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2015.04.27|

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時代を超える物、残る物

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.45 1月に始まったアメリカ西海岸インテリアレポートが先週、沖縄で終了しました。今回で9回目になるレポートでは、前回までとは少しスタイルが違い、1930年代のフェデラルスタイル(東海岸様式)やアールデコビルも紹介しました。来場された方からは今回はイア新鮮で良かったと、沢山の感想をいただきました。LAの住宅はケーススタディハウスに代表するようなシンプルモダンな建築が多い印象ですが、アメリカ人の多くが好むクラッシックスタイルがメインを占めます。今回はその一部をお見せできたのではないでしょうか。 スタイルは違っても今回も紹介した建築の多くは、リノベーションされた建築でした。1925年のナビスコの工場だったビルや、ダウンタウンに建つ1930年のイースタンコロンビアビルをリノベーションの写真を見ながら、ホテルオークラの建て替えを惜しむ声が世界中から届いているニュースを複雑な気持ちで思い出しました。ホテルオークラ東京の立て替えが発表されて、スティーブン・ホールなど建築家だけでなく、トーマス・マイヤーやポール・スミス、トム・ブラウンなど著名デザイナーからも反対の声が上がっています。ホテル側では東京オリンピックに向けて、様々な事情があっての建て替えだと思いますが、世界から惜しまれる建築とインテリアが姿を消すのは残念でしかたありません。私も会員の国際文化会館は、1955年に建てられた前川國男、板倉準三、吉村順三の共同設計の建築を保存改修をされて日本モダニズムを代表する姿を存続、保存されて活用されています。そのような道が無かったのか、、。 今回のレポートで紹介したアート地区に1925年に建てられたナビスコの工場は、90年経た外観はそのままですが、中の共有部のリノベーションも最小限で、ビスケット工場だった銅製の窓枠やエレベーターもそのままで、訪問した部屋も柱が工場だった時のままを残して雰囲気作りをしていました。一方ダウンタウンに建つ1930年のアールデコのランドマーク的なイースタンコロンビアビルは百貨店として建てられましたが、荘厳なエントランスだけでなく、本体もそのままに共有部のプールを増設し、143戸の価値あるアパートメントとして生まれ変わりました。どちらも昔は危険なエリアでしたが、近隣の価値を上げ、若者が集まる人気のエリアになっています。ビルだけでなく住宅も1930年のフェデラルスタイルの家や1963年にジョン・ラトナーが手がけた住宅も50年以上経て未だに大切に使われています。 横浜の古い雰囲気のあるビルも次々に取り壊されて、リノベーションと称してファザードだけを残してほとんどを壊す手法を沢山見てきました。数軒あった村野藤吾の住宅も全て取り壊されてマンションになってしまいました。建主や持ち主ではないので、何も言えませんが、今は違う価値を見いだすリノベーションも道の一つとしてあるように思います。アメリカでは、イームズ等の家具に価値をつけて商売にするだけでなく、古い建築にも価値を見いだす手法のビジネスは環境に配慮した、新しいビジネスのように思います。ファッションだけでなく、建築やインテリアのアメリカのビジネススタイルを考えてみるのもいいのではないでしょうか。きっと素敵な建築やインテリアができると思います。 そろそろ秋の新作発表会に向けてデザイン作業も佳境です。永く使われるような物を創らなければいけません。強度も永く使えるデザインも大切です。建築、インテリアと一緒に時代を超える家具も、、。                                  (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.03.27|

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見えないけど大切

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.44 先日、ソファ工場へ行ってきました。打合せが終わり、製品チェックの為に製造ラインを歩いたのですが、まだ張り上がっていないソファのフレームを見ながら、ソファは中の構造が見えないけど、座り心地や耐久性に関わる大切な所という事を改めて感じました。その後、ガレージで久しぶりに愛車のメンテナンスをしました。30年前に購入してずっと使い続けていた座席が、へたって掛け心地が悪くなってきたので、中身をリフレッシュしました。その時に中のウレタンやフェルトなど必要なパーツをソファ工場の職人さんに送ってもらい作業をしたのですが、購入してずっと座ってきたのに中についてはまったく知らず、張りを剥がした初めて見るシートの構造に感心しながら、ソファ工場での事を思い出しました。 家具と車の構造の違いはフレームです。フレームは家具は木材が使われていますが、車はスチールが使われています。強度も必要ですが、燃えないような構造でないといけません。家具はそのフレームにタッカーというホッチキスのような針で打ち付けて止めていきますが、スチールフレームにはタッカーが使えません。その為に金具に引っ掛けたり、針金で止めたりをして張り上げます。中身のクッションに使われるバネや、ウレタンはあまり差はありませんが、張り方法が違うので最初は戸惑いました。張りを剥がして見ると、中が全てバネ構造になっていて、かなり凝った作りをしています。53年前の道路事情に合わせたのでしょうか、振動が身体に伝わらないようにバネの上に身体が乗るようになっています。私と同い年の1962年生まれの53年間そのままの構造が現れた時には感動しました。53年前のドイツ車のシートは凄いなと。学生時代に中古の軽自動車、1972年製のスズキ・フロンテクーペを乗っていましたが、シートはへたって表皮のビニールレザーもボロボロでした、、。その頃の技術力の差だったんでしょうね。 30年前にアメリカ西海岸でレストアされて日本に来たので、下張りの麻布はボロボロでウレタンも少しへたっていましたが、まだ学生時代の車よりましです。表皮はまだ大丈夫だったので、今回は中身のみ張り直しました。ソファではフラットで自由に身体を動かせようにしなければいけませんが、車のシートは前後、左右に加重がかかり、身体をホールドする必要があります。その為に左右に盛り上がりを付けながら形を作っていきます。結局2席のシートの中身を張り替えるのに8時間以上かかってしまいました。おかげで、1962年製の身体は筋肉痛になってしまいましたが、カルマンギアのシートは新品のような描け心地になりました。 椅子も構造は表から見えますが、座や背の中身は見えません。ソファについては張り上がった固まりなので、構造がまったく見えません。また、中身を見る機会も普通はありません。でも、その中がとても大切なんです。耐久性や掛け心地に影響するのが構造です。デザインする時に、椅子はフレームの構造を描くので製作工場へ意思が伝え易いのですが、ソファは中の構造まで細かく描けません。工場での職人さんとの試行錯誤がとても大切なんです。皆さんもソファを選ばれる時にデザインだけだなく、中の構造も気にして見て下さい。中に何を使ってどのような構造かきちんと話せる、ショップか営業から購入されて下さい。 今年はミラノサローネには行きません。昨年からキッチン展のある年の隔年に行く事にしました。その代わりにアメリカ西海岸へロケハン取材に行きますので、夏頃取材レポートをしたいと思います。その前にソファ等見えない所をお見せする家具セミナーをするかもしれません。お楽しみに!          (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.03.23|

