Recent Posts
-
2025.07.30
インテリアと現代アートの源流は
-
2025.06.30
家具レイアウトは快適性を左右します
-
2025.05.30
ビリオネアズ・ロウのインテリア
-
2025.04.30
ミラノサローネとデザインイベントを憂う
-
2025.03.31
モダン建築の修復とリノベーション
-
2025.02.27
アメリカ不動産販売の常識
-
2025.01.31
ロサンゼルス山火事と有名建築の安否
-
2024.12.26
視覚から物理的感覚へ
-
2024.11.30
広尾から六本木へ
-
2024.10.30
インテリアとつながる庭
Back Number
2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2013.12.26 DESIGNER
物作りのこれから
AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.26
今年もあと少し、みなさんどのような一年でしたでしょうか?個人的には今年はいつも以上に慌ただしい一年でした。今年はアメリカに3回出張したので、ファッションも西海岸風になってジーンズばかり履いている一年でした。前々回のブログで「製造国もブランドの一つ」と書きましたが、年末になって考えさせられる事がありました。
1ヶ月半前にオーダーしたジャケットを洋服屋さんに取りに行きました。頼んでいたのはよく行く横浜元町のセレクトショップで、いつもは既製服の少しお直しで満足していたのですが、最近のスーツやジャケットの背抜き(裏地無)や着丈の短さには少し抵抗があり、作る事にしました。冬用のジャケットは裏地が無いとセーターがひっかかるし、お尻の見えているスーツなんて、つんつるてんでおかしいですよね。昨年も作ろうと思ったのですが、工場が込み合って3ヶ月かかり断念していいました。今年は1ヶ月でできるというので、イージーオーダーする事に。ジーンズに合うように、ハリスツイードのヘリンボーン柄の生地を選び、採寸して袖の切羽やポケットの位置やボタンを選んでオーダー。それなりの金額だったので出来上がりを楽しみにしていました。
出来上がったジャケットを着ると自分サイズで満足の出来映えです。細かな箇所までしっかりと作られていて、ハリスツード生地が熟れるまではしっかり持ちそうです。ふと内ポケットの中に縫われたタグを見て驚きました。「MADE IN CHINA」のタグが、、。いつもの担当の店員さんに、オーダーなのになんで中国製なの?昨年は日本の工場と聞いていたので騙されたよ。と、、。よく話を聞くと、昨年オーダーに使っていた日本の工場がキャパオーバーで、3ヶ月も待たせてしまった事と、中国で育てた工場のほうが、納期が短く、同じコストなら、日本の工場より3倍手の込んだ仕上がりで、その工場しかないんですと。今迄は大量生産をする国だったのが、一点物のオーダーを数こなせる、職人のいる工場がある国と認識を変えつつあるとも話をしていました。
今の日本では工場で職人さんが定年退職で、海外で技術指導へ行き、国内では次の世代が育っていない話を聞きます。家具の世界では新消費税導入の影響で、納期も数ヶ月かかる工場もあるようです。今迄の日本が世界で支持されたのは、品質の高い物を早く安く世界に送り出していたからです。これからは品質の高い物を早く送り出す事がこれからの日本死命だと思うのですが、、。消費税前の需要でお待たせした納期と品質が伴った物だったらいいのですが、、。
当社の製品は日本国内で一点一点オーダーいただいて製造しています。来年四月の新消費税導入前の需要期で納期をお待ちしていただく製品も出てきました。できるだけお待たせしないように努力していますが、4月までの納期についてはお早めにお問い合せ下さいませ。インテリアの世界でも少し景気が良い方向に向かっているようです。4月以降も持続でき、良い仕事を続けられるようにインテリア業界みんなで頑張りましょう。来年も様々な情報をお届けできるように走り回ります。
良い年をお迎え下さいませ。
(クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)


2013.11.29 DESIGNER
「大地黄金」と一所懸命
AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.26
新製品発表会が終わり、新カタログも配布が進んでいます。今回のカタログのスタイリング写真はアメリカ西海岸で撮影されたカットで、今まで以上に良い写真が掲載されています。ご覧になっていただいたでしょうか。今は広告やカタログ写真の多くが、デジタル技術で合成した物で使われています。しかし、当社のカタログは全て現地に製品を輸送して、自然光の中で撮影しています。本当に大変な労力なんですが、空気感が本物の写真が撮れたように思います。
