COLUMN

コラム

FILTER OPTION

CATEGORY

2016.02.29|

DESIGNER

フォトグラファーはセンスとカット数

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.56 この十数年、海外レポート等たくさんのセミナーをしています。そのセミナーの写真は、全て私自身が撮影したものです。昔の写真を見ると下手だった事がよく分かります。数をこなすと上手くなるのか、最近の写真は綺麗に見え、展示会の壁を飾るイメージ写真も撮れるようになってきました。皆さんから「良いカメラを使っているのですか?」とよく聞かれます。最近ではミラーレスの一眼レフを使っていますが、それももう5年落ちの物で、その前は普通のコンパクトデジタルカメラでした。学生の時に写真の授業があり多少写真については習いましたが、授業を受けても上手に撮れる訳ではありません。 エーディコアで家具のデザインをして31年になりますが、カタログ撮影の為に沢山のカメラマン(海外だとフォトグラファー)と一緒に仕事をしてきました。今、お願いしている方は日本では丸山和久氏と、アメリカではDominick Guillemot氏です。二人とも本当に穏やかで、一日に沢山の写真を撮影するのに最後まで変わらずに仕事ができる方々です。フィルムもデジタルも両方できるので、光から流れる影が自然で、デジタルに頼りすぎずに自然な写真を撮れます。何より両方ともにセンスがあります。写真も構図とバランスが大切で、デザインと同じなんだという事が理解できます。私自身、様々なカメラマンと仕事をして近くにずっといるので、何をしているか観察しながら、勉強させていただいてます。フィルムの時は絞りや、立体感の出し方。この十年は写真撮影後のソフトPhotoshopの使い方。日本人カメラマンの丸山さんの後ろで、どうやって写真を調整、修正しているか見て覚えました。本など見ずに独学です。なんだか、職人の世界でテクニックを盗むような感じです。 プロのカメラマンはアングルが決まるまで本当に多くのシャッターを押します。そしてアングルが決まってからカメラ位置を固定してライティングを決めてレンズセッティングなどしていきます。アングル(構図)を決める時には、カメラマンと一緒に決めるのですが、私もデザイナーですので、自分の見せたい角度、綺麗に見える角度などありますが、私自身が気がつかない方向や高さからの構図を提案されて、それに変える時もあります。ロス撮影の時も撮影に望む前に大体の構図を決めて望むのですが、光の関係等でどうしても良く見えない時、製品自身の魅力を引き出す構図を提案いただきます。これだけはやはりセンスだなって思います。ロスの撮影でお世話になっているYasukoさんの友人で、サンローランのクリエイティブディレクター、エディ・スリマンはディオール・オムを辞めてから5年間ファッション誌等でカメラマンとして活躍していました。今でもサンローランの広告写真は彼自身が撮影しています。2年前に訪問したベニスビーチに話題のローズホテルを作ったグレン・ルッチフォードも有名なカメラマンです。ホテルのインテリアに彼のセンスが光っていました。二人とも二次元の構成だけでなく、立体的なセンスがあり、一流のカメラマンはデザイナーとしても一流なんだと思います。そうそう、今回も撮影をお願いしたドミニックさんの広大な庭と自宅は本当に素敵でした。 良いカメラはピントがきている写真は撮れますが、センスのある写真が撮れるかはどうかはシャッターを押す人のセンスなんです。それはちょっとした事なんですが、、。私自身、取材をする時は数千枚の写真を撮って使えるのは1/4くらいなんです。他はダメな写真が多いんです。皆さんもぜひ沢山の写真を撮って、良い写真を選ぶようにして下さい。                                 (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2016.01.28|

DESIGNER

民泊とバケーションレンタル

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.55 今年も、もう一ヶ月が過ぎようとしています。今年はリオのオリンピックの年、東京オリンピックへ向けての準備も加速し、建築やインテリア業界も忙しくなりそうです。その中、増加する海外旅行客で、大阪など大都市でのホテル不足が問題になっています。人気グループのスタジアムのコンサートがあれば、ホテルが取れずに宿泊できない多くのビジネス難民が出ています。当社でも昨年暮れの大阪の展示発表会でのスタッフの宿泊と嵐の京セラドームコンサートが4日間も重なってしまい、ホテルが取れずに本当に困りました。 ホテル不足解消の為、民泊が話題になっています。日本では2008年からエアビーアンドビーがサービスを開始して、少しずづ広がっています。しかし、各法律的な問題だけでなく、宿泊側のモラルなども問題になってきました。海外でもサービスがグローバルになってきて、外国からの宿泊が増える事で、その国のモラルを知らずにホテルより安いからと泊まる1部の人達に散々な使い方をされる時もあるそうです。知り合いのフランスの友人はパリのアパルトメントを中国の方に貸したら、近隣から騒音の苦情が来たので、その部屋に行くと親戚を合わせた大人数が集まり、部屋で結婚式をしていて式の時に食すニワトリが部屋を走り回っていたそうで、それから貸すことはやめたそうです。ホテルでもそうですが、部屋の備品の盗難など、いろいろな問題が出ています。貸す側だけを評価されるようになっているネット表記ですが、借り手にもマナーやモラル評価をしないといけない時代になってきています。 上のクラスでは、コンドミニアムや別荘の資産活用を目的としたバケーションレンタルが、欧米で広く行われています。撮影でお世話になっている、ロサンゼルスの友人YASUKOさんのパームスプリングの別荘のZEN HOUSEも、このバケーションレンタル会社からスカウトされ、その契約施設になっています。私も何回か訪れていてセミナーでも紹介していますが、1956年に建築家Donald Wexlerの自宅として建てられた有名な歴史的建築物で、スタイリッシュなデザイン性だけでなく、有名建築家の自邸に宿泊できるという事が魅力という事で、バケーションレンタル会社から特別にスカウトされたそうです。そのサイトを見ると2ベッドルームのコンパクトな家から7ベッドルーム、それ以上の邸宅まで様々なスタイルが掲載されています。▷パームスプリングのレンタルバケーションのサイトはこちらから。 バケーションレンタルに貸す為に、様々な契約や保険だけでなく、インテリアや備品にも条件があり、その書類だけでも数十枚あるとの事。本当に大変だそうです。建築家Donald Wexler自身が手放さなかった住宅は1956年のオリジナルの状態を守った住宅をYASUKOさんのセンスで、その時代の家具やアートでデコレーションされた住宅は素敵なのですが、セレブが宿泊できるように、キッチンの備品や調理機器、大画面テレビ、シーツ等リネン用品、タオル、プールサイドに置くバーベキューグリルやプールチェアまで指定があるそうです。改装とそれらを揃えるのに相当な出費が必要だったとか。全部屋に大型テレビを置く事は阻止されたそうですが、他はその通りにそろえたそうです。 レンタルは最低3日から、バケーションレンタル会社へのコミッションは25%、年間広告費用は$600と保険費用と会わせるとかなりの経費。レンタル後のクリーニング代もオーナー持ちでYASUKOさんの場合は1回で$150かかるそうです。経費がかかってあまり利益は望めないが、年間の固定資産税や庭やプールの管理費用だけでも出せればとの事です。 日本人からすると知らない人が使うのは嫌で心配になりますが、ハイエンドなクラスでは、メイドさんを頼んで家事をお願いしている事が普通なので、管理会社が管理をするから心配ないんでしょうね。お金を出して有名建築家のヴィンテージ住宅に宿泊できるなんて夢のような話です。アメリカ西海岸にはそういった夢の宿泊施設が多くあります。2005年に最初に撮影したフランク・ロイド・ライトJrが設計した住宅もデコレータの持ち物だったのですが、宿泊できるようになっていました。こういった住宅は1週間単位でした宿泊できませんが、興味ある方は長期滞在にいかがでしょうか。日本でも有名建築家の住宅に宿泊できる日がくるのでしょうか。 今年も様々な情報セミナーや講座等を企画中です。ミラノサローネ取材はまだ未定ですが、写真撮影講座など考えています。お楽しみに!                        (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.12.28|

