫刻が置かれたリビングや、ジェームズ・タレルの光のアートが庭に作られていた住宅など、アートが生活の中に溶け込んでいる事を知り、美術館の白い空間に置かれる物がアートと思っていた事が、アートは生活のインテリアの中に存在するという事に認識が変わりました。これはカリフォルニアスタイルとして庭とインテリアの融合というスタイルだけでなく、襖絵や屏風といった巨大なアートがインテリアの一部になっていた日本のインテリアスタイルまでもアメリカに持ち込まれた結果なのかもしれません。日本ではいつの間にかそのインテリア手法が忘られ、アメリカに持ち込まれたカリフォルニアスタイルで日本の本来のインテリアが進化していました。 日本で販売されるアートの主流のサイズは10号(530×455mm)と言われています。高校の美術部で描いていた油絵も8~10号がメインで何の疑問も持たずに決められたキャンバスサイズで描いていました。このサイズは今から思えば、ヨーロッパ絵画の肖像画や風景画から来ているのかもしれません。アメリカでも写真などは小さめの額に入れられて飾られますが、一枚だけということは無く、複数枚で壁を飾られます。今、海外では茶室に見られる禅スタイルの何も無い空間も人気ですが、本来、多くあった襖や屏風絵を使った日本の伝統的なインテリアスタイルの方が、アメリカのインテリアに浸透したのかもしれません。 8月お盆休み明けにミラノレポートを開催します。今年はミラノレポートはお休みする予定でしたが、お客様のリクエストが多く社内研修で行ったレポートをお届けすることになりました。ヨーロッパとアメリカ西海岸でのインテリアの作り方は少し違うように思います。今回は辛口が多いかもしれません。お楽しみに!(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

2025.07.29|

DESIGN

映像で魅せる当社家具

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.158 約12年この開発部コラムを発信していた武田の定年退職に伴い、今後、開発部チーフの渡辺が、当社のこだわりやデザインに関するコラムを皆様にお届けしていきます。第一回目の今回は動画撮影用カメラの事をお話しいたします。当社では撮影用機材として「OSMO POCKET 3」を導入しました。最近ではYouTubeをはじめとする各種プラットフォームで、この小型カメラが多く使用されており、コンパクトながら非常に高性能な撮影が可能です。なめらかな動きと細やかな描写力に優れ、私たちがご紹介している家具の質感やディテールまで、よりリアルに、より美しく表現できるようになりました。 OSMO POCKET 3は、近年のYouTubeやSNSでも多くのクリエイターに使用されている、コンパクトで高性能な4Kカメラです。手ブレ補正を備えたジンバル機能や1インチセンサーによる高精細な描写によって、家具の繊細な木目やエッジの柔らかさ、光と影の移ろいまでも、驚くほどなめらかに、リアルに映し出すことができます。今まではiPhoneをジンバルにセットして撮影しておりました。十分に高品質な動画は撮れていると思っていましたが、、、iPhoneのセンサーサイズには限界があり(1/3.6インチ程度)、質感や陰影の細かな描写には弱い部分があります。OSMO POCKET 3は1インチセンサーと3軸ジンバルを本体に内蔵し、セッティング不要で安定した滑らかな映像が撮れるうえ、細部までリアルに表現できます。見せることにこだわる私たちにとって、この性能差は大きな決め手になりましたし、実際にこのカメラで撮影した動画を公開してから、「最近すごく動画の質が上がりましたね」「動画を見て実物を見たくなって来店しました」といった嬉しいお声を、お客様からいただくことが増えてきました。 映像の質が変わるだけで、伝わり方がこれほどまでに変わるのかと、私たち自身も改めてその力を実感しています。高性能カメラの特性上、ディテールまで“見えてしまう”こともありますが、私たちはそこにこそ価値があると考えています。素材の質感、仕上げの精度、ラインの美しさ。細部まで映し出されても、むしろそれを自信を持って発信できるという自負があります。だからこそ、動画を通じてそのディテールまでしっかりとお見せしたい—そんな思いも、今回の導入の背景にあります。今後は商品紹介にとどまらず、コーディネート例や、ショールーム・展示会の様子、あるいは製作の舞台裏なども映像でお伝えしていきたいと思っております。 家具は単体ではなく、空間や人の暮らしの中で息づいていきます。だからこそ、動きのある魅力的な映像でお客様がイメージし易いよう、動画・映像作りのクオリティを高めていきます。単に美しく見せるためではなく、見る人との距離を縮め、製品に対する思いや背景を丁寧に届けるための手段です。これからも、表現に対する真摯な姿勢を大切にしながら、“伝わる映像”を追求していきます。写真や文章では伝えきれない「手触り」や「重み」「奥行き」といった情報が、映像になることでよりリアルに映し出されます。単なる製品紹介ではなく、“空間や暮らしの提案”に近い表現です。そうした映像を通じて、ものづくりに込めた意図や、使い手の生活にどう寄り添うかまでを、感じていただきたいと思っております。 映像コンテンツの需要が高まる今の時代において、質の高い動画は「伝わり方」の質をも左右します。最新のカメラを使用し、当社製品の魅力をより鮮明に伝えていきたいと思います。とはいえ、どれだけ映像が進化しても、実際に手を触れ、質感や空気感を体で感じていただく体験にはかないません。少しでも気になる家具がありましたら、ぜひショールームに足をお運びください。画面越しでは伝わらない“魅力”を、じっくりと感じていただければと思います。お待ちしております。(開発部 渡辺 文太)

