COLUMN

2022.11.24 DESIGN

より持続可能な製品作りへ

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.127
東京から始まった2023年モデルコンセプト説明会が先週末の名古屋にて終えることができました。新型コロナウィルスの感染がはじまって3年が経過しようとしていますが、今年からWEBを活用した展示会からリアルなコンセプト説明会のみにしました。たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。2023モデルのデザインコンセプトも好評でしたが、製品に環境性能を持たせた事に皆さんから注目が集まりました。

今年の新製品は、エーモードブランドからMD-1301チェアと1302テーブル、エーディコアブランドから2002年に製品化したMASSAシリーズと2003年モデルのソファベッド SOGNO をリニューアルしました。2023モデルは環境へ配慮した持続可能な製品作りを目指し、構造材やクッション素材の検討を重ねました。ソファ工場のある大分県の日田市は江戸時代から天領で檜や杉の生産地でした。その日田市に国産合板工場があり、森林を守る為の日田杉間伐材を利用した合板を生産していたことが今回の新製品に使用するきっかけになりました。これまではソファの構造材に南洋素材の9ミリラワン合板を使用していましたが、今年のソファシリーズには構造体に森林保全や二酸化炭素の固定に貢献する12ミリの国産杉合板を80%以上使用しました。ネジやボルトを効かせる強度が必要な箇所にのみ硬木を用いています。

チェアとソファのクッション材に使用するウレタンフォームには、工場製造時に発生する端材をリサイクルしたリボンテッドフォーム(チップフォーム)を使用しました。リボンテッドフォームはヘタリの少ないクッション材ですが、従来の製品ではベース部分のみの20%程度の使用率でした。2023モデルのソファでは、リボンテッドフォームを硬さの異なる種類を組み合わせることで80%以上使用しています。クッション材以外にもポケットコイル上部の保護材に、衣料品の端切れや残反をリサイクルしたフェルトを敷き快適性を犠牲にしない耐久性を持たせることが出来ました。また、椅子やソファの「規格ファブリック」の見直しを行い、環境や働く人にも配慮して生産されている繊維製品 Oeko-Tex Standard100「エコテックス®スタンダード100」を11アイテム採用しました。今後も環境に配慮したファブリック製品の規格採用を進めていく予定です。

エーディコア・ディバイズでは1985年創業当時から、永くお使いいただける製品を目指し「一度製品化した製品を廃番にしない」、無駄な物を作らない「受注生産のオーダーシステム」の取り組みで自然環境に配慮する製品作りに取り組んできました。2023年モデルでは、さらに環境に配慮した物作りの取り組みを進めた第一弾の製品になります。各ショールームに2023年モデルを展示していますのでぜひご覧になってください。エーディコア・ディバイズでは人と地球に優しい製品作り、サステナブルな取組みを進めていきたいと思います。(開発 武田伸郎)

左上:2023モデル MASSA ll(マッサ デゥエ)システムソファ 右上:ソファの構造体には国産の杉間伐材合板を使用。国産合板の証が押されています 左下: 右下:座面のクッション材はリボンデッドフォーム + ポケットコイルスプリング。ヘタリの少ないしっかりとした使い心地です ポケットコイルの当たりが座面に影響しないように保護剤としてリサイクルフェルトを敷きます。リボンデットフォーム、リサイクルフェルト共様々な端材が混在していて独特の表情があります
左:2023年版ファブリック&マテリアルの表紙はリサイクルフェルト 右:Oeko-Tex Standard100「エコテックス®スタンダード100」をはじめとする環境配慮のファブリックを半数近く採用しています