DESIGNER

スーツとジャケット

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.53 2015年も終わろうとしています。皆さんの一年はいかがだったでしょうか?私自身は年々歳を重ねるにしたがって時が経つのが早くなり、あっと言う間の一年で、アメリカ西海岸でのカタログ撮影と30周年イベントを無事終える事ができました。 最近、封切りになった映画の007「スペクター」のダニエル・クレイグのファッションが話題になっています。ダニエル・クレイグは、今迄のジェームズボンドが180~190センチだったのに、178センチと小柄なボンド役なのですが、厚い胸にトムフォードファッションが似合って、特にスーツでのアクションが話題です。ジェームズボンドと言えば20年か前からローマに本店があるブリオーニのスーツを着ているのが有名でしたが、最近の3作はトムフォードになりました。昔からジェームズボンドのスーツは胸ポケットには四角いポケットチーフが入っていますが、こればTVフォールドと言って1960年代のTVのニュースキャスターが好んで使ったスタイルから呼ばれていますが、ジェームズボンドのスーツに使われる事からボンドスタイルとも言われています。今年の当社の新作展示でのスタッフの決まり事としてこのボンドスタイルのチーフが胸ポケットに入っていたのを気がつかれましたでしょうか? 先日まで新作のプロモーションで各地を歩いていましたが、そこで何人かのお客様に着ているスーツはどこで?オーダーですか?と聞かれました。昨年、私が着ていたスーツを覚えていらっしゃる方がいてびっくり、よほど印象的だったのでしょうか、、。スーツやジャケットはオーダーで作る事もありますが、多くは吊るし(既製品)です。でも、その既製品も必ずお直しをします。人の身体は左右対称ではありません。私も左右の手の長さが1センチくらい違います。その手に合わせて腕の長さを調整します。これはスーツ、ジャケットだけでなくコートでもです。スーツは手に合わせて決めたシャツに合わせて長さが決まりますし、そのジャケットに合わせてコートも肩幅や腕の長さが決まってきます。冬用のジャケットならインナーのセーターを薄手、厚手によって胴回りが変わってくるので、何をシャツとジャケットの間に着るのかで変わってくるので、少し複雑です。あまりにぴったりの物にしても動きずらくなり、着ているうちにインナーに引っ張られて形が崩れてくるので、ある適度動けるような余裕が必要で、余裕が有りすぎると首回りが開いたり、背中にシワが出てくるので、程よいサイズ感が大切なんです。それと体型の維持、、。これが難しい。 基本スーツやジャケットは椅子と同じで、後ろ姿が基本と思っているのですが、自分の後ろ姿を見る事は出来ないので、親しい店員さんを信じるしかありません。歯医者さんや散髪と同じで、自分の事を分かってくれている店員さんに出会える事がファッションでも大切です。当社も皆様の良き理解者になれているでしょうか?そんな営業になれるように当社スタッフも頑張ってくれていると信じています。当社の家具も脚の長さ、テーブルのサイズなどお直しが可能です。自分だけ、お客様に合う家具になるようにご指示下さい。 さて、2016年はどういう年になるのでしょうか。西海岸ファッションやインテリアがこの数年メインでしたが、そろそろ新しい風が吹いてくるように感じています。新しい情報をお届けできるように頑張ります!お楽しみに。                                          (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.12.01|

DESIGNER

家具の着こなし

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.52 11月11日から始まった30周年&2016年新作発表会が先週の大阪で終了し、1000名を越えるお客様に来ていただきました。30周年としては特別な事はせず少人数制の説明会を26回行い、目の前で創業時の話や新作のデザインコンセプト、製品説明を聞いていただき、その後、ゆっくりお座りいただきながら、スパークリングワインやコーヒーなどをお楽しみいただきました。家に招かれたようにリラックスした雰囲気での新作発表会だったと好評でした。お越しいただいた皆様、ありがとうございました。 説明の時にも少し触れたのですが、家具をデザインする時に考えている事です。服を選ぶ時にはデザインだけでなく、着心地も重要なポイント。それと一番大切なのは自分に似合っているかです。私は車選びは乗り心地だけでなく、自分に似合っているかを考えます。ショールームに鏡があればいいのですが、それは無理なので、試乗する時にショーウィンドウに映る車を見ています。それでしっくりきていると間違いない車になります。椅子やソファを選ぶ際にはデザインだけでなく、掛け心地、置かれる空間に合っているかを選ばれると思います。私は椅子やソファをデザインする時は、構造やデザインを考えながら、座り姿をイメージします。座り心地は工場で実際に作りながらつめていきますが、座り姿も座り心地と同じで、座り方や少しのモジュールで変わってきます。肘の置き方、足を組んだ時、立つとき、様々な条件の時を思いながら試作を進めていきます。一番は人が座って美しく見える椅子。30年前にデザインした細い鹿脚を持ったチェルボは脚から座が浮いて、座の存在感を無くしました。人が座ると脚先しか見えません。女性が座って美しく見える椅子です。 椅子やソファは空間にただ置かれる存在ではありません。人が使う空間には必ず人が存在します。人が座って見える姿も大切なポイントなんです。小さな人には埋もれるような大きなラウンジチェアは似合いません。逆に大きな人には小さなラウンジチェアは窮屈そうで似合いません。洋服と同じでバランスが大切なんです。でも、人の大きさに合わせて洋服のサイズはありますが、家具はサイズがありません。平均身長に合わせてモジュールを組んでいきます。私の身長は170センチなのですが、日本男性の平均身長くらいです。今は若い人では男女の平均は170センチに近いのでしょう。その自分が心地良いくらいがちょうど良いと思ってモジュールを決めていきます。大きすぎず小さすぎず、、。人が座って綺麗に見えるバランスが、座って一番快適なんです。皆さんもぜひ、座り心地と一緒に座る姿も感じて選んで下さい。自分にぴったりの家具は使い姿も綺麗なはずです。それと長く使える構造、デザインも大切です。20年後に置かれていても古くならない物を選んで下さい。 さて、新作も2016年の発売に向けて工場で準備中です。良い製品をお届けできるように、現場での準備もしなければ、、発表会を終えてから準備、これからがデザイナーとしても大切な仕事なんです。もう発注いただいているお客様もいらっしゃいます。工場での初出荷に向けてクオリティを高めないと、、。(クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.10.30|