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カリフォルニアスタイルの中の日本製

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.43 4月に代官山にロサンゼルスの老舗高級セレクトショップのフレッドシーガルがオープンします。ロスではデヴィット・ベッカムが夫婦でプライベートジェットで買いに来る事で有名になりました。店には何度か行きましたが、高くてセールでしか買えませんでした。日本で先に展開しているロン・ハーマンはそのメルローズ本店の中にあり、元はフレッド・シーガルの一部でした。ブランドの関係性は複雑でよく分かりませんが、ロスではメルローズのフレッドシーガルの事はみんな知っていますが、ロン・ハーマンの事はあまり知られていません。いつのまにか日本ではロン・ハーマンが有名になってしまいました。それにしても西海岸を初めアメリカファッションの勢いは止まらないようです。 清澄白河と青山にアメリカ西海岸コーヒーのブルーボトルコーヒーがオープンしました。清大人気でオープンには3時間並んだニュースが流れていました。日本人の新し物好きにも驚きます。ブルーボトルコーヒーには昨年10月にロサンゼルスのアート地区にある店に行きました。その時の印象を以前のブログには書きましたが、お店のスタッフの清潔感と爽やかな接客が印象的ででした。今回はその店の事をもう少し書きたいと思います。 元はハンサムコーヒーという人気の店だったのですが、今はブルーボトルコーヒーになりました。シンプルな店で、店の三分の一くらいを焙煎の部屋になっています。でも、焙煎をしているのに焙煎の香りが店の中や外には漂っていません。カウンターは家庭用のペーパードリップでコーヒーを一杯ずつ入れるので、スタバやアースコーヒーのようなマシンが無く、シンプルです。きちっと髪を整えて髭を剃った店員が笑顔で接客してコーヒーを入れてくれます。店の中はホワイトオーク材のカウンターテーブルで、他のコーヒーショップのように背のある椅子やラウンジチェアがありません。スツールがあるだけなので、ゆっくりリラックスして休むというよりコーヒーを飲むだけの感じです。それでこの金額は高いかなと思ってしまいました。やっぱりコーヒーは多少座り心地の良い椅子があって、リラックスして飲めればもっと美味しく飲めるのですが、、。 店の中で豆も販売しているのですが、一緒にドリップ用の器です。中でも日本語表記の物が、、。日本のカリタの物を置いています。アメリカのコーヒーになぜ日本製の?。ペーパードリップはメリタ式とカリタ式があり、1908年に考案されたドイツのメリタ・ベンツが発明した1つ穴のメリタ式が始まりですが、1959年に日本の会社のカリタが真似をして、穴3つのカリタ式のドリッパーを作りました。その日本製カリタ式がブルーボトルコーヒーに置かれているなんて、なんだか不思議な感じです。日本のブルーボトルコーヒーの店にはカリタのドリッパーは置かれていませんが、ロスには販売しています。日本から遠いロスでカリタのドリップを見て、それが日本に出店したアメリカ西海岸の話題のブルーボトルコーヒーに置かれているなんて、少し嬉しく思いました。               (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.02.26|

