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2023.08.30|

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真夏の工場訪問紀行

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.136 もう目にするのも耳にするのも耐えられないような今年の記録的な猛暑。日本全国うだるような暑さが続いていますが、そんな猛暑の中、今月は日本各地の工場を巡ってまいりました。関東近郊の千葉から大阪、広島の府中から九州の大分県は日田市、家具の産地である福岡の大川市などを訪問してきました。大分県の日田市はニュースでも取り上げられるほど国内でも夏の暑さが最も厳しい地域ですが、今年は日本国中、記録的な猛暑。日田市のみならず、お伺いした各地の工場はどこも厳しい暑さだったのですが、工場の皆様にご迷惑をかけないように暑さ対策には十分注意してお伺いしてきました。 家具制作に限ったことではありませんが、国内の製造業の工場での作業環境において、デスクワークを行うオフィス空間のように空調管理された現場はほとんどないと思います。物作りに携わる方々は、熟練の技や技術とともに体力や厳しい環境下でも対応できる能力が必要不可欠です。少しでも快適な職場環境にするためにみなさん工夫はされているのですが、ほとんどの場合製作工場の中は、夏の期間は厳しい暑さの中作業を行なっています。日々、厳しい環境の中仕事をされていますので職人の皆さんは暑さにも強い方がほとんどです。夏場に工場を訪問する際には、職人さんを前に暑さでダウンする訳にはいかないので・・・日々鍛錬(?)はしているのですが、それでも今年の暑さは体に応えました。工場を回る際には汗でシャツが背中に張り付いてしまいました。 エーディコア・ディバイズの新作発表は、毎年晩秋の時期に開催しています。新製品の開発、試作の確認の時期がいつも夏場の時期に行うのですがデザイナーの瀬戸の製品作りは図面やデータの指示だけでは完結しません。実際に物を作るところから確認を進めます。真夏の試作確認の期間は、常に工場に立ち会っているのですが場合によっては立ち会うだけでなく手を動かして試作作りにも参画します。試作室が38℃まで室温が上がることもあり気力、体力がなければ務まりません。(当社の開発スタッフは体力がないと務まらない所以です)しかし、本来は家具の製作現場でもできる限り快適な環境で作業をしていただくことが理想です。数年前に試作を進めていた2つの工場に、製作現場の暑さ対策の環境改善を打診したことがあります。暑さが厳しい工場の環境に慣れてしまっているかもしれませんが、これからの工場はより良いものを作れる環境作り、若い人が集まる職場環境にする必要がありますよね、と。大掛かりな設備投資は難しいかもしれませんが、職人さんが実感できるような改善ができればとのご提案でした。 その後、工場にお伺いした際には早速数台の冷風機が設置されていました。効果を確認してみると・・・長時間滞在するのがしんどかった塗装場でも温度が下がっていることが実感出来ました。この冷風機は、当社で金物パーツをお願いしている株式会社フナボリさんが取り扱っているシステムで、さまざまな一流企業の工場で採用されている設備です。職人さんからも効果を実感する声が上がっていて、その後も冷風機の台数が増えていました。お伺いするたび、作業場の暑さが改善されているのを感じます。今年、新たにお伺いした工場も例に漏れず暑さが厳しい工場でした。工場視察する時には必ず「工場内は非常に暑いので~」が常套句、その暑さの中製品作りが行われています。そんな状況が少しでも良くなるように、良い製品ができるように微力ながらもご協力していきたいと思います。(開発 武田伸郎)

