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2025.6.27 DESIGNER
家具レイアウトは快適性を左右します
AD CORE DEVISE DESIGNER COLUMN Vol.169
先日開催しました「家具のレイアウトと人間工学セミナー」に1300名を超えるお客様に参加いただき、当社で開催したWebセミナーでの最多参加者となりました。終了後のアンケートでは沢山のみなさまに感想をいただきました。いつも感想を書いていただくのですが、こんなに沢山のお客様から長文の記入をいただいたのはあまりなく、全てを拝読するのに半日かかりました。いただいた内容は「ストレスが無いレイアウト寸法と通れるだけのレイアウトは違う」「人が座った寸法を想定してのレイアウトが大切」「椅子やソファの定員でなく実際に使用できる人数が大切」「曲線家具が直線家具より有効に使用できる事が目からウロコでした」など、プロの方からの声をいただき、長年行ってきたスキルアップセミナーの中で一番やりがいのあったセミナーでした。
これまで家具の作り方、革の製造など素材について、インテリア写真の撮り方、家具の人間工学など、インテリア知識の一部となればと様々なスキルアップセミナーを開催してきました。今回のレイアウトセミナーは、コロナ禍中に当社スタッフが、お客様からいただいた平面図の家具位置に点線の場所に、指示された家具をレイアウトしてるだけの、理由や使い勝手を考えず、担当営業から言われた事をするだけの作業になっていて、意味も理由も考えないプレゼン用の図面を見て、社員教育をする必要性を強く感じました。実際の社会人になっての仕事は学校で教わる以外に実務を通して覚える事や、先輩たちから教えてもらい身につける事が多く、コロナ禍では現場に出る事も少なくなり、人との関わり合いも少なくなり、指導も不十分になります。その為、私自身も反省し社内勉強会を開く事にしました。
私自身、40年以上家具のデザイナーとして仕事をしてきましたが、会社の先輩だけでなく、ベテランのお客様から叱られたり教えられ、仕事を覚えてきました。家具のレイアウトもその一つで、家具デザイナーになりたいのに、レイアウトなんて平面に置くだけでしょ、と思っていました。しかし、実際に仕事をしていると、レイアウト次第でホテルや旅館などの宿泊施設の効率性、レストランでの快適性がリピートへ繋がる事など、家具デザイン以上に重要な仕事でした。また、人間工学的寸法だけでなく、国際的マナーでのサイズ決定などはお客様へのセールストークに繋がり、信用されるデザイナーと感じていただけるなど、本当に役立つ事が多くありました。レイアウトセミナーを開催する事を決めた際に、当社営業部からプロのお客様に失礼では?怒りを買うのでは?との声がありましたが、私自身、社外の大先輩から指導された経験からやるべきだと思い開催しました。
実際にセミナーをする事になり画像を作りながら、自分自身の経験値の事を見直す事になりました。人間工学的モジュールは学生時代に習った事ですが、様々な高さの家具との間など実践的なサイズについては、社会人になっての経験値で得てきた事が多く、改めて資料作成するとなると参考本が無く一からになりました。レイアウト資料を図面から作りながら改めて家具レイアウトの大切さを感じ、私自身も忘れかけていた事の再認識になりました。平面図で家具で埋めるだけだと使えない事が多く、ダイニングセットは、椅子を引いた状態でなければ座る事ができません。またソファやラウンジチェアなど低い椅子に座ると人は脚を前に出すのでセンターテーブルとの間は多く取る必要があり、ソファの座の高さによって隙間が変わります。どちらも人が使用する状態でレイアウトをする事が重要です。そのモジュールを決めるのは人間工学寸法で、なんとなくでなく、具体的なモジュールを示す事ができればお客様にも納得いただけます。
「曲線家具が直線家具より有効に使用できる事が目からウロコでした」は、レイアウトする場合には狭い場合ほど、デッドスペースを少なくする必要があり、狭い空間だからと通路や隙間をできるだけ少なくしてレイアウトすると逆にデッドスペースが増え使えないスペースが増えてしまいます。実際に人型を使うと視覚的に見やすくなり、L型のソファの角はデッドスペースで、コーナーをラウンドにするだけで人が座れるようになります。インテリアの流行だけでなく、ストレスの無いインテリアを作る為にも曲線家具が必要とされています。最近使う事の無くなった、テンプレートという樹脂板でできた手書き用の製図用品を手に取りながら、これを何枚もダメにして買い替えた事や、レウアウトを書く前にレストランやオフィスでも隣との距離を定規で決めてレイアウトをした事を思い出しました。次のセミナーもスキルアップのためのセミナーを企画します。お楽しみに!(クリエィティブディレクター 瀬戸 昇)