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上質と高級

D CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.42 先日、上質について話をする機会がありました。品質の事だけでなく、全体的なイメージとなるとなかなか難しいテーマです。改めて上質について考えてみました。 上質とは直訳でHigh qualityの事ですが、欧米ではClassicと言われる事が普通です。日本ではクラシックと聞くと古く古典的なと思われていますが、、。クラッシック音楽とは古典音楽ではなく、最高水準で高尚な音楽と言う意味で、クラシックカーは古い車でなく、流麗な上質な車、ファッションでは、はやりすたりの無いスタイルという意味です。クラシック建築とは近代以前の建築という意味でなく、古代ギリシャ、ラテンの芸術様式にならった建築の事を指します。男性靴で先の尖って反り返った靴をイタリアンクラシコなどと称して販売していますが、まったくのでたらめで、イタリアンクラシコは職人が作ったオーソドックスで上質な靴の事です。 一方Luxuryという言葉があります。ラグジュアリーとは高級や贅沢品に使われます。最近はラグジュアリーと言うとなんとなくカッコ悪く感じます。昭和の時代、高級品があまり無い時代、店の看板に高級紳士服、高級下着、高級家具など書かれていた事を思い出してしまいます。本当の高級で自信のあるブランドは高級、ラグジュアリーなんて使いません。高級かはそれを買われる方や回りが決める事で、自分で言ってはダメです。海外でもラグジュアリーブランドと自分で言っている会社を見るとちょっと田舎っぽく感じてしまいます。 当社では2003年から新しい上質さをテーマにした「ネオ・クラシコ」ブランドを展開しています。ヨーロッパの伝統的な様式を今のインテリアに合うようにリ・デザインしたのがネオ・クラシコです。アメリカ西海岸で撮影を行い、ロケハンなどで住宅を見る事が多くなってきて、アメリカンと言われるジョージアンスタイルのインテリアや家具が中流層以上の多くの人々に指示されている事が分かりました。アメリカでジョージアンスタイルの代表的な建築とインテリアはホワイトハウス。 昨年10月にビバリーヒルズでフェデラルスタイルという東海岸スタイルの家を取材しました。有名デコレーターのマーティン·ローレンス・ブラードが手がけた住宅で、1930年代に建てられた家をクラッシックの基本と作法に基づいてモダンテイストも加えながらリノベーションしていました。クラッシックの基本は左右対称のレイアウトで、デコレーションされた小物は左右対称になるように必ず2つが置かれ、アーンと呼ばれる水瓶も置かれます。それを見てモダンテイストを加えながらもきちんと作法を守ったインテリアを作っているのに関心しました。 私自身、学生時代から家具本体の構造やデザインを勉強してきたので、上質なインテリアには作法があり、使われる家具にも作法や意味がある事を知り、使われるインテリアの歴史や作法から勉強しないといけないと反省した事を思い出しました。テーブルサイズも合板のサイズから作られたW1800×D900の奥行き900が日本の常識でしたが、フォーマルなインテリアではテーブル作法によってD1000以上無ければ使えない、テーブルのゲストが座るサイドに置かれるからサイドチェアと呼ばれるなど、様々な決まりがあり、それがクラッシック、上質なインテリアです。高級とは別物という事を理解しながら物作りをしなければいけません。 昨年末、アメリカンクラッシックのネオ・クラシコ・ヘリテージシリーズを発表しました。シャヴィーでヴィンテージなテイストは新しい上質さを感じていただけましたでしょうか?今年はそれがどのように進化するか、今年はどんなデザインをするか、、少し悩み中です。そろそろ企画をまとめなければいけません。                                 (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.01.29|

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シャヴィーシックとヴィンテージ

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.41 2015年も始まってもう一月が経ちます。本年もよろしく願いいたします。昨年は西海岸ファッションが世界を席巻し、緩く楽なファッションが人気でした。インテリアの世界でもナチュラルな素材やヴィンテージといった緩い家具が人気でした。1月20日の東京から始まったアメリカ西海岸インテリアレポートには500名近いお客様においでいただきました。名古屋、大阪を含め7回開催しましたが、その時セミナー毎、スライド写真を見ながらコメントしていて感じた事があります。 ウエストハリウッドにあるジェットライナービューの1956年住宅は、60年経ても内装や家具がそのまま使われ経年変化した全てが使い込まれて良い感じでした。ダウンタウン近くのアートディストリクトの1925年のビスケット工場では、構造やパーツをそのまま残してリノベーションされたアパートメントの建物自体が本物の歴史を感じました。2軒とも数十年経て変化した本物のヴィンテージです。そういった家を完璧までにリノベーションして、より価値を見いだす不動産取引はロサンゼルスで沢山見てきました。今回、別の日に訪問した住宅で、別の経年変化した住宅を見る事ができました。それはシャヴィーシックの住宅です。 サンタバーバラの2軒の住宅で、見た目はシャヴィーな雰囲気で数十年経た住宅としか見えません。使われている家具や建材そしてスイッチ類等も古く、大切に使われてきた住宅と勘違いしてしまいました。2軒の住宅とも数年しか経っておらす、1軒の家はまだ1年でした。よくある表面を古く見せただけの仕上げならパッと見ただけで見破る事ができるのですが、、まったく分かりません。シャヴィーシックをテーマに古い建材、材料を買い集めて全てそれを使って仕上げていったとの事でした。家自体は新しいのに表面に使われている材料や金物は全て中古品でした。新築には新品の材料という日本人からは考えられません。日本でも古民家を再生させて新品のような仕上げにする事はよくありますが、、。 デコレーターのオーナーから話を聞いて理解できたのですが、ロサンゼルスには古い金具の店や古材を扱う店があります。ここまでは日本でも取扱いの店はありますが、暖炉や外壁など家本体に付随していた物で、壊れてしまいそうな物まで扱っている店があるそうです。見せていただいた家の玄関ドアにはフランク・シナトラの玄関ドアまで付いていました。イームズなどのヴィンテージ家具を価値をつけて商売にするのはロサンゼルスで始まりましたが、今では古い家を取り壊した時にでる廃材を価値をつけて販売する商売まであり、新品より高い金額で取引されているのは驚きです。中古という考えではなく、経年変化した価値あるシャヴィーな風合いに価値を見いだすのでしょうね。よく考えると産業廃棄物にしかならない物を再利用する事はエコロジーで環境に優しい事です。 上記のヴィンテージ住宅、シャヴィーシック住宅どちらも時代を経た表面が特徴です。どちらが本物と考えるとどちらも本物のような、、。捨てる物を再利用するのは本当にエコロジーな良い考え方だなと思いました。私達がお届けしている家具達も時代を超え、ヴィンテージやシャヴィーなインテリアに合うくらい使われたいと思いました。さて、今年はどんなファッションやインテリアが新しく見えるのでしょうか。そういったニュースをお届けできればと思っています。                                  (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)  