2023.07.28|

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エレクトリックギターは木が命

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.135 先日、東京原宿の明治通り沿いに、世界初となるアメリカのギターブランド「フェンダー社」のフラッグシップショップがオープンしました。さまざまなメディアでも取り上げられていますが世界的にも注目を集めているカスタムショップです。ショップデザイン設計をクライン ダイサム アーキテクトが手がけていて、単にギターを販売するお店ではなく、フェンダー社の世界観を世界に発信する空間になっていました。ちょっとのぞいてみるつもりでしたが、ウェルカムなショップスタッフ(半数以上が海外スタッフ)の対応もあってすっかり長居してしまいました。 現代のポピュラーミュージックにおいて、フェンダー社エレクトリックギターやベースを抜きには語れないほど、世界中のあらゆるミュージシャンに愛されているブランドです。以前、このコラムでもご紹介したロサンゼルスでのカタログ撮影のロケハンの際に、世界的なロックバンド「マルーン5」のギタリスト、ジェームス・バレンタイン邸をお伺いしたことがありました。リビングにドラムセットやピアノが鎮座した、まさにミュージシャン然とした邸宅でしたが、貴重なヴィンテージギターがいたるところに置かれていました。その中にはもちろんフェンダー社のギターがあったことは言うまでもありません。マニア垂涎の正真正銘のヴィンテージギターでしたが、そんな貴重なギターをその場でアンプに繋いで弾かせてもらったのですが、とてもワンダフルな思い出です。 ソリッドボディのエレクトリックギターの製作から始まったフェンダー社は、70年以上の歴史を誇るまさにエレクトリックギターの歴史そのもののブランド。憧れのミュージシャンが奏でるフェンダーギターは、デザインや様々なカラーリングに目がいってしまいがちですが、ギターで最も重要なのが使用されている「木材」です。エレクトリックギターは、アンプに繋いで電気で音を増幅して鳴らす楽器ですが、音の良し悪しを決定するのは使われている木材です。エレクトリックギター人気No.1と言っても過言ではないフェンダー・ストラトキャスターモデルは、ボディにアルダー、ネックがメープル材の仕様がスタンダードですが、上級ラインにはボディにアッシュ材が使われています。 このショップでもアッシュ材のボディにメープル材のネックがセットされた人気のモデルが展示されていましたが、アッシュもメープルも最近更に貴重な木材となっています。アッシュとメープル材は、エーディコア製品でも最も使われている素材です。A-modeには素材感溢れるアッシュ材、NEO CLASSICOには滑らかな木肌のメープル材がメインに用いられています。家具に用いる木材は、手に触れる木肌の感触や木目の質感、デザイン的な要素が重要視されますが、楽器は奏でる音を表現するために素材を選択します。アッシュ材がボディーでメイプル材がネックのストラトキャスターは、重厚で硬質、ピッキングの反応が早いクリアで抜けの音がします。皆さんも家具に使われている木材を確かめながら、どんな音を奏でるのかイメージを膨らませてみても楽しいかもしれません。 ギター好きにはたまらないフェンダー・フラッグシップショップトーキョー、見ているだけでワクワクしてしまう空間ですが、先日ついつい再訪してしまいました。2Fのフロアをうろうろしていたら、先日試奏を勧めてくれたスタッフが僕に気がついて声を掛けてくれました。店内のギターは貴重で高価なものばかりですが、どんどん試奏を勧めてきます。ベンチに据え付けられたシステムにプラグインすれば、ヘッドフォンで自由に試奏を楽しめます。ギターショップでありがちな人の試奏を爆音で聞くこともありません。世界でも注目のお店、ギターを弾かない方でも楽しめるので一度覗いて見てはいかがでしょうか(開発 武田伸郎)

2023.06.21|

DESIGN

エーディコア全スタッフで工場研修

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.134 記録的な大雨が降ったかと思えば突然35℃を超える猛暑日があったりと、体調管理も大変な時期ではありますが、新型コロナ感染の自粛対策が緩和され約2ヶ月、街にも人の流れもようやく本格的に活気が戻ってきたように感じます。そんな6月某日、4年振りに生産をお願いしている工場へ研修に行くことができました。今回は椅子やテーブルなど脚物をメインにお願いしている山形の工場と、ソファや収納家具の脚部製造をしているアルミ鋳造工場へお伺いしてきました。 当社では、メインの生産工場のある山形と九州を毎年交互にお伺いして工場研修を行っていたのですが、新型コロナ感染が始まって以降は実施が出来ませんでした。皆様にお届けする家具の生産現場を実際の目で見る貴重な研修ですが、今回ようやく実施することができました。家具の工場は当社の発足当時からお付き合いいただいている工場で、バブル期には納期を間に合せるため瀬戸が資材を工場まで運んで夜通し組立てをして出荷した逸話も残っている工場です。現在では他の追従を許さない高度なNC技術を誇る、世界的にも認められた工場になっています。当社の製品は受注生産システムによって加工パーツを準備し、オーダーいただいた分を塗装して組立て、製品によっては1日に数百本の出荷をしていました。しかし時代を経るに従って椅子に求められる機能も変化し、座り心地が重視され、張込の仕様も複雑になり工程も格段に増えてきました。当社の椅子もフレームを組んで塗装した後に布地を張込むアイテムが増え、工程時間も長くなっています。製品のグレードが高くなり制作の難易度が上がったため、現在は1日の生産出荷数が100台程度になっています。実際に見せていただいた布の型取りや縫製、張りの作業は、どこまでも丁寧に細心の注意を払って進められていました。 アルミ鋳造工場は社員揃っての訪問は十数年振りとなりますが、社屋と工場が新しくなっていました。この工場も20年以上の長いおつきあいになり、ロングセラーのAD-015 やMD-211 のソファに使用するアルミ脚を生産いただいています。アルミの鋳造工場を見る機会はほとんどないので社員スタッフは貴重な研修になったと思います。溶解用のアルミブロックが積まれた工場内は、鋳造加工の熱気ムンムンで、夏場の工場作業は本当に大変だと感じました。研修のためにMD-211のアルミ脚の金型がセットされていて、実際の鋳造加工をしせていただきました。溶解炉から溶かしたアルミニウムを汲み出して鋳造機へ注入する工程など、熱気を肌で感じながらのリアルな体験でした。機械化された工程で制作されるアルミパーツですが、最終の仕上げは手作業になります。溶かしたアルミニウムが型に注入され、幾つもの工程を経てピカピカのアルミ脚に仕上がって行く行程を見学させていただきました。 梅雨時期の工場研修、空港に到着する頃は着陸も危ぶまれるほどの雨が降っていたのですが、幸い天候も回復しこの時期にしては涼しく快適な中で工場研修を行うことができました。研修に訪れた6月は山形でも有数のさくらんぼの産地で、ちょうど出荷の最盛期。研修の翌日にはさくらんぼ狩で美味しいさくらんぼもいただいて充実の研修旅行となりました。社員一同、家具作りの知識をより深めて、皆様にエーディコア・ディバイズ製品の良さを少しでもお伝えできればと思います。(開発 武田伸郎)