DESIGNER

気がつけば30年

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.51 気がつけばエーディコアでデザインを始めて30年になります。ついこの間、上野の国立博物館で20周年の記念展示会を開催したと思っていたら時間の経過は早いものです。いまだに国立博物館の本館を借り切っての20周年の事はお客様から、凄かったと言われます。国宝を見ながら博物館内でのパーティや、スワロフスキーで特注した、当社のマーク入りのペンダントヘッドのお土産など、準備など本当に大変でしたが、良い思い出です。それからもう10年経ちました。 30年前にエーディコアを立ち上げる時のメンバーとして参加したのは、大学を卒業して1年を少し過ぎた1985年でした。マレーシアで樹液を取り命を終えたゴムの木の利用を考えていた会社のデザイナーとして参加しました。結局、ゴムの木は家具としてはモロく使えない木材だった為、天板などの集成材の使用だけにとどまりましたが、他の材料を使って家具のデザインと販売をする事になりました。その時に社のコンセプトとして掲げたのは21世紀まで作り続けられる家具。廃盤にしないデザイン、大量生産せずに、必要とされる方の為だけに国内で受注生産する事、JIS規格の繰返し試験の3倍の強度を持つ事など、社内の約束事に出発しました。世の中の製品の多くは数年経つと、デザインが古くなったり、性能面でも古くなり、廃盤になる事が多くあります。ずっと使い続けていただきたい、そうする事で、廃棄する物が少なくなれば、本当の意味の環境に配慮した事ではないかと考えたからです。 しかし、長く使えるデザイン、古くならないデザインをする事は経験の少ないデザイナーには難しい事で、本当に悩む日々が続きました。その頃から心にあったのは、どこにでもありそうで無いデザイン。一番最初にデザインしたのは、サーコロという四角いスツール。重ねられるシンプルなスツールで、和にも洋にも合う椅子として様々な場所で使われています。次にデザインしたのはCERVO/チェルボという座が脚から浮遊している椅子です。CERVO(イタリア語で鹿)のような脚は色を選べ、故障しても交換できるようにスチールパイプにビスで取付けられる構造で、座と背もステンレス製のバネになるLアングルで組まれました。図面を書く時に苦労したのは、スチールフレームの図面で、木部を組立てからの完成姿からの寸法を割り出すのに、計算機でsin,cos,tanの計算を一日中して割り出し、木部に入れる鬼目ナットにかかる強度も計算して、数日かかって作った計算表を見ながら図面を書きました。数学ってこうやって役に立つんだ、勉強を多少していて良かったと思いました。椅子の完成図ではなく、パーツ図から全て書き終えたのですが、それからが大変でした。 家具の工場といえば設備上から、木製の工場、スチール工場と分けられていて、その両方を組み合わせた家具製品はその頃存在していませんでした。経験が少ないから、そういった常識を知らずにデザインしたからこそ出来た椅子なんです。最初に木製の工場へ図面を持って行った時には、こんな雑貨のような椅子を作れるか!と工場の方から怒鳴られられました。今度はスチール工場にフレームをお願いしにいった時には、何度何分と細かな誤差も指定した図面に、こんな精度のパーツなんて作れるか!と怒鳴られました。若造が持ってきたわけ分からん図面だからと返されそうになりましたが、元来、強情な性格に育ったせいか何度も工場へ通い、やっと作っていただいたのがCERVOです。最初はJIS規格の強度試験が通らずに、何度も試験場を往復して角度の調整、溶接方法、木部の鬼目ナットなど変更してやっと製品化になりました。木工場の社長からはこんなのは売れないと言われての発売です、、。しかし、1986年頃から始まるカフェバーやプールバーのブームで、発表直後から電話の鳴りっぱなしで、数万脚発売するヒット製品になりました。デザインは構造からという事を本当に実感した仕事でした。 30周年は、今の時代に合うような、ナチュラルな展示会を各ショールーム内で開催する事になりました。新作のデザインのような優しい空気に触れていただければと思っています。先月、アメリカ西海岸で撮影した写真を使用した総合カタログも大改訂されます。会場でお渡しするトートバッグとお土産もデザインしました。ほっこりするような物ですので、お楽しみに!                               (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.09.28|