2014.12.26|

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写真とインテリア

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.40 今年も終えようとしています。皆さんはどんな一年だったでしょうか。3月までは消費税前の駆け込み需要でインテリア業界も盛況でした。当社は在庫を持たない受注製造のため、売上にはあまり関係ありませんでしたが、、。今年もしばらく続くアメリカを意識したインテリアやファッションが人気でしたが、来年はどのような新しいデザインが生まれてくるのでしょうか。私自身は4月のミラノサローネ、秋のアメリカ西海岸への取材旅行をしましたが、しっくりくるのはアメリカでした。 11月の新作ではアメリカンクラッシックをイメージした製品を発表しましたが、西海岸で取材した写真を展示の一部として使いました。私自身が撮りためた写真の中から、展示コーナー別にシーンに合う写真を選びパネルにしました。サイズはB0とB1と大きなサイズで、木製パネルにしました。LA住宅では家具だけでなく、インテリアの一部としてアートが使われます。日本では大きなアートは美術館に置かれ、小さな風景画しか使われませんが、LAでは壁面の空間を埋めるように大きなアートが置かれます。現代アートだけでなく、パサディナのハンティントンライブラリーへ行った時に家具と一緒にインテリアの一部としての展示も印象的でした。撮影に使用する住宅の現代アートが素晴らしく、当社の展示会でも家具に関係するアートパネルを製作し展示するようになりました。 10月にアメリカ西海岸の住宅を10軒訪問したのですが、壁の写真が印象的でした。1920年代のナビスコの工場だったビルを改装したロフトの住宅や、建築家の環境住宅もモノクローム写真を効果的に使い、壁面と空間のバランスをとっていました。訪問した中で一番印象的だったのが、トップフォトグラファーのグレン・ルッチフォードが作ったベニスビーチにあるThe Rose Hotel。カメラマンの彼自身が撮影した写真だけでなく、セレクトしたアートワークは素晴らしい物でした。しかも、トップフォトグラファーであっても、インテリアに溶け込むようなセレクトなのには感心しました。その他、どの住宅でも写真の多くはモノクロームの写真で、空間に違和感なく溶け込んでいました。 今回は、グレンさんのThe Rose Hotel、1920年代のナビスコ工場跡のロフト、LAダウンタウンのアールデコビルの3カ所かで撮影したカットとハンティントンビーチの夕暮れの写真を展示しました。各展示シーンに合っていたでしょうか?今は東京、名古屋、大阪ショールームの展示に使用しています。製品だけでなく、写真も見ていただければ、今回のコンセプトを感じていただけると思います。ぜひ、ショールームへ足をお運び下さい。                                   (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇) 

2014.12.25|

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物造りとは

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.39 家具を造り出す作業は表面のデザインだけでなく、使い心地、座り心地、強度など様々な事を考えながら造ります。普段見えない中身がとても重要です。でも、その中身を見る機会はなかなかありません。ラウンジチェアやソファの構造を書いた資料は少なく、社会人になって工場で勉強しました。 社会人になって間もない頃、埼玉の工場で試作の張りをお願いしていて、待ち時間にその工場で張替えを待っている椅子やソファを剥がさせてもらいました。最初はお手伝いのつもりでしたが、その大変さにビックリしたのですが(張るより剥がすほうが手間)海外製品や古い家具の中身を見る事ができるので、次第に夢中になりました。気がつくと指や手のひらが水ぶくれに、、。それからその工場へ行くたびに剥がすお手伝いと称して、勉強させてもらいました。その時の経験は何事にも変えられない知識となって自分の物になりました。 11月に発表したウィングチェアは回転脚付きの少し背の低いバージョンより少し背辺りが固いとのお客様の声がありました。回転脚タイプは座った時の衝撃をガスダンパーで受け、背も後ろに少し動くために柔らかく感じますが、木脚タイプはダイレクトで動きが無いために固く感じるのが原因でした。展示会後に工場で職人さんと一緒に改良を行い、同じ掛け心地を感じられるようにしました。その際に布を剥がす事をしたのですが、久しぶりに何百本のタッカーを抜きながら、若い頃に張り替え工場で剥がさせてもらった事を思い出しました。この大変さを知らずに手直しや、やり直しを頼んではいけないな、、と。気がつくと水ぶくれが出来ていました。         (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2014.12.03|

