COLUMN

2024.4.29 DESIGN

インテリアの熱気をミラノで感じてきました

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.144
世界で最も注目される家具とデザインのイベント「Salone del Mobiile.Milano」ミラノサローネ国際家具見本市。イタリアのミラノで毎年4月に開催される展示会ですが、エーディコア・ディバイズでは毎年社員スタッフが持ち回りで視察研修に行っていました。しかし、新型コロナ感染拡大以降視察を実施できなかったのですが昨年は4年ぶりに視察研修を再開、今年もクリエイティブ・ディレクターの瀬戸と4名の社員スタッフでミラノサローネを視察して参りました。

AD CORE が誕生した1985年、まだ日本ではほとんど注目されていなかったミラノサローネでしたが、当社では当時からイベントに注目し、日本人の視察者がほとんどいなかった92年にAD CORE ブランドとしてミラノサローネに出展参加しました。その後、98年からはデザイン・家具の祭典を肌で感じるべく社員のミラノサローネ視察を継続して行なっています。家具やインテリア業界でサローネ視察をする企業はたくさんありますが、デザインや企画、製造に関わるスタッフが訪問することが殆どのようです。職種的にはそのような傾向は否めないと思いますが、当社では開発や営業スタッフはもちろん、業務や経理関係、ショールームや支社のスタッフまで全員が持ち回りで視察訪問をしています。会社全体がデザインの意識を感じる機会を設けて、家具やデザイン・インテリアの見聞を広げるために実施しています。今年は開発1名と営業スタッフ1名、営業サポートとショールーム担当の、瀬戸を含めて5名が参加してきました。

ミラノサローネを視察された方なら納得いただけると思いますが「サローネを見るなら下調べが必須」です。フィエラ会場はもとより市内の様々なエリアでイベントが開催されているので、限られた時間内ではとても見て回ることができません。例年は見やすい場所のフィエラ会場入り口エリアに家具のメインブランドが集中して出展していたのですが、今年は主要ブランドが会場の一番奥になりました。人気のブース以外にも人が流れるようにとの策だと思いますが、そんな会場内を歩くだけでもあっという間に時間が過ぎてしまいます。見逃せないブランドは長蛇の列で入場待ち状態なので、よほど効率を考えて回らないと十分な視察は難しいのですが、今年も瀬戸のリサーチで事前情報を十分にキャッチ!渡航前に必要な入場登録を済ませ、フィエラ会場の移動からブースを回る順番、市街地エリア視察のコースも設定。混雑するブースの時間も予測しながら3日間、しっかり見て回ることが出来ました。昨年から増えた事前登録制の入場方式を取った人気のイベント会場では入場するまで2時間も並ぶ事もあったようで、あまりスムースではなかったように思います。顧客の囲い込みと出展者側の効率化を図るためのシステムと思われますが、事前登録 + 会場での再登録が必要だったり、会場前で登録チェックに手間取って混乱したところもあったので来年は改善してほしいところです。

事前に注目していた人気ブランドのイベントやファッションブランドとのコラボレーション展示などは、情報が全くオープンにされず、期待して長時間並んで入場した結果・・・「?」の内容も多く、参加するイベントの精査の難しさも感じました。開発スタッフはデザインや製品のディティール、素材使いなどを中心に、営業スタッフはデザインや製品の傾向、これからの売れ筋を予測しながらの視察になりますし、ショールームスタッフはスペースのディスプレイや展示の仕方、素材を含めた色使いなども注力するポイントになります。イベントの盛り上がりを肌で感じながら、各自の視点で視察することができたと思います。現地で感じた鮮やかな印象、たくさんのイメージや情報を各自が読み込んで、今後の仕事に反映出来るよう努めてまいります。(開発 武田伸郎)

左上:地下鉄の駅からフィエラ会場への通路。朝一番で向かったのでまだこれくらいの混雑 右上:今年のフィエラ会場はメインの家具ブランドが一番奥のブース。歩くと20分位掛かるのでシャトルバスを利用しました 下段:朝一番の会場入り口と各ブースへの長い通路。日中は人で歩くのもままならなくなります
左上:フィエラ会場は今年も大変な賑わい 左下:フィエラ会場では入場制限で触れることもできないブースもありましたが、家具は試してみなくては使い心地が分かりません。できる限り座って感覚を確かめます。 右:ミラノ市内のイベントの様子。人気の会場は長蛇の列で入場待ち