DESIGNER

2015夏アメリカ西海岸レポートのアンケート結果とトレンド

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.50 2015夏アメリカ西海岸レポート(Vol.10)は今年の8月に東京、名古屋、大阪と当社ショールームで計7回のセミナーを開催し、500名以上のお客様にご覧になっていただきました。今回はカタログ撮影を行う家のロケハンのレポートの為、いつものレポートと違いリアリティを重視した住宅が多く、驚きは少なかったのですが、それが良かったと多くのお客様から声をいただきました。今回もセミナー後に参加の皆様にどの住宅が良かったのかアンケートしました。いつものアンケート違い、撮影に使用する家が中に2軒入っているので、その結果の上位に入っているか気になる所でした。それでは結果発表です。 1位:Brier Drive house /シャヴィーシックな女性カメラマンの住宅 1952年建築 ウエストハリウッドの山の上に建つ1952年の住宅です。オーナーは女性カメラマンのエニーさん。2006年にこの家を購入し、友人のデコレーターのレイチェルさんとシャヴィーシックな住宅に改装しました。自分たち自身で漆喰を叩いて剥がしたインテリアや、増築された棟には中古建材を使用するなど、材料にもこだわたそうです。今の西海岸で旬なシャヴィーシックが見れる家でした。 2位:Blue Jay Way house /最新クールモダン住宅 2013年建築 こちらもウエストハリウッドに建つ住宅ですが、2013年建築に建てられた最新モダン住宅です。オーナーは歯医者さんで奥様は韓国系の方でした。中は真っ白い家具が並び、歯医者さんらしい?清潔感のあるインテリアです。見晴らしが素晴らしくハリウッドが見渡せるプールと寝室が印象的でした。若いお金持ちに好まれるクールモダンなインテリアでした。 3位:Danalda Drive house /新しいアメリカン住宅 2013年建築 ビバリーウッドにある比較的新しい住宅街で、2013年に建てられたアメリカン住宅です。ハリウッド映画の新興住宅街と家をイメージするような新しい住宅で、アメリカ人に一番なじみのある住宅です。オーナーは小学生2人の子供を持つ若いご夫婦で、清潔感のあるインテリアで、白染色オーク材のフローリングが明るいインテリアを作っていました。 レポートでも話をしたのですが、今回訪れた新しい住宅では、主寝室のバスルームは、バスタブは1つですが、両側に洗面台とシャワーブースが分かれていているのが、トレンドでした。忙しい夫婦らしい合理的な考えからなんでしょうね。でも、ベッドはキングサイズベッドが一つです。今迄見た住宅は100軒以上ですが、夫婦の寝室が分かれていたり、ツインベッドの部屋は一つもありません。国民性の違いかもしれませんが、同じベッドに寝ないのに一緒に住んでいる事はありえないという事もあるそうです。 ロサンゼルスでの撮影は3週間前に終えました。カタログ撮影に使用した住宅は僅差ではありましたが、上記の中には入っていませんでした。撮影した写真を見ながら画像調整を進めていますが、なかなかの写真が出来上がっています。実際の住宅に当社の製品がどう入って変わっているか、カタログの完成を楽しみにしていて下さい。                                                (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.08.28|

DESIGNER

写真撮影のコツ

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.49 先週、アメリカ西海岸インテリアレポートを開催しました。募集開始からすぐ満席になり席をギリギリまで増席し対応させていただきましたが、暑い中、窮屈な席でも熱心にお聞きいただき、ありがとうございました。500名を超えるお客様にお越しただき、西海岸への感心の高さを再認識しました。 今回も会場でアンケートをお願いしたのですが、写真講座希望にチェックを入れていた方が多く、また、セミナーで使用した数百枚の写真が、私の撮影と思っていない方も多くいらっしゃいました。14回開催のミラノレポートや今回で10回目になる西海岸レポートの写真は全て私自身の撮影で、今回も2千枚を超える中から選び編集をした写真ばかりです。どうやってインテリア写真を撮るのかよく聞かれます。今回のメルマガでは少し撮影のコツをお話しましょう。 建築やインテリアの写真で大切なのは水平垂直が出ている事です。それが曲がっていると歪んで見えてて不安定な写真になってしまいます。プロが使うあおり付きのカメラだと水平垂直が出ますが、三脚を立てての撮影なんで普通では無理です。そうなると、できるだけ撮る時に水平素直に注意して撮るしかありません。画像ソフトのフォトショップを使って修正はできますが、あまりにパースがついた写真を修正するとおかしな写真になってしまいます。よほど良いカメラを使っていると思われていますが、皆さんとあまり変わらないカメラです。iPhoneでもインテリア写真は綺麗に撮れます。 当社のスタッフもそうですが、ほとんどの人の撮っている姿を見ると、撮りたい被写体にカメラを向けて下を向いて撮影しています。たとえば、家具を撮ろうとして家具が画像の真ん中になるように撮るのでカメラが下を向いて、画像がパースがついてしまっています。その家具が置かれた空間全体を撮ればパースが付かないバランスのよい写真になるのですが、、。空間を撮る時には天井、壁、窓など水平垂直になっている所がありますので、それを基準にしてカメラが下をあまり向かないように撮るのがコツです。人は気になる方向に神経が向いてしまいます。それを我慢して置かれた空間全体を見て撮影するようにしたら、そんなに歪んだ写真にはなりません。カメラにはグリット(画面に水平垂直線が出る)機能があります。これはiPhoneにも付いていますので、それを使用すると便利です。また、iPhoneにはHDR機能が付いていて連射して露出の違う画像を自動的に露出の違う写真を合成して補正してくれます。インテリア写真の敵、窓の光へ向いて暗くなる逆光の時にも自動補正して綺麗に撮れます。新しいカメラにはその機能が付いていますので、利用するのも良いかと思います。 それと写真を撮る時に大切なのは順番です。沢山撮り過ぎてどこか分からなくなる事がありませんか?ロケハンや取材で訪問した家での撮影では外観、入口、リビング、ダイニング、キッチン、庭、ベッドルームと家に招かれたように順番に撮影をする事です。どんどん行きたくなる気持ちを押さえて順番に撮っていきましょう。空間の全体写真、そのコーナー写真、そのコーナーにある小物写真と順番に撮って行きましょう。そうするとフォルダに入れてから整理も楽だし、どこの写真が分からなくなる事もありません。物語を作るように写真を撮っていけば、人に順番に見せても分かり易い写真になります。 最後になりますが、写真の本当に大切なのはピントです。ピントがずれた写真はどうしようもありません。ピントだけでも出ていれば、PCソフトを使って修正できます。早撮りしないといけない時は画像よりもピントに気をつけて脇をしめて、手ぶれに気をつけてシャッターを押しましょう。そうそう、手ぶれする原因はシャッターを強く押しすぎる事です。そっと優しくシャッターを押してシャッターが切れるまでジッとしましょう。 9月1日からロサンゼルスへカタログ撮影に行ってきます。撮影はフランス人カメラマンのドミニック氏にお願いしています。今回もどんな写真が撮れるのか楽しみ。新しいカタログは11月に完成予定です。お楽しみに! (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.07.30|