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DJとデザイン

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.38 11月12日から始まったネオクラシコブランドの新作展示会、ネオクラシコ・ヘリテージはご覧いただいたでしょうか。こんなアメリカンクラッシック家具のデザインを待っていたと言われるお客様も多く、今までの展示会の中でも一番手応えを感じた新作でした。ネオクラシコブランドは過去のインテリアスタイルを現代のデザインにリデザインしたブランドです。昔のデザインをだた形作るのではなく、再構築するのは大変なんです。 最近、音楽業界でヒットチャートを賑わせているのが、Calvin Harris(カルヴィン・ハリス)やAvicii(アヴィーチー)などのDJ。アメリカだけでなく、ヨーロッパでも大人気です。DJというと古くはラジオのディスクジョッキー、少し前はディスコやクラブの選曲者というイメージだったのですが、現代のDJはミュージシャンの曲を再構築し、それを挿入したCDをヒットさせ、巨大なスタジアムでコンサート(と言っても演奏する訳ではなく、ターンテーブルで音楽を発信する)を開催するアーティストの総称となりました。Aviciiは、ハリウッドに数百万ドルの豪邸を購入したセレブリティです。 自分から音楽を生み出す事はなく、他人の音楽を利用したDJのCDが売れている事が不思議でなりませんでした。AviciiやCalvin HarrisのCDを聞くと、オリジナル曲をアップテンポにしたり、さびの部分のリズム挿入で乗りのよい曲にし、オリジナルでは成し得なかったヒット曲に変えてしまうセンスは驚くばかりです。でもオリジナル曲を聞くと、元曲も良くなければヒットにならなかった事も分かり、それを選んだDJのセンスも理解できました。 当社のネオクラシコブランドはヨーロッパの歴史あるインテリアスタイルの家具をヒントにリデザイン(最適化)しています。今回のヘリテージシリーズもジョージアンスタイルを基本としたスタイルを現代のインテリアスタイルに合うようにリデザインしています。今回の仕事を思い返すと、AviciiやCalvin Harrisのようにオリジナル曲をそのまま使う事とは違いますが、元のデザインをモチーフに新しいデザインを生み出す事ができているように思いました。今回のヘリテージシリーズも、数世紀前のオリジナル家具よりも現代に合わせて最適化できているようにも思います。 来年1月から10月にアメリカ西海岸で取材した住宅のセミナーを予定しています。今回は新作ヘリテージのインテリアスタイルのアメリカン住宅も多く、今までとは少し違ったインテリアスタイルのセミナーになると思います。お楽しみに! (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2014.10.30|

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今のカリフォルニアスタイル

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.37 先日、アメリカ西海岸へのインテリア取材に行ってきました。今回は新しいモダンや1950年代のヴィンテージ住宅だけでなく、1930年代のアメリカン、1920年代のアールデコ建築のロフトなど様々なインテリアスタイルを見る事ができました。場所もロサンゼルスのハリウッド、ビバリーヒルズ辺りの住宅街だけでなく、ダウンタウンや今注目のアート地区、ベニスやアボットケニー通り、サンタバーバラなど様々な地域を回ってきました。 今回は、しばらく続きそうな、カリフォルニアスタイルの今を再確認するのが目的の一つ。日本のコーヒーブームでは、恵比寿の猿田彦コーヒーや、小さなコーヒーカフェが人気です。そのブームの大元の西海岸のコーヒーショップがどのような感じになっているのかも興味あり、アート地区にあるハンサム・コーヒー・ロースターズや日本に進出したオーガニックコーヒーで人気のUrth Caffe(アースコーヒー)も現地でどんな様子かを見に行きました。 ウエストハリウッドのUrth Caffeに行くと、夜10時を過ぎようとしているのに、凄い人、、。マシンを使って入れられたコーヒは酸味と苦みが強く、スタバと変わらないなあ、、と思ってしまいました。環境に優しい、オーガニックという事で人気なのかなと、、。次の昼にアート地区のハンサム・コーヒーへ行きました。店の外壁にブルーボトルのマークが、、。ブルーボトルコーヒーのお店になっていました。ブルーボトルコーヒーはサンフランシスコ発祥でコヒー業界のアップルと言われるコーヒーショップです。中では店員が和やかにお客様と言葉を交わしながら、コーヒーを一杯ずつペーパードリップで入れています。効率は悪いのですが、苦みの少ない香りの高いコーヒーで、とても美味しく感じました。インテリアは明るく、ジーンズにエプロン。シャツを腕まくりしたスタッフは髪を短くしてキチッと分けて清潔感があり、シンプルなインテリアと、笑顔の接客は今のカリフォルニアスタイルを感じました。 カリフォルニアスタイルというと、ラフなインテリアとラフな服を着た長髪で無精髭というイメージですが、今のカリフォルニアスタイルはシンプルでナチュラルだけど、清潔感を大切にしたお店が人気です。泊っていたホテルの近くのメルローズにあるお洒落な床屋では夜9時過ぎているのに、まだ営業中。どんな髪型?と見ると短い清潔感あるカットをしています。昨日、ブルーボトルで見た店員のような髪型。清潔感が今のカリフォルニアスタイルなんですね。 いよいよ11月12日の東京から新作展示会です。今回の製品はアメリカンクラッシック。今回の展示会の見せ方やスタッフのファッションもアメリカンを意識して考えないと、、。展示会では香り高いコーヒーを入れてお待ちしています。お楽しみに!                        (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)     