2025.07.26|

SHOWROOM

円形ダイニングテーブルのメリット

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.482(東京・六本木ショールーム) 近年、曲線を帯びたデザインの家具の人気が非常に高まっています。コラムでも度々ご紹介させていただいておりますが、当社でも丸みを帯びたデザインの075-MODELソファや柔らかなカーブを持つデザインのMD-3211ソファが大変人気です。ダイニングテーブルでは、2023MODELで発表したネオセブンティーズデザインの柔らかな脚部とエレガントな天板の、ラウンドテーブルMD-1302をご覧になるお客様も増えております。 円形のダイニングテーブルは、その形状ならではの多くのメリットがあり空間に柔らかな印象を与え、より親密な雰囲気を作り出すことができますので、主なメリットをご紹介いたします。 1.コミュニケーションが取りやすい 円形テーブルの最大の魅力は、座っている全員の顔が見えやすい点です。角がないため、自然と視線が合いやすく、会話が途切れることなく弾みます。家族や友人と食事を囲む際、一体感を感じながらより深いコミュニケーションを楽しむことができます。 2.人数調整がしやすい 来客時など、急に人数が増えた場合でも、詰めて座りやすいのが円形テーブルの特徴です。角のあるテーブルのように座る位置が限られないため、柔軟に対応できます。特に、MD-1302テーブルのように1本脚の場合は椅子を置く場所に制限がありませんので、より柔軟に対応できます。 3.配膳・片付けがしやすい テーブルの中央に料理を置けば、どの席からも手が届きやすく、料理の取り分けがスムーズです。また、片付けの際も、皿をまとめやすく効率的に作業を進められます。 4.動線がスムーズになる 角がないため、テーブルの周りを移動する際にぶつかる心配が少なく、動線がスムーズになります。特に小さなお子様がいるご家庭では、角にぶつかる危険が少なく、安全性が高いというメリットもあります。 5.空間にゆとりと柔らかさを生み出す 角のない円形は、空間全体に柔らかく温かい印象を与えます。特にコンパクトな空間や四角い家具が多い部屋に置くことで、圧迫感が軽減され視覚的なゆとりを生み出す効果があり、ストレスを軽減させる効果があるとも言われています。 より快適で心が安らぎ、そして個性的な空間を求める現代の暮らしにおいて、曲線を帯びたデザインの家具は心理的にも機能的にも理想にマッチし、人々のライフスタイルに取り入れられているのではないでしょうか。 今年のミラノデザインウィークの会場でも、円形のダイニングテーブルや曲線を帯びたソファの展示が多くありました。お客様から今年のミラノレポートの開催のご要望が多く、8月20日・21日に「 2025ミラノデザインウィークレポート」を開催することになりました。雑誌や他社では語られる事の無い本当のイベントの姿と、デザイン、カラー素材や デコレーション、ブースデザインなど、役に立つ情報が満載のセミナーです。オンラインセミナーになりますので、ぜひご参加ください。毎回、大変人気のセミナーとなっており、定員になり次第締め切りとなりますのでお早めにお申し込みください。 (ショールーム担当:西條 恵理) ▷「 2025ミラノデザインウィークレポート」のお申し込みはこちらから