アメリカ西海岸で撮影を始めて10年近くが経ちますが、YASUKOさんというコーディネーターの方がいたから、始められ続ける事ができました。撮影のコーディネーターというと、レンタルハウスの手配だけと思われますが、YASUKOさんは撮影に使用する建築、市への撮影許可、カメラマン、ケータリング、トラック、搬入スタッフなど、撮影に関わる全ての事を行い、撮影に関するプロデューサー的な存在です。そんな方がいたからこそ、クオリティの高い写真がアメリカで撮影できたり、ツアーができる訳です。
YASUKOさんはロンドンで女優業、映画関係の仕事をして、1975年頃からアメリカでの映画関係の仕事をするようになりました。それからフォトグラフプロデューサーになろうと1983年に会社を設立しました。その頃、世界中のカメラマンから撮影する為のロケーションを依頼されるようになり、貸してもらえる住宅を探し始めたそうです。その頃は一般住宅を撮影に手配するロケーション会社は無く、最初は近隣の知合いの住宅だけだった物を、毎週末にロス中を一軒一軒訪ね歩いて、撮影で使用できるか交渉して回ったそうです。テニスコートで撮影したいとクライアントから言われると、ヘリコプターをチャーターして空から探してから、車で回って交渉したそうです。(道路からテニスコートは見えないお屋敷が多いので)今だとネットやグーグルアースがあるので便利ですが、、。YASUKOさんの顔の広さや建築、インテリアの知識に驚くばかりですが、最初は知合いからの口コミでネットワークを広げ、建築、インテリア、アートの本で知識を持ち、家のオーナーに信用してもらいながら、今の仕事を確立されました。
今ではファッション、CM撮影やTV撮影で一般住宅を手配するロケーション会社はロスでも沢山ありますが、YASUKOさんが確立するまでその業界自体ありませんでした。その業界を作り出し、その最大手の会社はYSUKOさんの会社でアシスタントをしていた方が経営しています。その種をLAの地にまき芽吹かせました。その業界を作り出したのが、日本人の女性だという事は本当に驚きです。今では世界中のセレブ達と仕事をされています。最近は個人で好きな仕事だけをされているYASUKOさんで、その中に当社の仕事があるのは本当に嬉しく思います。
禅語で「大地黄金」という言葉があります。その場で力を尽くしてこそ、自分の場所が 黄金に輝くという言葉ですが、この言葉を聞くとYASUKOさんの事を思い浮かべます。日本から遠くアメリカで、力を尽くし、作り出した仕事を輝かせた人です。何事にも一所懸命で、誰よりも早く現場に行き、気配りの仕事をされています。今の社会では自分を輝かせる場所が他にあると、場所や会社のせいにして、すぐに辞めてしまう事が多いと聞きます。一度入った仕事や会社です。自分のいる場所を輝かせる事も自分を輝かせる事になるのではないでしょうか。
(クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)


2013.11.21 DESIGNER
アメリカ西海岸の雰囲気とヴィンテージ
AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.25
エーディコア・ディバイズでは11月6日より15日まで新作展示会を開催していました。今年もアメリカ西海岸の雰囲気と今回のテーマ「ヴィンテージ」を出すために、ショールーム前のガレージに愛車の1962年のカルマンギアを置いていました。
昨年と同じと思われた方も多いのではないでしょうか?個人的にはかなり手を入れたつもりなのですが、、あまり外観では分かりません。しかし、中身は昨年よりかなり現代車に近い改修がされています。ヘッドライトはHIDライトになり夜間走行もかなり明るくなり快適に。方向指示ランプや、テールランプ、メーターランプも電球だった物をLED化して、視認しやすくなり、他の車からの視認性も上がりました。また、大きく変わったのはブレーキです。エンジンのチューンナップはしていたのですが、ブレーキがドラムブレーキで不安でした。今回は前輪をディスクブレーキに交換しました。そしてスチールホイールをアルミホイールに。ライト関係はオリジナルパーツが販売されている訳ではないので、LEDも含めて、知り合いの方(素人)に特別に作ってもらいました。ブレーキはプロの方に、、。アメリカから取り寄せたディスクブレーキを取り付けようとしたのですが、外に出過ぎてしまい、中に入れるためにサスペンションビームを切って中に入れたり、アルミホイールを削ったり、かなり苦労しましたが、なんとか奇麗に納まりました。