2014.09.26|

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図面に書けない物

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.36 今、撮影する新製品の仕上げのために、工場で確認作業の毎日です。九州、東北の工場のため移動が長いので大変なのですが、私にとっては今が一番楽しい時期。まだ暑い工場内で職人さんの手仕事を見ながら一緒に作り上げるのは、やりがいを感じます。デザインスケッチしてる時より、実際の形ができてくる時のほうが楽しいのは作るほうが好きだからなんでしょうね。 スケッチを書いて図面化して、工場の職人さんに試作をお願いするのですが、図面に明記できない箇所が沢山あります。それは椅子やソファの張りに関係するものです。張りのステッチの入れ方、座り心地の固さ、座の張りの盛り上げ方など、、。図面を渡す時に打合せしていても、最終的に現場に行って確かめないと決まりません。特に座り心地の硬め、柔らかめ、普通と書いても、人それぞれ感じ方が違います。なんとなくとしか表現できません。もう十年以上、試作をお願いしている職人さんはそのなんとなくを感じ取って形を仕上げていきます。特にソファは木枠にウレタンを貼って形を作るので、使う材料によってまったく違う座り心地になります。 ウレタンは硬度が同じでも、比重が違う物があり、パサついた物、しっとりした物、ラバーっぽい物、ウレタンフォームのチップを固めたチップウレタンなど、いろいろな種類があります。一般的に比重が重く密度が高いほうが、価格は高いですが耐久性があります。座や背に羽毛を使うとファーストタッチは良いですが、復元性が悪く、手でクッションを叩いてほぐさないとぺったんこになります。最近では、綿や羽毛のような柔らかなタッチに近いのですが、復元力のある綿のような柔らかいスーパーソフトウレタン等があり、当社のソファでは表面に使います。 ソファなど中身の見えない製品は、同じように見えて、最初の座り心地が同じでも、長く使うと全然違ってきます。お店では中身を見る事ができないので、判断が難しいですが、座の置きクッションはファスナーを外して、中袋のファスナーを外せば中のウレタンを見る事ができます。何層になっているか、触った感じが良いかを見るだけでも、なんとなく分かります。ぜひお店でファスナーを下げて中身に触れてみて下さい。良いウレタンはきっとタッチも良く、中身の袋やウレタンのカットや張りも綺麗なはずです。 いよいよ11月の新作発表会が近づいてきました。その前に写真撮影をしなくては、、。今回も面白い場所で撮影したカタログができる予定です。皆さんお楽しみに。                        (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2014.08.29|

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立体的に見る事、見せる事

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.35 私たちの眼が顔の前に向いてついている理由は(他の動物の多くは頭の横に目がついています)、祖先が恐竜の生き残りの巨大肉食鳥を避けて、樹の上に生活するようになり、枝から枝へ飛び移るための距離感を計るために、立体的に景色が見えるように顔の前に眼球が移動したそうです。その後、寒冷化した地球で、エサ不足に陥った霊長類はエサを見つけるために、遠くまで見える視力を持つようになり、さらに目を進化させたそうです。 デザインの仕事をしていて大切な事は、いかに立体的に物の形を考えられるかです。紙に描くスケッチを陰影を付けて描くのも、完成の姿を立体的にイメージするからです。家具の三面図は平面ですが、外形線、内接線や補助線など様々な線に強弱をつけて、平面だけど立体的に見えるような描き方を心がけます。全て同じ線で描いてしまうと、のっぺりとした図面になり、図面から形が伝わってきません。職人さんが作る時に間違わないように、図面から浮き出て見える図面を描くのが、図面描きのこつで、それが死命だと、学生の頃にアルバイトしていた家具工場の設計の方に教えられた事を今でも思い出します。今は使わなくなりましたが、トレーシングペーパーで椅子の図面を描いていた頃は、鉛筆の筆圧や固さを変えながら描いていました。それも紙面の中にバランス良く描けるかも大切です。 今でもその頃のバランス感覚や表現方法が、カタログ製作や撮影等の時に本当に役に立っています。今では、パソコンを使って描くようになり、線の強弱がディスプレイ画面では見えなくなり、レイアウトも後で調整できるので、描き始めの準備をしなくてもよくなりましたが、昔はトレペに描く前に、別の紙で構想して、薄い線で下書きをして、レイアウトを確認してから実線を描きました。そうしないと実線は消しゴムで消すと白くなり、青焼きすると白く線が出てしまうので、汚い図面になるからです。また鉛筆だったので、図面が汚れないように、描いている途中でも定規を拭いたり、直接、紙に腕が当たらないように紙を置いたり、、、。本当に大変でした。そして、いかに平面の図面が立体的に見えるかを心がけ、0.5ミリ、0.3ミリのシャープペンを使い、ペンを回しながら、均一な線で強弱を付けていました。本当に手間でしたが、それが今の仕事に役だっています。 最近は、電車内で見かけるサラリーマンや子供達がしているスマホゲームや、立体的に見えない説明図(取扱い説明書もパソコンで見るようになり線が均一化したり)が多いように感じます。せっかく進化して、立体的に見る眼や立体的に考える脳を持ったので、使わないともったいないような気がします。でも、年齢を重ねて、遠近が弱くなってきた事に焦りを感じている今日この頃ですが、、。 11月発表の新作は陰影を形に表現した製品を出す予定です。お楽しみに! PACEのサイトへ▷                                  (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2014.07.30|