2025.07.17|

SHOWROOM

ハイエンドなシーンにも合うソファセット

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.481(名古屋・栄ショールーム) いよいよ夏本番です。これからの季節、外出をする機会も多くなりますが酷暑の中での外出の後は、自宅でゆっくりと身体を癒す時間も熱中症対策にはとても大切です。このようなくつろぎの時間に、是非おすすめしたい人気のソファセットを今回はご紹介します。 2025MODELから展開アイテムが増えたNC-075ソファは、丸みを帯びたボディと曲線を描くフォルムが優しい印象のソファです。製品アイテムに角度の異なるコーナーソファが加わったことで、組み合わせのバリエーションがぐんと広がりました。ショールームでお打ち合わせをしていても、カーブするソファセットを空間にレイアウトすると「お部屋が狭くなるのでは?」と懸念されるお客様もいらっしゃいますが、コーナーソファ部分にもお一人座れますので、コンパクトなサイズ感でも、直角にレイアウトをするソファプランよりも有効的にお使いいただけます。またレイアウトする際に角度調整もし易いので、空間に配置した状況に応じて向きの微調整も可能です。 このような丸みを帯びたソファは海外でも大変人気で、世界的に有名な家具見本市でも多くのブランドがこのスタイルを展示していました。また、ニューヨークのセントラルパークを見下ろす超高層マンションのモデルルームにもこのような丸みを帯びたソファセットが取り入れられています。 もう一点ご紹介したいのがMD-3211ソファです。こちらも発表直後から大変人気のソファです。奥行き800mmとコンパクトながらも窮屈感はなく、空間に合わせてシステムソファのように組み合わせることが可能です。アクセントになっているアルミ脚がスタイリッシュな印象で、個人邸だけでなくパブリックスペースでも幅広くお使いいただいております。発表時に発行したタブロイド誌では大きなレイアウト写真と共に、全ての製品アイテムを見開きで一度にご覧いただけます。また、参考レイアウト図もあり、リビングテーブルMD-3212とのコーディネートもイメージし易い構成となっています。お打ち合わせの際にお客様からも「自宅でゆっくり見てイメージを膨らませたい」とのご要望が多く、現在でも増刷をしてご用意をしております。今回ご紹介したソファセットが掲載されているタブロイド誌は、郵送もしておりますので、ご希望の方はお気軽にホームページやショールームまでお問い合わせください。 今回ご紹介したソファセットは、各ショールームで展示をしております。ぜひ実物をご覧いただき、座り心地をご確認いただきながらショールームでの家具選びをお楽しみください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。 (ショールーム担当:水野 未佳子) ▷ご来場予約フォームはこちらから