DESIGNER

ロスのインテリアショップ

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.48 毎日うだるような暑さが続いています。酷暑になるとロサンゼルスの爽やかな空気が恋しくなります。昼間の気温は高いのですが、乾いた空気と海の寒流のおかげで爽やかな風で日陰は涼しく過ごし易い気候です。お盆休み明けに始まる西海岸セミナー用の画像を整理しながら、ロスを思い出していました。その時に撮った家具ショップの写真を見ながら、今のインテリアの流行を少し紹介したいと思います。 ロサンゼルスの家具ショップはウエストハリウッドのファッションブランドの多くが集まるロバートソンに近いメルローズ辺りにあり、家具だけでなく照明やラグや内装材の専門ショールームも多くあります。大きなプロ用インテリアショールームも多くあり、通称デコレーター通りとも呼ばれています。ロスの路面店の終わりは早く6時には閉まってしまいます。昼は忙しく車で走っているので、夜にウィンドウショッピングしかできませんが、ライトアップされた店先はプロが見ても参考になるようなデコレーションで、今のインテリアシーンの提案を見る事ができます。 このエリアのショップは家具だけでなく、アートと家具、デコレーションや照明を組み合わせたスタイル展示をしていて、店ごとに様々なスタイルを見せています。クラッシックスタイルも様々な様式に分けられ、1920年台のアールデコ、50年代のヴィンテージスタイル、1970年代のモダンクラッシック、今のモダンスタイルと、その時代のアートと家具など全てが時代を合わせてセットされています。本当にここまで様々なインテリアスタイルが必要なのかと最初思ったのですが、沢山の住宅を見て歩くうちに、住宅やオーナーのライフルタイルに合わせた様々なインテリアがあり、そのニーズに合わせるように沢山のスタイルの店がある事を理解できました。このエリアで目に付くのがアーティストが作ったアート的な家具です。ヴィンテージのイームズやプルーベの椅子が法外な価格で取引されて永いのですが、それ以上にアーティストが作った1点物のアート家具に数千ドル以上の物によっては数万ドルのびっくりするような価値が付けて売られています。それを上手く組み合わせて個性のあるインテリアを創っています。 ヴィンテージ家具で有名なのが、ヴィンテージのエルメスバーキンで有名なセレクトショップのマックスフィールドギャラリー。フランク・ロイド・ライトの建築に使われていた作り付けのベンチや、有名な建物に付随していた外部照明や部材までも置かれて売られています。今回はタラップのような階段まで展示していました。ヴィンテージ家具がメインでしたが、今では1980年代の家具も展示され高価な値段が付いています。昔、倉又史郎氏設計のお店で使われていた薔薇入りのアクリル家具が解体トラックにゴミとして積み上げられていた事を思い出してしまいました。今、ロスに持ってきて売ればいくらになるのか、、。1970年代の有名建築家が建てた家の部材や家具も高値で取引されていますので、ゴミにする前に価値を確かめないといけません。何にでも価値を付けて商売にするのが、アメリカの商法ですが、物に価値を与えるという事は大切に使い続けるという事にもつながります。本当の意味のエコロジーとは違うかもしれませんが、アート作品と同じで価値があるから大切にさせるのかもしれません。 お盆開けにはロサンゼルスのインテリアシーンの住宅レポートが始まります。今の旬なインテリシーンをお見せできるように編集中です。お楽しみに!                (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.07.07|

DESIGNER

2015新春アメリカ西海岸レポートのアンケート結果!

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.47 2015アメリカ西海岸レポート(Vol.9)は今年の1月の東京から4月の沖縄まで全国8カ所でセミナーを開催しました。昨年の10月に取材した9軒の住宅、アパートメント、ホテルなどテイストの違うインテリアスタイルを紹介したレポートは、500名近いお客様にご覧になっていただき、セミナー後に参加の皆様にどの住宅が良かったのかアンケートしました。プロの皆さんがどのスタイル、どの建築が良かったのか聞けるのは興味深く、私自身楽しみなアンケートです。次の2015Summerアメリカ西海岸レポート(Vol.10)がお盆休み明けに始まりますので、その前に結果を発表いたします。 1位:Beverly hills house /イーストコーストスタイルのアメリカンハウス 1936年建築 ビバリーヒルズに建つ1936年の住宅です。フェデラルスタイル(東海岸スタイル)の住宅で、弁護士の女性と女のお子さんの二人でお住まいで、オバマ大統領もロスに来る時にはよく訪問する家です。2007年にこの家を購入し、友人のデコレーター、マーティン・ローレンス・ブラードの手によってリノベーションされました。アメリカの中流階級以上には人気のフェデラルスタイルで、ジョージアンスタイルを取入れたインテリアになっています。大人のインテリアの住宅でした。 2位:Industrial Loft /ナビスコ工場のロフトハウス 1925年建築 今、話題のダウンタウン近くのアート地区に建つアパートで、1925年建築のナショナルビスケットカンパニー(ナビスコ)の元工場だったビルをアパートメントに改装したビルです。フォトグラファーのご主人とDJの奥様の2人でお住まいで、工場内の最上階の2フロアを改装しました。窓のあるレンガの壁やビスケットを焼くオーブンがある為に熱に強い銅製の窓枠をそのまま使い、NYのソホーをイメージし、シャヴィーな雰囲気を残したインテリアでした。今、アメリカの若者が憧れる住宅です。 3位:Venice house /建築家の環境住宅 1995年〜今も建築 海に近いベニスに建つ建築家の環境住宅。環境住宅の建築で有名な建築家デイビット・ハーツの住宅で、様々な環境に配慮した装置や新しい機器を実験しながら家族と住まう住宅です。1995年から建築が始まり今も改装が続いています。中庭のプールが南洋の雰囲気を出していて、そのプールに面した部屋がパーティスペースになっていて、住宅を作るために機器を提供した企業にその機器の発表の場として貸出すというアイデアで、いつも最新式の機器を使う住宅として進化しています。 2007年に始まったアメリカ西海岸レポートも次回で10回目のVol.10になります。そんなになるかと自分でも驚きますが、毎回違った新しいインテリアスタイルをお見せして、紹介した建築も90カ所を超えます。8月のアメリカ西海岸レポート(Vol.10)でも8カ所をレポートいたします。今回のインテリアも良い写真が沢山あります。お楽しみに!                                 (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.06.30|