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本物のヴィンテージ

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.34 アメリカファッションの勢いは止まりません。最近のファッション誌のキーワードはヴィンテージ。以前も書いたのですが、本来、ヴィンテージとはワインにおいて、ぶどうの収穫から醸造を経て、瓶詰めされるまでの工程を表す言葉で、当たり年の事をさす言葉だったのですが、車や家具、オーディオだけでなくファッションの世界でもヴィンテージという言葉を使うようになりました。 エルメスのカレ(スカーフ)でヴィンテージと言われる物があります。昔の柄のリバイバルではなく、1970年代の初めまでに作られていたスカーフが本当のヴィンテージなのだそうです。70年代初めまでは日本産のシルクを使って作られており、その後は、コストの関係で中国産になり、今はブラジル産のシルクを使って作られています。日本産のシルクで作られたスカーフは品質が高く、ぬめるような手触りで、今の乾いた感じではありません。その日本製のシルクのスカーフはアメリカではヴィンテージとして高価な金額が付いて取引されているそうです。ヴィンテージと称して80年代90年代の中国産、ブラジル産のシルクを使った物が売られている事がありますのでご注意下さい。 ヴィンテージカーと言われる車があります。最近、聞いた話なのですが、フォルクスワーゲンの1950年代の車を日本からアメリカへ輸出しているそうです。少し前に流行ったワーゲンバスの50年代から60年代の物が人気なのだそうですが、数年間にアメリカから日本へ輸入されたバスが、アメリカへ戻っているそうです。エアコン無しマニュアルで運転しずらいので、乗らなくなり、眠っている車を、その車を販売した会社が、売ったお客様に電話して販売した同じ金額で引き取るという事をしてるそうで、買った金額で引き取ってくれるとあって、大体のオーナーはすぐに売ってくれるそうです。それをアメリカに持って行くと2倍~3倍の金額で売れるとあって、アメリカにどんどん帰っているそうです。 アメリカでは少し前からヴィンテージが流行っていて、流行に敏感な若者だけでなく、一般的にライフスタイルに取り入れられているようです。古い良い時代の物に価値を付けてビジネスにする商魂は凄いなと思いますが、古いものが価値あるという事で、大切に使われ、後世に残される事は良い事だと思います。骨董と同じで本物のヴィンテージを見分ける知識と目は必要ですが、、。 今度、田舎に帰った時にお洒落だった母のクローゼットを見てみようかなと思いました。エルメスのヴィンテージスカーフがあるかも。皆さんも探してみては?                                  (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2014.06.30|

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2014西海岸インテリアレポートアンケート結果!!

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.33 5月28日から始まったミラノレポートは東京、名古屋、大阪、福岡の4カ所で800名以上のお客様に参加いただき、ミラノサローネやミラノ市内イベントなどミラノデザインセミナーの関心の高さを再認識しました。次回も価値ある情報をお届けできるようなセミナーを企画いたします。でも、ミラノセミナーは取材した内容をできるだけ多く、正確に伝えるための体力は本当に大変なんですよ、、。 ミラノ取材への出張直前までアメリカ西海岸セミナーを開催していました。今回もどの建築が良かったかアンケート投票をしていただいていましたが、発表がまだでしたので、結果を発表いたします。セミナーの中でレポートした住宅は9軒、その中で好きな住宅のベスト3のアンケートをお願いしました。今回はいつもの住宅だけでなく、アパートメント、ホテルや公共建築もレポートしたので私自身結果が楽しみでした。700名近いお客様からいただいた結果は! 第1位はマリブのアカデミー賞受賞者の住宅、2位はエンチーノの女性建築家の住宅、3位はサンタモニカのヴァイスロイホテル。4位はパームスプリングスのYASUKOさんの禅ハウスでした。1位の住宅はモダンすぎず、大きすぎず、ちょうど良いリアリティの感じる家で、2位の女性建築家の住宅は1980年代にリノベーションされ、30年以上経た時を経ても新しく感じる家でした。3位のホテルは女性デコレーターが手がけたハリウッドリージェンシースタイルのデザインホテルでした。僅差で4位だったのは、カタログ撮影やお客様のツアーでお世話になっているLA在住のYASUKOさんのパームスプリングスの別荘。本物のヴィンテージ家具が配置されたインテリアは見事でした。 先日、一時帰国されたYASUKOさんとお会いしたのですが、当社の建築巡りツアーが仕事に役立ったと感謝されました。世界的なファッションブランドのクライアントから、CM撮影のロケーション場所で難しいリクエストがあり、昨年10月に私たちのツアーで訪れたLA市内に建つカソリック教会の天使の大聖堂の事を思い出して、提案したら、OKになりクライアントから感謝されたそうです。アメリカ西海岸ツアーの住宅や建築は、いつもYASUKOさんと二人で視察場所を悩みながら決めています。今年の10月のツアーでは住宅だけでなく、LAダウンタウンのホテルやショップ、サンタバーバラのスパニッシュハウスなど様々な建築が見れるように検討しています。ツアーのお客様だけでなく、私自身、コーディネーターのYASUKOさんも楽しみになるツアーだからこそ、良いツアーになるんです。                                   (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇) アメリカ西海岸ツアーのサイトへ▷