2025.07.04|

SHOWROOM

生活の質が上がるレザー家具

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.480(大阪・心斎橋ショールーム) 梅雨も明け、夏本番の暑さが続いていますね。暑い日が続くと自宅で過ごすことも多くなりますよね。そこで、自宅でより快適に過ごしていただく為に上質なレザー家具はいかがでしょうか。エーディコア・ディバイズでは、お客様の生活スタイルやインテリア空間に合わせて、ソファやチェアの張地はファブリックだけでなく、上質なレザーをお選び頂けます。今回はバリエーションが豊富な当社のレザーと、永く使用していただく為のお手入れ方法についてご説明させていただきます。 大阪ショールーム展示品の一人掛けソファMD-3211-1Pにはスムースレザー(es品番)を張っています。スムースレザーは革本来の表面を活かすために型押し加工を施していませんので、自然な傷跡やシワが表面に出る場合がありますが、表面が滑らかで上品な見た目で程よい光沢があり耐久性も備えています。傷に強い革をご希望でしたら、ウレタン仕上げのものがお勧めです。一人掛けソファAD-229S-1Pに張っているソフトレザー(ADC品番)やエグゼクティブチェアNC-015Hのゼブレザー(Aa品番)はシボの型押しをして仕上げているので、万が一傷がついても目立ちにくいです。また、本革でも汚れやメンテナンス性を重視する場合は、天然皮革用の撥水、撥油加工を施したプロテクトレザー(APR品番)がお勧めです。革の表面に加工しているのではなく鞣しの段階から加工しているので、家具を使っているうちに加工が剥がれる心配もなく持続性があります。革の風合いを楽しむのであれば、ヴィンテージレザー(AVS品番)がお勧めです。自然な色ムラやシワがあり、使っていくうちに革特有の味わいが出てきます。年月が経つにつれて革の味も出てきますので、より愛着が湧いてくると思います。 天然皮革は、日光が当たる場所や冬場に暖房器具の近くに置いていると硬くなったり、ひび割れ・変色の原因となってしまいます。表面がかさついた時は、レザー保湿クリームなどで栄養を補うと永く綺麗にお使い頂くことが出来ます。チェアやソファなどの張地は、肌が直接触れる部分だからこそ清潔に保ちたいものです。汚れがつかないように綺麗にお使い頂いていても、日常のお手入れは欠かせないかと思います。天然皮革は、使い込むほどに風合いが増し、経年変化を楽しめることも利点です。ファブリックの様々な表情やテクスチャーも魅力的ですが、天然皮革は耐久性に優れ、お手入れも比較的簡単です。革は種類が豊富でそれぞれに特徴がありますので、用途によって選ばれてはいかがでしょうか。 ショールームでも、家具のお手入れ方法をアドバイス出来ますので、気になることがございましたらお気軽にご相談ください。ショールームは完全予約制ですが、ご来店当日のご予約も承っております。お気軽にお問い合わせください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。 (ショールーム担当:天川 唯)