DESIGNER

今のカリフォルニアスタイル

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.46 先日、ロサンゼルスへ行ってきました。9月に撮影に使用する住宅を探すロケハンなのですが、今回もいろいろな住宅を見る事ができました。今回のロサンゼルスはずっと曇りで小雨もパラつきいつものカラッとした天気と違い、日本の梅雨のようでした、、。いつもは青い空と乾いた空気の中で住宅が見れるのですが、曇天の中でのロケハンは、光の回り方やカリフォルニア建築らしさを感じるには難しいロケハンでした。一日も晴れの無いロサンゼルスを走りながら感じた事をお話します。 数年前までは景気の後退から、住んでいた家をそのままに売りに出ている住宅が多かったのですが、アメリカ経済が好転して、ウエストハリウッドからビバリーヒルズの高級住宅街は、建築中の住宅が多く見られました。そこで目立ったのが、古い住宅をリノベーションするのではなく、更地にしての新築住宅です。そのオーナーの多くはIT関係等で財を得た若い人や海外からの移住者だそうです。そういった人たちはヴィンテージ等のイメージではなく、白いクールモダンなデザインを好むらしく、外観もシャープで夜も照明がビカビカで、外観からしてあまり趣味の良い感じではなく、成金趣味的なデザインが多く見られました。 ロケハンに初めて訪れた12年前は、新しいモダンな住宅に圧倒されたのですが、100軒以上様々な住宅を見てきた今は、古い住宅をリノベーションして、ふたたび価値を与えられた家は心地よく、今のカリフォルニアスタイルのインテリアに通じる心地良く感じます。今回のロケハンでも訪問した住宅の中にも新築モダン住宅がありましたが、温かみが少なく、ぱっと見た目は「おーっ」となるのですが、住むとなるとどうなんだろうと思ってしまいました。大人の住まいというよりは、趣味の良い成金のような、。程よいヴィンテージ感のある住宅のほうが、余裕ある生活が感じられて、心地よく感じられるのですが、、。様々な住宅を見てきましたが、住宅は住まわれている方のイメージが反映されます。インテリアは知性の表現と西洋では言われるのですが、小物一つやアート一つで印象がまったく変わります。 今の流行のダウンタウンエリアにある話題のエースホテルにも行きました。場所も治安の良くなく、綺麗な場所ではありません。ロビー回りやスタッフがあまりにラフすぎて、なんだか大人のホテルとは違うように思います。日本の雑誌に多く取り上げられて今の西海岸を代表するホテルと紹介されていますが、、。その近くにある、以前取材に行ったブルックスブラザーズのビルを改装したロフトの一階にある、カフェレストランのボッテガ・ルイ/Bottega Louieに行きましたが、綺麗なインテリアとスマートなサービスは大人のカフェという感じで朝から活気があり、清潔感のあるスタッフの服装と接客は心地良く感じました。メルローズにある話題の人気レストランのCecconi'sでも同じように清潔感あるインテリアとスタッフが心に残りました。 今、日本では西海岸スタイル、カリフォリニアスタイルを十把一絡げとして、雑な仕上げがナチュラルとして取り上げられていて、インテリアも手作り感満載なラフなインテリアがカリフォルニアスタイルとして紹介されています。ファッションも清潔感があるように思えません。先のブログにも書きましたが、ジーンズでも清潔感のあるシャツ。髭があっても手入れされていて、髪の毛は刈り上げられて清潔感があるのが、今の西海岸ファッションです。ファッションの世界ではエフォートレススタイル(大人カジュアルスタイル)が主流になっています。インテリアの世界でもエフォートレスな大人のインテリア、大人の西海岸スタイルが望まれているように感じました。 今回のロケハンした住宅の中から2軒ロケをする予定です。カタログの完成は11月の予定です。まだ先の話ですが、お楽しみに!                              (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.05.29|

DESIGNER

長持ちする物とは

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.46 最近ますますアメリカンファッションが席巻し、イタリアブランドの靴メーカーでもコンバースのワンスターなどを真似たスニーカーを出すようになりました。アメリカブランドだけでなく、ヨーロッパブランドも70年代のアメリカファッションがお手本のようです。その頃アメリカで流行ったアディダス・スタンスミスもまた流行っていて、まっさらなスタンスミスを履いている人を見るようになりました。 高校生の時、38年前のスタンスミスはハイレットという名前で、白に後ろのグリーンが綺麗で、アメリカにスケボー留学していた時に買いました。さすがに真っ白いスニーカーを買って履く勇気は無いので、15年くらい眠っているスタンスミスを出して履く事にしました。いい感じによれていて久しぶりのスタンスミスもいいかもと一日履いていました。家に帰って脱いだスニーカーを見てびっくり、後ろのグリーンのマークが無くなっていました。人工皮革のグリーンのマークがジーンズに摩れて取れてしまっていました。何年か前にイタリアの有名ブランドのト○ズのウレタンソールの革スニーカーを買って、2年くらいでウレタンのソールが加水分解してボロボロになっていてびっくりしたのですが、それを思い出しました。加水分解とは反応物と水分が反応して生成物に分解する事で、特にスニーカーの底に使われるウレタンゴムに多く見られます。履かずに大切に取っておいたスニーカーがもしあれば、お気をつけ下さい。 家具の世界では椅子やソファの張りに使われるビニールレザーと呼ばれる塩化ビニルや、合成皮革のポリウレタンも耐性期間に差はありますが、ビニールレザーはカチカチになり割れて、ポリウレタンはボロボロやベトベトになるものがあります。ビニールレザーや人口皮革は強いと思われている方は多いのですが、置く場所によってもかなり変わります。昔仕事をした、温泉施設の日光の当たる場所にあるソファが半年でボロボロになった事があり、汗などの水分と日光が当たる場所にはビニールレザーは使ってはいけないんだと実感しました。国産レザーメーカーではそのような事が少ない素材も出されていますので、指定や購入される際は素材をよく吟味して下さい。人口皮革やビニールレザーは汚れに無敵と思われている方が多いのですが、新しいジーンズの色の移行があったりもするのでお気をつけ下さい。革製品は高いですが、大切に使うと本当に永く持ちます。私自身持っている革靴は20年以上履いていますが、まだまだ働いてくれそうです。 表皮だけでなく、ソファ等の見えない場所に使われる素材も大切です。クッション材に使われるウレタンフォームも粗悪品だと劣化が早く、ボロボロになりますが、その下にあるスプリング素材が問題です。かなり前に流行ったウェビングテープというゴム素材のテープが使われるソファが流行ったのですが、ボロボロと劣化して伸びてしまい、座が下がり問題になりました。今はその対策をして長持ちする弾性ベルトが出ていますが、そのイメージが強いので使いたくありません。ゴム素材は長持ちしても10年程度ではないでしょうか。進んだ技術を持つ車のタイヤもそんなに持つタイヤはありませんよね。前々回のメルマガでも書きましたが、53年前の愛車の車のシートの中に使われているコイルスプリングはまだしっかりとしていました。やっぱり鋼線のスプリングは強いんです!家具は大切に使えばずっと使えます。中が見えないソファでも触って、メーカーの方に聞いて中の素材を知って選んで下さい。 来月早々にアメリカ西海岸へロケハンに行きます。今年も西海岸でカタログ撮影を行う予定です。街では何が流行っているのでしょうか。帰ってお伝えできればと思います。    (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.04.27|