今の車のほうが快適なのは確かですが、古い車のデザインはノスタルジックで可愛く思います。今の使い古しを表現したてきとうなデザインがヴィンテージと誤解されていますが、しっかりした物を使い込んだ物が本当のヴィンテージです。物を大切にして使い続けるイメージを表現した展示でした。 (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)



2013.10.31 DESIGNER
製造国もブランドの一つ
AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.24
最近、アメリカブランドの製造業がアメリカ国内に回帰しているニュースを聞くようになりました。
GMやアップル社、IBMからPC部門を買収した中国のレノボのノートブックなどを、アメリカ国内工場で製造を始めるとの事です。アメリカ国内消費者のナショナリズムや、海外での製造コストの高騰が原因だそうです。昔からアメリカのブランドは高収益を上げるために、安価で製造できる場所に工場を替え続けました。高校時代に買ったアメリカスニーカーブランドの製造はU.S.A。大学時代には韓国、インドネシア、中国、今はどこで作っているのでしょうか。そのスニーカーブランドに対する気持ちは工場がU.S.Aから変わってから、購入する気持ちが萎えてしまいました、、。洋服など昔から製造国を確認して購入するようにしているので、洋服でもすぐにタグを見てしまいます。やはりそのブランドのある国で作られたものがオリジナルのような気がして、、。
アメリカファッションブランドの製品はしばらく「MADE IN U.S.A」のタグを見る事は少なくなっていたのですが、最近、U.S.Aを見る事が多くなってきました。衣料品の世界でもMADE IN U.S.Aを全面に出してブランドイメージを高めようとしています。イタリアブランドの「MADE IN ITALY」とのようなブランドイメージではなく、希少価値のように、他には無い物という印象でしょうか。アメリカブランドのジーンズやスニーカーなど昔のヴィンテージ物は「MADE IN U.S.A」でそのタグが付いた物は価値ある金額で取引されています。ブランドは製造している場所も重要視されるようになってきています。製造する国が信用できる国であれば安心して使えるような気がするからでしょうか。日本のファッションブランドも「MADE IN JAPAN」のタグを付けた物が増えてきています。食品だけでなく、身につけたり、使う物もどこで作られているかを気にするのも大切なような気がします。
11月6日から始まるエーディコア・ディバイズの新作発表会。新カタログはアメリカ西海岸で撮影しましたが、カタログ印刷は国内です。展示される新作はもちろん、今までの製品は全て日本国内で製造されています。今回も楽しい展示会、パーティー、ノベルティを準備していますので、ぜひおいで下さい。お会いするのを楽しみにしています。
(クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)


2013.9.30 DESIGNER
アメリカ西海岸での撮影 その3『段取りが全て」
AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.23
今回は撮影に望む準備の話をします。撮影は写真の出来が命ですが、ロケ撮影で良い撮影をする為には段取りが大切です。
特に海外での撮影では、撮り直し、代替え手配などできません。撮影する事が決まった家の図面を書いて、それにロケハンの写真や、撮影するレイアウトを決めて、撮影カット割を作ります。これにはカメラマンの立つ位置まで明記します。それを現地のカメラマンへ送り、撮影機材の手配をしてもらい、撮影に望みます。この撮影用の平面図を作るのが大変なんです。それは図面を記憶と現場写真だけで作図するからです。ロケハンの時間は30分以内、その記憶と置かれている物の大きさから判断して大まかな平面図を作図します。ほぼ合っている図面を作図できるのは特技かもしれません。アメリカの撮影スタッフからは、ファッション撮影でこんな詳細な図面で撮影に望むなんて、無い事だとよく言われます。
今回は撮影に決めていた家が、アメリカTVドラマの撮影に半年使用される事になり、先に契約していたのに、キャンセルされてしまい(TVや映画のムービーはギャラが破格なので)半年先まで使えなくなったと、撮影2週間前に連絡があり、契約違反で訴える暇もなく、代替えの家を探さないといけない状況になり、本当に困りました。それはその家に合わせて全てが作られていのと、撮影の段取りも終わっているからです。撮影コーディネートのYASUKOさんが、知合いのTV局のプロデューサーにお願いし、なんとか撮影をできる事が分かったのが撮影の一週間前、、。なんとかそのままの予定で撮影を終える事ができました。たぶん他の家では撮り残しが出たでしょうね。 (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