2025.06.30|

DESIGNER

家具レイアウトは快適性を左右します

AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.169 先日開催しました「家具のレイアウトと人間工学セミナー」に1300名を超えるお客様に参加いただき、当社で開催したWebセミナーでの最多参加者となりました。終了後のアンケートでは沢山のみなさまに感想をいただきました。いつも感想を書いていただくのですが、こんなに沢山のお客様から長文の記入をいただいたのはあまりなく、全てを拝読するのに半日かかりました。いただいた内容は「ストレスが無いレイアウト寸法と通れるだけのレイアウトは違う」「人が座った寸法を想定してのレイアウトが大切」「椅子やソファの定員でなく実際に使用できる人数が大切」「曲線家具が直線家具より有効に使用できる事が目からウロコでした」など、プロの方からの声をいただき、長年行ってきたスキルアップセミナーの中で一番やりがいのあったセミナーでした。 これまで家具の作り方、革の製造など素材について、インテリア写真の撮り方、家具の人間工学など、インテリア知識の一部となればと様々なスキルアップセミナーを開催してきました。今回のレイアウトセミナーは、コロナ禍中に当社スタッフが、お客様からいただいた平面図の家具位置に点線の場所に、指示された家具をレイアウトしてるだけの、理由や使い勝手を考えず、担当営業から言われた事をするだけの作業になっていて、意味も理由も考えないプレゼン用の図面を見て、社員教育をする必要性を強く感じました。実際の社会人になっての仕事は学校で教わる以外に実務を通して覚える事や、先輩たちから教えてもらい身につける事が多く、コロナ禍では現場に出る事も少なくなり、人との関わり合いも少なくなり、指導も不十分になります。その為、私自身も反省し社内勉強会を開く事にしました。 私自身、40年以上家具のデザイナーとして仕事をしてきましたが、会社の先輩だけでなく、ベテランのお客様から叱られたり教えられ、仕事を覚えてきました。家具のレイアウトもその一つで、家具デザイナーになりたいのに、レイアウトなんて平面に置くだけでしょ、と思っていました。しかし、実際に仕事をしていると、レイアウト次第でホテルや旅館などの宿泊施設の効率性、レストランでの快適性がリピートへ繋がる事など、家具デザイン以上に重要な仕事でした。また、人間工学的寸法だけでなく、国際的マナーでのサイズ決定などはお客様へのセールストークに繋がり、信用されるデザイナーと感じていただけるなど、本当に役立つ事が多くありました。レイアウトセミナーを開催する事を決めた際に、当社営業部からプロのお客様に失礼では?怒りを買うのでは?との声がありましたが、私自身、社外の大先輩から指導された経験からやるべきだと思い開催しました。 実際にセミナーをする事になり画像を作りながら、自分自身の経験値の事を見直す事になりました。人間工学的モジュールは学生時代に習った事ですが、様々な高さの家具との間など実践的なサイズについては、社会人になっての経験値で得てきた事が多く、改めて資料作成するとなると参考本が無く一からになりました。レイアウト資料を図面から作りながら改めて家具レイアウトの大切さを感じ、私自身も忘れかけていた事の再認識になりました。平面図で家具で埋めるだけだと使えない事が多く、ダイニングセットは、椅子を引いた状態でなければ座る事ができません。またソファやラウンジチェアなど低い椅子に座ると人は脚を前に出すのでセンターテーブルとの間は多く取る必要があり、ソファの座の高さによって隙間が変わります。どちらも人が使用する状態でレイアウトをする事が重要です。そのモジュールを決めるのは人間工学寸法で、なんとなくでなく、具体的なモジュールを示す事ができればお客様にも納得いただけます。 「曲線家具が直線家具より有効に使用できる事が目からウロコでした」は、レイアウトする場合には狭い場合ほど、デッドスペースを少なくする必要があり、狭い空間だからと通路や隙間をできるだけ少なくしてレイアウトすると逆にデッドスペースが増え使えないスペースが増えてしまいます。実際に人型を使うと視覚的に見やすくなり、L型のソファの角はデッドスペースで、コーナーをラウンドにするだけで人が座れるようになります。インテリアの流行だけでなく、ストレスの無いインテリアを作る為にも曲線家具が必要とされています。最近使う事の無くなった、テンプレートという樹脂板でできた手書き用の製図用品を手に取りながら、これを何枚もダメにして買い替えた事や、レウアウトを書く前にレストランやオフィスでも隣との距離を定規で決めてレイアウトをした事を思い出しました。次のセミナーもスキルアップのためのセミナーを企画します。お楽しみに!(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

