2026.03.29|

DESIGN

想像を広げるためのAI技術

近年、AI技術はさまざまな分野で活用が進み、私たちの身近なツールとして定着しつつあります。当社においても、新たな取り組みとしてAIの活用を進めています。今回新たに開設した当社公式インスタグラムでは早速こういった技術を取り入れています。これまで当社では、製品の魅力を伝える手段として製品写真やスタジオイメージ写真、海外ロケでのイメージ写真やyoutube動画を中心に発信してきました。質感や空間の雰囲気を伝えるうえで非常に有効ですが、AIを活用することで、より多様なシーンや使い方のイメージをスピーディーに表現できるようになります。例えば、90年代に撮影したイメージ写真でも、製品がどのように空間に馴染んでいるのかを視覚的にイメージしていただくことができます。家具は置かれる空間との関係性によって印象が大きく変わるものですので、お客様にとっては自分の空間に置いたときのイメージが何より重要になります。AIはその想像を広げるためのツールとして、有効に機能すると感じています。新しいホームページでは、AIを用いたイメージ動画を取り入れ、今後さらにコンテンツを充実させていく予定です。

一方で、AI活用には注意すべき点もあります。生成されるビジュアルは、見えない部分を補完しながら構成されるため、使い方を誤ると実際の製品の形状を変えてしまったり、誤ったビジュアルとしてお伝えしてしまいます。特に家具のように、細部のディテールや素材感が重要な製品においては、慎重な作成が求められます。現時点では、あくまで形状や空間イメージを伝える補助的な役割として活用し、細かな仕様や質感については実物をご確認いただくことが重要だと考えています。このような考え方は、映画制作の世界にも通じるものがありました。『ダークナイト』『インセプション』で知られる映画監督のクリストファー・ノーランは、特殊効果におけるCGの使用を最小限に抑え、実写で撮影した映像をベースに表現を構築することで知られています。『ダークナイト』ではCGではない本物のビルを丸ごと1棟爆破して撮影を行ったり、『インターステラー』で使われている一部の地球の映像はCGではなく実際にジェット機の先端にIMAXカメラを搭載し成層圏で撮ったりと、、、どれほど高度なCGであっても、物理的な裏付けがなければ実在感は生まれないという考え方で、あくまで現実を補強する手段として技術を使う。その姿勢には大きな共感を覚えます。

当社でも同様に、AIを置き換えではなく補完として捉えています。実際の製品や空間があってこそ、その魅力をよりわかりやすく伝えるためのツールとして活用していきたいと考えています。AIによって見せ方を良くすることはできますが、製品そのものの価値を高めるのは、あくまで設計や素材、そして真摯なものづくりです。これからも、リアルなものづくりを軸に、新しい技術を取り入れ、より伝わる表現へと進化させていきます。今月よりホームページが新しくなり、わかりやすいイメージ動画もどんどん発信していきますのでぜひご覧ください。また、ショールームや実物を通して、その質感や座り心地を体感いただければと思います。(開発部 渡辺)

左が実際にスタジオやロケで撮影した写真ですが、写真の平面的な素材をAIを駆使して動画に落とし込んでいます。実際の製品と形状に相違がないよう慎重に確認。お客様によりイメージいただけるよう、たとえ30年前の写真であっても空間イメージを伝えることができるツールです。リアルな製品があるからこそできる動画表現です。
左:ダークナイトでの病院爆破シーン。本物の建物爆発させて撮影したそうで、実物ならではのリアルな臨場感があります。 右:インセプションでの一コマ。廊下が回転するという現実ではあり得ない場面も実物のセットを作り表現しています。 出典:[https://gigazine.net/news/20150814-inception-hallway-dream-fight/] [https://cinemore.jp/jp/erudition/317/article_318_p2.html]
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