DESIGNER

時代を超える物、残る物

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.45 1月に始まったアメリカ西海岸インテリアレポートが先週、沖縄で終了しました。今回で9回目になるレポートでは、前回までとは少しスタイルが違い、1930年代のフェデラルスタイル(東海岸様式)やアールデコビルも紹介しました。来場された方からは今回はイア新鮮で良かったと、沢山の感想をいただきました。LAの住宅はケーススタディハウスに代表するようなシンプルモダンな建築が多い印象ですが、アメリカ人の多くが好むクラッシックスタイルがメインを占めます。今回はその一部をお見せできたのではないでしょうか。 スタイルは違っても今回も紹介した建築の多くは、リノベーションされた建築でした。1925年のナビスコの工場だったビルや、ダウンタウンに建つ1930年のイースタンコロンビアビルをリノベーションの写真を見ながら、ホテルオークラの建て替えを惜しむ声が世界中から届いているニュースを複雑な気持ちで思い出しました。ホテルオークラ東京の立て替えが発表されて、スティーブン・ホールなど建築家だけでなく、トーマス・マイヤーやポール・スミス、トム・ブラウンなど著名デザイナーからも反対の声が上がっています。ホテル側では東京オリンピックに向けて、様々な事情があっての建て替えだと思いますが、世界から惜しまれる建築とインテリアが姿を消すのは残念でしかたありません。私も会員の国際文化会館は、1955年に建てられた前川國男、板倉準三、吉村順三の共同設計の建築を保存改修をされて日本モダニズムを代表する姿を存続、保存されて活用されています。そのような道が無かったのか、、。 今回のレポートで紹介したアート地区に1925年に建てられたナビスコの工場は、90年経た外観はそのままですが、中の共有部のリノベーションも最小限で、ビスケット工場だった銅製の窓枠やエレベーターもそのままで、訪問した部屋も柱が工場だった時のままを残して雰囲気作りをしていました。一方ダウンタウンに建つ1930年のアールデコのランドマーク的なイースタンコロンビアビルは百貨店として建てられましたが、荘厳なエントランスだけでなく、本体もそのままに共有部のプールを増設し、143戸の価値あるアパートメントとして生まれ変わりました。どちらも昔は危険なエリアでしたが、近隣の価値を上げ、若者が集まる人気のエリアになっています。ビルだけでなく住宅も1930年のフェデラルスタイルの家や1963年にジョン・ラトナーが手がけた住宅も50年以上経て未だに大切に使われています。 横浜の古い雰囲気のあるビルも次々に取り壊されて、リノベーションと称してファザードだけを残してほとんどを壊す手法を沢山見てきました。数軒あった村野藤吾の住宅も全て取り壊されてマンションになってしまいました。建主や持ち主ではないので、何も言えませんが、今は違う価値を見いだすリノベーションも道の一つとしてあるように思います。アメリカでは、イームズ等の家具に価値をつけて商売にするだけでなく、古い建築にも価値を見いだす手法のビジネスは環境に配慮した、新しいビジネスのように思います。ファッションだけでなく、建築やインテリアのアメリカのビジネススタイルを考えてみるのもいいのではないでしょうか。きっと素敵な建築やインテリアができると思います。 そろそろ秋の新作発表会に向けてデザイン作業も佳境です。永く使われるような物を創らなければいけません。強度も永く使えるデザインも大切です。建築、インテリアと一緒に時代を超える家具も、、。                                  (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.03.27|

DESIGNER

見えないけど大切

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.44 先日、ソファ工場へ行ってきました。打合せが終わり、製品チェックの為に製造ラインを歩いたのですが、まだ張り上がっていないソファのフレームを見ながら、ソファは中の構造が見えないけど、座り心地や耐久性に関わる大切な所という事を改めて感じました。その後、ガレージで久しぶりに愛車のメンテナンスをしました。30年前に購入してずっと使い続けていた座席が、へたって掛け心地が悪くなってきたので、中身をリフレッシュしました。その時に中のウレタンやフェルトなど必要なパーツをソファ工場の職人さんに送ってもらい作業をしたのですが、購入してずっと座ってきたのに中についてはまったく知らず、張りを剥がした初めて見るシートの構造に感心しながら、ソファ工場での事を思い出しました。 家具と車の構造の違いはフレームです。フレームは家具は木材が使われていますが、車はスチールが使われています。強度も必要ですが、燃えないような構造でないといけません。家具はそのフレームにタッカーというホッチキスのような針で打ち付けて止めていきますが、スチールフレームにはタッカーが使えません。その為に金具に引っ掛けたり、針金で止めたりをして張り上げます。中身のクッションに使われるバネや、ウレタンはあまり差はありませんが、張り方法が違うので最初は戸惑いました。張りを剥がして見ると、中が全てバネ構造になっていて、かなり凝った作りをしています。53年前の道路事情に合わせたのでしょうか、振動が身体に伝わらないようにバネの上に身体が乗るようになっています。私と同い年の1962年生まれの53年間そのままの構造が現れた時には感動しました。53年前のドイツ車のシートは凄いなと。学生時代に中古の軽自動車、1972年製のスズキ・フロンテクーペを乗っていましたが、シートはへたって表皮のビニールレザーもボロボロでした、、。その頃の技術力の差だったんでしょうね。 30年前にアメリカ西海岸でレストアされて日本に来たので、下張りの麻布はボロボロでウレタンも少しへたっていましたが、まだ学生時代の車よりましです。表皮はまだ大丈夫だったので、今回は中身のみ張り直しました。ソファではフラットで自由に身体を動かせようにしなければいけませんが、車のシートは前後、左右に加重がかかり、身体をホールドする必要があります。その為に左右に盛り上がりを付けながら形を作っていきます。結局2席のシートの中身を張り替えるのに8時間以上かかってしまいました。おかげで、1962年製の身体は筋肉痛になってしまいましたが、カルマンギアのシートは新品のような描け心地になりました。 椅子も構造は表から見えますが、座や背の中身は見えません。ソファについては張り上がった固まりなので、構造がまったく見えません。また、中身を見る機会も普通はありません。でも、その中がとても大切なんです。耐久性や掛け心地に影響するのが構造です。デザインする時に、椅子はフレームの構造を描くので製作工場へ意思が伝え易いのですが、ソファは中の構造まで細かく描けません。工場での職人さんとの試行錯誤がとても大切なんです。皆さんもソファを選ばれる時にデザインだけだなく、中の構造も気にして見て下さい。中に何を使ってどのような構造かきちんと話せる、ショップか営業から購入されて下さい。 今年はミラノサローネには行きません。昨年からキッチン展のある年の隔年に行く事にしました。その代わりにアメリカ西海岸へロケハン取材に行きますので、夏頃取材レポートをしたいと思います。その前にソファ等見えない所をお見せする家具セミナーをするかもしれません。お楽しみに!          (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.03.23|