2025.06.25|

DESIGN

エーディコアとロサンゼルスの思い出

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.158 エーディコア・ディバイズのアイコンとも言える代表作の CERVO AD-861 が誕生したのが1985年。それから様々な時代を経て40年が経過しました。おかげさまで CERVO は現在もご注文をいただくロングセラー商品です。開発当時は、日本の美意識を意識しつつもイタリアのモダンデザインに少しでも追いつこうと、当時としては画期的な構造でエッジの効いたデザインでしたが、40年を経た現在では流行を何度か廻って、ちょっとヴィンテージの雰囲気も醸し出すアイテムになってきました。そろそろ「マスターピース」と呼ばれても良いのかな、なんて思える CERVO ですが、そんな CERVO との付き合いも30年になろうとしています。 「今までにないファニチャーブランドを創る」という理念からスタートしたエーディコア。当時の家具生産の常識からは逸脱した受注生産システムで、お客様が必要とする製品だけをご希望の仕様でお届けするスタイルを 目指しました。時はバブル経済が始まろうとしていた頃、カフェバーブームにも乗りその時大ヒットしたのが CERVO です。成形合板と木製の脚を金属パーツを介して組み立てたこの椅子は、昔ながらの職人さんからは「こんなの椅子じゃない」と揶揄されたこともありますが、この CERVO が椅子のデザイン性を広げることが出来たのではないかと思います。その後も、不均等厚成形合板に突板を張った製品や、3次元成型合板の加工の可能性を広げるなど、新しい取り組みを続けてきました。困難な時期でも毎年必ず新製品を発表し、展示会を開催してきました。夜中に図面を書き上げて、そのまま工場に車で向かうなんてこともありました。今ではほとんどなくなりましたが、新作の試作制作も夜中まで工場に通い詰めて作り込んでいたものです。新作の試作制作といえば夜通し作業、夜な夜なディテールを職人さんと作り込んで製品の完成度を上げていきました。そして、家具開発と同じくらいこだわりを持っていたのが製品カタログです。ブランド発足当初から、カメラマンの選定から製品の見せ方、カタログの形状から用紙、印刷の方法までオリジナルなモノを目指してきました。その中でも最もこだわってきたのが撮影のロケーションです。 撮影には製品を見せるためのスタジオ撮影と、イメージや世界観を表現するロケーション撮影があります。ロケ撮影はハウススタジオのレンタルが一般的ですが、当社では撮影に使われたことがないロケーションを探して撮影をしてきました。しかし、そんな物件探しも困難になって行き詰ってしまいました。そんな時、持ち上がったのがロサンゼルスでの撮影です。海外撮影なんて夢のようなことでしたが、いろんな出会いもあって、2007年からLA撮影をスタートしました。それまで、いろんな面でヨーロッパ志向だった私と瀬戸ですが、ロケハンで初めて訪れたロサンゼルスに衝撃を受けました。全てが自由でダイナミック、スケールの大きさに圧倒されました。ケーススタディハウスのコーニング邸から見た真っ青な空とダウンタウンの景色は今でも忘れられません。しかし海外撮影は想像以上に困難続き。初めての撮影の時でしたが、LAの倉庫に着荷した製品を確認しに行くと梱包の箱が潰れてぐしゃぐしゃに置かれていました。その時は瀬戸と2人で現地のフォークリフトを運転し、荷物を整理して全て梱包をし直しました。通関の問題で製品を引取ることが出来なかった時もあり、その時は「撮影キャンセルか・・・」と諦めかけた撮影前日の20時過ぎ、ギリギリで製品が引取れた時には皆で抱き合って大喜びしました。撮影でお借りする邸宅は住んでいるそのままの状態でお借りするので、撮影後はお借りする前より綺麗にしてお戻しします。搬出搬入を繰り返すので、普通の引越しよりも大変な作業になります。ライトJr 設計の住宅で撮影した時には(ライトの住宅はエントランスが狭いことで有名ですが)脱出シェルターのように狭い階段を通過しないといけないので鬼のように大変な撮影になりました。撮影時に作業を手伝ってもらうスタッフは現地で手配するのですが、ほぼ南米の出身者。お互い言葉が通じないどうしで身振り手振りを交えながらの楽しい共同作業でした。それ以外でも、数え切れないさまざまなトラブルがありましたが、それも今となっては良い思い出です。2007年から始まったLA撮影ですが、新型コロナウイルス感染の影響からコーディネーターのYasukoさんがロサンゼルスから日本に戻られたこともあり、2019年で一旦区切りをつけましたが、ロサンゼルスで撮影したたくさんの撮影画像はエーディコア・ディバイズの貴重な財産になりました。 2012年からスタートしたエーディコア・ディバイズのコラム。皆様に拙い文章をお送りしてまいりましたが、この6月をもって定年退職することになりました。毎回ネタ探しで苦労しながらもなんとか続けることができました。今まで読んでいただいた皆様、ありがとうございました。これからも独自の視点から家具の提案をお届けするブランド、エーディコア・ディバイズを引き続きよろしくお願いします。(開発 武田伸郎)