2014.05.29|

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インテリアは総合力とバランス

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.32 ミラノレポートのスライドを製作する為に、取材した写真の編集作業をしていました。撮影した写真をそのまま使用するのではなく、Photoshopでパースを直し、暗さや色なども補正して加工しています。広角レンズを使うインテリア写真では縦方向にパースがつくのと、斜め取りの時にパースがきつすぎる時があるので、加工しないとちゃんとした空間に見えません。今回も数千枚の写真の中から1200枚の写真を選んで加工し、その中の600枚を使用しました。 取材をした内容や、プレスリリースを見ながらスライド原稿を作り終えて感じたのは、インテリアの力です。家具はそれだけで存在しているのではなく、空間、レイアウト、組合わせ、小物など、総合的な関係から存在しています。どれが欠けてもいけません。それができているブランドのブースは人気があり、ヨーロッパの低迷する景気の中でも売上げを伸ばしています。それを感じたのが、あるブランドの展示です。いつもミラノサローネ会場で注目されるブランドのブースが、今年とても残念な展示だったからです。そこでもらったプレスリリースは、なるほど、立派なテーマだったのですが、、。著名デザイナーがデザインしたブースのデザインだけでなく、家具の置き方やデコレーションが、???というような様子で、観葉植物がプラスッチックの鉢のままで置かれていたりで、とてもインテリアと呼べるものではありません。わざと狙っているのかと思ったほど、、。展示されている製品も良く見えませんでした。 集客が多く、素晴らしいと感じたブランドは製品単体の置き方でなく、スタイルとしての展示ができている所でした。空間のデザイン、レイアウト、デコレーションのトータルバランスが取れていて、置かれる製品の本来の美しさをより引き出しています。その中でも空間の良さを左右するのはレイアウトとデコレーション。小物使いや家具とのバランスが取れている展示はリアリティがあり、本当に心地良い空間になって、来場者の共感を得られるようです。ミラノで良かったのは、Moooi。以前は巨大な馬の照明や変わったビジュアルが目立つ製品本位の展示だったのですが、今年は空間とトータルバランスの取れたスタイル展示になっていました。撮影や取材で訪れるLAの住宅は生活するリアルなインテリアですが、その中は建物だけ、家具だけ、でなく、小物やそれらを組み合わせるデコレーションがされています。ミラノサローネの会場でも再認識しました。 ミラノで取材した写真は家具の写真だけでありません。今回もそれを展示する空間、花や、小物のデコレーションの写真も多数収蔵したCDを作りました。お楽しみに!                                (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2014.05.26|

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物の本当の価値

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.31 最近、いろいろな所で本当の金額が分からない時があります。日本の良さは価格表示が公正で、同じ条件で品質など中身も比較できて、安心して購入や利用ができる所でした。販売する側では価格.Comなどで価格を比較され、販売金額の競争が激しくなっていています。その中で、表示する金額や中身の量で、安く見せようとする販売が目立つようになってきました。 ドラックストアなどで、ティッシュボックス5個入りの値段表示で店頭に並びますが、200枚組400枚が当たり前だったのが、180組360枚、150組300枚まで、サイズも小さい物があります。鼻をかもうとしてあれっ、なんだかサイズが小さいと思って広げてみるとサイズが小さい、、。通常サイズが244ミリ×275ミリが195ミリ×205ミリで、面積60%のサイズでした。トイレットペーパーもシングルが標準55メートルが40メートルや30メートルへ。長さだけでなく、ティッシュと同じ、幅まで小さくなってる物があります。なんだか寂しい話ですが、本当の価格が分からなくなってしまいます。 街の駐車場もどこも同じ時間の金額表示だったのが、30分200円、20分500円、15分300円、12分200円など、、1時間にしないと本当の金額の比較ができません。最大料金が12時間3000円、10時間2800円、3時間2000円など小さく書いている文字をちゃんと見ないと、支払い時に予想外の金額に驚く事があります。選ぶ側もちゃんと計算しないといけないのですが、、。消耗品もそうですが、リピーターよりも今だけの商売を優先しているような事が多くなっているような気がします。 ミラノサローネで取材中に製品の重さについて聞く事がありました。展示されていた椅子が見た目より重たかったので、なぜ?と聞くと、不思議そうな顔をして、テーブルも椅子も重くなければダメでしょう。しっかりした製品の証ですと、。良い物には適度な重量感がなければダメで、それを価値として選ばれるからとの事でした。自分で製品の良さを判断する消費者が多いからだとも聞きました。日本では搬入のしやすさから、軽くサイズがある程度小さくや、掃除のしやすさから軽い椅子が望まれる事があります。しかし、長く使えるようにする為に、強度がある堅い材料を使い、見えない箇所に手をかけて製品を作るとある程度の重量になります。テーブルも同じです。 物の本当の価値を感じるにはリピートするか、永く使わなければ分かりません。そんな長く使っていただける製品作りをしなくてはいけません。今回の開発ブログで取り寄せた、一昨年に発売の椅子の見えない木フレームの加工を見て、見えない所を手間のかかった物作りを少し嬉しく感じました。                                  (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)