DESIGNER

カリフォルニアスタイルの中の日本製

AD CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.43 4月に代官山にロサンゼルスの老舗高級セレクトショップのフレッドシーガルがオープンします。ロスではデヴィット・ベッカムが夫婦でプライベートジェットで買いに来る事で有名になりました。店には何度か行きましたが、高くてセールでしか買えませんでした。日本で先に展開しているロン・ハーマンはそのメルローズ本店の中にあり、元はフレッド・シーガルの一部でした。ブランドの関係性は複雑でよく分かりませんが、ロスではメルローズのフレッドシーガルの事はみんな知っていますが、ロン・ハーマンの事はあまり知られていません。いつのまにか日本ではロン・ハーマンが有名になってしまいました。それにしても西海岸を初めアメリカファッションの勢いは止まらないようです。 清澄白河と青山にアメリカ西海岸コーヒーのブルーボトルコーヒーがオープンしました。清大人気でオープンには3時間並んだニュースが流れていました。日本人の新し物好きにも驚きます。ブルーボトルコーヒーには昨年10月にロサンゼルスのアート地区にある店に行きました。その時の印象を以前のブログには書きましたが、お店のスタッフの清潔感と爽やかな接客が印象的ででした。今回はその店の事をもう少し書きたいと思います。 元はハンサムコーヒーという人気の店だったのですが、今はブルーボトルコーヒーになりました。シンプルな店で、店の三分の一くらいを焙煎の部屋になっています。でも、焙煎をしているのに焙煎の香りが店の中や外には漂っていません。カウンターは家庭用のペーパードリップでコーヒーを一杯ずつ入れるので、スタバやアースコーヒーのようなマシンが無く、シンプルです。きちっと髪を整えて髭を剃った店員が笑顔で接客してコーヒーを入れてくれます。店の中はホワイトオーク材のカウンターテーブルで、他のコーヒーショップのように背のある椅子やラウンジチェアがありません。スツールがあるだけなので、ゆっくりリラックスして休むというよりコーヒーを飲むだけの感じです。それでこの金額は高いかなと思ってしまいました。やっぱりコーヒーは多少座り心地の良い椅子があって、リラックスして飲めればもっと美味しく飲めるのですが、、。 店の中で豆も販売しているのですが、一緒にドリップ用の器です。中でも日本語表記の物が、、。日本のカリタの物を置いています。アメリカのコーヒーになぜ日本製の?。ペーパードリップはメリタ式とカリタ式があり、1908年に考案されたドイツのメリタ・ベンツが発明した1つ穴のメリタ式が始まりですが、1959年に日本の会社のカリタが真似をして、穴3つのカリタ式のドリッパーを作りました。その日本製カリタ式がブルーボトルコーヒーに置かれているなんて、なんだか不思議な感じです。日本のブルーボトルコーヒーの店にはカリタのドリッパーは置かれていませんが、ロスには販売しています。日本から遠いロスでカリタのドリップを見て、それが日本に出店したアメリカ西海岸の話題のブルーボトルコーヒーに置かれているなんて、少し嬉しく思いました。               (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)

2015.02.26|

DESIGNER

上質と高級

D CORE DEVISE DESIGNER BLOG Vol.42 先日、上質について話をする機会がありました。品質の事だけでなく、全体的なイメージとなるとなかなか難しいテーマです。改めて上質について考えてみました。 上質とは直訳でHigh qualityの事ですが、欧米ではClassicと言われる事が普通です。日本ではクラシックと聞くと古く古典的なと思われていますが、、。クラッシック音楽とは古典音楽ではなく、最高水準で高尚な音楽と言う意味で、クラシックカーは古い車でなく、流麗な上質な車、ファッションでは、はやりすたりの無いスタイルという意味です。クラシック建築とは近代以前の建築という意味でなく、古代ギリシャ、ラテンの芸術様式にならった建築の事を指します。男性靴で先の尖って反り返った靴をイタリアンクラシコなどと称して販売していますが、まったくのでたらめで、イタリアンクラシコは職人が作ったオーソドックスで上質な靴の事です。 一方Luxuryという言葉があります。ラグジュアリーとは高級や贅沢品に使われます。最近はラグジュアリーと言うとなんとなくカッコ悪く感じます。昭和の時代、高級品があまり無い時代、店の看板に高級紳士服、高級下着、高級家具など書かれていた事を思い出してしまいます。本当の高級で自信のあるブランドは高級、ラグジュアリーなんて使いません。高級かはそれを買われる方や回りが決める事で、自分で言ってはダメです。海外でもラグジュアリーブランドと自分で言っている会社を見るとちょっと田舎っぽく感じてしまいます。 当社では2003年から新しい上質さをテーマにした「ネオ・クラシコ」ブランドを展開しています。ヨーロッパの伝統的な様式を今のインテリアに合うようにリ・デザインしたのがネオ・クラシコです。アメリカ西海岸で撮影を行い、ロケハンなどで住宅を見る事が多くなってきて、アメリカンと言われるジョージアンスタイルのインテリアや家具が中流層以上の多くの人々に指示されている事が分かりました。アメリカでジョージアンスタイルの代表的な建築とインテリアはホワイトハウス。 昨年10月にビバリーヒルズでフェデラルスタイルという東海岸スタイルの家を取材しました。有名デコレーターのマーティン·ローレンス・ブラードが手がけた住宅で、1930年代に建てられた家をクラッシックの基本と作法に基づいてモダンテイストも加えながらリノベーションしていました。クラッシックの基本は左右対称のレイアウトで、デコレーションされた小物は左右対称になるように必ず2つが置かれ、アーンと呼ばれる水瓶も置かれます。それを見てモダンテイストを加えながらもきちんと作法を守ったインテリアを作っているのに関心しました。 私自身、学生時代から家具本体の構造やデザインを勉強してきたので、上質なインテリアには作法があり、使われる家具にも作法や意味がある事を知り、使われるインテリアの歴史や作法から勉強しないといけないと反省した事を思い出しました。テーブルサイズも合板のサイズから作られたW1800×D900の奥行き900が日本の常識でしたが、フォーマルなインテリアではテーブル作法によってD1000以上無ければ使えない、テーブルのゲストが座るサイドに置かれるからサイドチェアと呼ばれるなど、様々な決まりがあり、それがクラッシック、上質なインテリアです。高級とは別物という事を理解しながら物作りをしなければいけません。 昨年末、アメリカンクラッシックのネオ・クラシコ・ヘリテージシリーズを発表しました。シャヴィーでヴィンテージなテイストは新しい上質さを感じていただけましたでしょうか?今年はそれがどのように進化するか、今年はどんなデザインをするか、、少し悩み中です。そろそろ企画をまとめなければいけません。                                 (クリエイティブ・ディレクター/瀬戸 昇)