2025.06.25|

SHOWROOM

全社員で学ぶ、ものづくり

AD CORE DEVISE SHOWROOM BLOG Vol.479(東京・六本木ショールーム) 当社では年に一度、自社製品への理解を深めスキルアップを図るために、全社員で工場研修を実施しています。新入社員にとっては見るもの聞くものすべてが新鮮な学びの機会となりますが、ベテラン社員にとっても知識を再確認する貴重な時間となり、毎年大変有意義な研修になっています。今年は、主に椅子やテーブルを製作いただいている山形の工場と、ソファのアルミ脚などを手掛けるアルミ鋳造工場を訪問しました。お客様と日々接することの多いショールームスタッフにとって、工場研修は大変貴重な経験の場です。普段は完成品しか目にすることがないため、製品内部の構造まで見る機会はほとんどありません。しかし、様々な部材が多くの工程を経て一つの製品へと仕上がっていく過程を実際に目にすることで大変勉強にもなりますし、お客様への説明にも説得力が増します。 当社では創業当初から環境への取り組みを積極的に行っていますが、材料を無駄にしない成型合板を用いた製品はその代表例です。木製の単板を繊維が直交するように糊付けして重ね、高周波のプレス機に入れ成型し、製品の部材となるようカットする工程も見学しました。製造過程を実際に目にすることで、その理念と技術への理解がさらに深まりました。見学した工場は、世界トップレベルの機械化が進められていますが、細かな調整が必要な箇所では、やはり熟練した職人の丁寧な手作業が施されています。わずかな微調整を重ねながら製品を仕上げていく様は、まさに職人技です。アルミ鋳造工場では、人気のシステムソファMD-3211などの脚部が製造される過程を見学させていただきました。この製品の脚にはリサイクルアルミ材を使用したアルミ鋳造パーツが使われており、国内で製造されています。MD-3211ソファは、本体の木フレームやクッション材も含め、すべての材料が国内で生産されたものを使用し製造されています。私たちが掲げる環境への取り組みを、工場の方々の協力で、実現できていることを改めて実感しました。これまでも、製品のデザインだけでなく、その構造や強度などについてもお客様にご説明してきましたが、今回の研修を通して、これからはさらに積極的に、当社の製品がいかに高品質であるかをお伝えしていきたいと強く感じました。 工場研修は、日頃お客様と接する私たちにとって、製品の奥深さを知る大変貴重な経験の場です。工場で学んできた、製品の見た目だけでは分からない技術やクオリティを、ぜひショールームで皆様にご案内させていただきます。AD CORE DEVISEの家具が持つ真の魅力を体感しに、ぜひショールームへお立ち寄りください。 (ショールーム担当:西條 恵理) ▷ご予約はこちらから

2025.06.18|

SHOWROOM

栄の中心にあるショールーム

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.478(名古屋・栄ショールーム) 名古屋・栄ショールーム前の久屋大通パークの樹々も梅雨の雨間にキラキラと輝き、季節の変わり目を感じられるようになりました。名古屋にもインバウンドの方々が増え、栄のランドマークでもあるテレビ塔周辺では、早朝から夕刻まで多くの方が訪れ思い思いに過ごしています。今回は、この四季の移り変わりを感じられる久屋大通パーク前にある名古屋・栄ショールームをご紹介します。 久屋大通パークを挟んで南北に走る久屋大通の西側に名古屋・栄ショールームはあります。最寄り駅の地下鉄・栄駅からは、中改札口を出てカフェ横の階段から「栄 森の地下街/北一番街」へお進みください。途中にある地上への出口「GATE10A」を出て直ぐ目の前のビルが弊社ショールームの入っているビルになります。1階には河合楽器さんのショールームが入っているビルなので、以前からこの場所をご存知の方も多いのではないでしょうか。地上に上がって直ぐ前のビルという好立地なので、雨の日でも傘が必要ないほどです。 地下鉄 名城線/東山線、また名鉄 瀬戸線の栄町駅からもアクセスが可能なので、交通機関でのご来場もストレスなくお越しいただけます。近くにはショッピングスポットや飲食店だけでなく、愛知芸術文化センターや愛知県美術館、オアシス21や昨年リニューアルオープンした中日ビルからも近い立地なので、お出掛けの際には是非お立ち寄りください。真夏や悪天候の時でも空調が効いた地下街を経由してお越しいただける名古屋・栄ショールームは、これからの季節は特に快適にご来店いただけます。 ショールームには、リビングテーブルやランプ、クッションなどとコーディネートされたソファセットやダイニングセットだけでなく、単品展示のチェアやラウンジチェア、TVボードを常時展示しています。空間に合わせてサイズ展開もバリエーション豊かに取り揃えておりますので、展示品以外の製品のご紹介もさせていただきます。また、組み合わせに悩まれましたらコーディネートのご相談も承っております。理想のイメージ写真や図面をご持参いただけましたら、お客様のご希望に合わせてご提案させていただきますのでお気軽にショールームスタッフにお声掛けください。ストレスなく快適にご来店いただける名古屋・栄ショールームで、皆様のご来場を心よりお待ちしております。 (ショールーム担当:水野 未佳子) ▷ご来場予約フォームはこちらから

2025.06.10|

SHOWROOM

機能性あるファブリック

AD CORE DEVISE SHOWROOM COLUMN Vol.477(大阪・心斎橋ショールーム) 6月に入り各地で梅雨入りしていますね。梅雨の時期はお子様も外では遊べず、家の中で過ごすことが多くなります。食事やおやつの時に何かをこぼしてソファやチェアが濡れてしまい、シミになってしまったりするという事があるかもしれません。お客様から「布張りだと汚れや引っ掻き傷が心配」といったお話をよくお伺いします。当社では、そのようなお客様のご要望にお応えする、機能性のあるファブリックをご用意していますのでご紹介させていただきます。 人気張地のVMシリーズは、イージクリーンという機能が施されており、お水で簡単に汚れが落とせます。防汚性、抗菌性、耐光性に優れ、60度のお湯で洗うことができます。目立つ汚れはスプーンなどの縁で除去してから、水を落とし軽く拭き取って落とすことができるので簡単です。BP、BCシリーズも同様に、イージークリーンの機能が備わっていますのでオススメです。テクスチャーや色合いなどお好みでお選びいただけます。aランクではFG・RXシリーズのファブリックには撥水加工が施されています。撥水加工とは、液体をファブリックの表面で球状にして弾くという性質で液体が中まで浸透しないのが特徴です。ほとんどのファブリックには後加工で撥水加工を施す事も可能です。色や生地の風合いを損なわずに家具を水や汚れから守ることができるので、大切な家具を綺麗にお使い頂けます。他にも引っ掛かりにくい張地としてPLシリーズのベルベットタッチの張地のご用意がございます。ベルベットタッチの張地は、ループ状に織り上げられていないのでペットの爪などが引っかかりにくい張地です。 既に弊社製品をお使いのお客様にも張り替えの時などは、機能性のある張地をオススメしています。ダイニングチェアやソファなど、張地の傷みや汚れが気になる家具をお使いであれば、弊社ではメンテナンスもお受けしております。製品をお預りして、クッション材などの中材の交換や張替えも可能です。永くご愛用いただきたい家具ですので、機能性を備えた備わった新しい張地でお使いの家具を張り替え、気持ち良くお過ごしください。大阪・心斎橋ショールームには今回ご紹介した張地を、実際に展示品に張っている製品もございます。ショールームではお客様のお好みや用途に合わせ、ファブリック選びのアドバイスをさせていただいております。皆様のご来場をお待ちしております。 (大阪・心斎橋ショールーム:天川 唯) ▷ご予約はこちらから