2023.05.29|

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ミラノデザインウィークレポート

今回は開発部富所から先日開催されたミラノデザインウィークをレポートしたいと思います。私はミラノデザインウィークに初参戦、どころかヨーロッパ大陸に初上陸なので、展示会場以外の町並みや食事、ファッションやライフスタイルなど刺激の多い旅になりました。 ご存じの方も多いと思いますがミラノデザインウィーク(Milan Design Week)は、イタリアのミラノで毎年開催される国際的なデザインイベントです。ミラノデザインウィークの中心地は、展示会やイベントが行われるフィエラ・ミラノ会場の「サローネ・デル・モービレ」(Salone del Mobile)です。この会場では、イタリアだけでなく世界各国の主要な家具メーカーやデザイナーが最新の作品を発表します。一般的にミラノ・サローネというとサローネ・デル・モービレを指すことが多いですが、展示そのものはサローネ・デル・モービレの行われるフィエラ・ミラノだけでなく、ミラノ市内のさまざまな地域やショールーム、ギャラリーでも展示やイベントが行われます。 今回は3日間のミラノ滞在で、午前中はサローネ・デル・モービレを見学し午後はミラノ市街のショールームやギャラリーを見学するスケジュールでした。サローネ・デル・モービレの会場については事前にクリエイティブ・ディレクターの瀬戸から「見るブランドを絞って見ないととてもじゃないが見きれない」と聞いていたものの、実際に行って見ると東京ビッグサイト4つ分の広さの巨大な会場にぎっしりと詰まった展示ブースに圧倒されることになりました。特に主要のブランドは展示ブースも巨大で、植栽や外壁など仮設空間であることを忘れるような手の込みようでした。各ブランドともにブランドイメージや新製品の空気感が伝わるブースづくりに注力しており、予算と時間のかけ方が今まで見てきた様々な展示の中でも群を抜いていました。ミラノ市街の展示は自社のショールームだけでなくスタジオや歴史的な建造物を借り切っての展示もあり、入場まで30分以上並ぶブランドもありました。日本国内のインテリアイベントではなかなか考えられない現象ですが、インテリアそのものへの関心が一般人レベルでも高いためなのかもしれません。 肝心のプロダクトは全体的な傾向として柔らかく重心の低い印象を与えるデザインを多く感じました。システムソファであればコーナー部分をゆるいアールでつなげたり、クッションの形状の角が丸い物が多く、テーブルにしても角が丸いものが多い印象でした。素材としては一時期のようなオーク材のブームは過ぎ、明るい色味のウォールナットなどが見られました。色の組み合わせとしてもあまりヘビーではない柔らかな色彩が多く、薄めのブラウンを使用したリラックスした空気感を感じ取ることができました。瀬戸曰く、先端を行く主要ブランドのデザインテイストを翌年以降それに準じるブランドが追従していく、とのこと。 各ブランドごとのレポートを始めるとキリがないので割愛させていただきますが、今まで見たことのない素材や細部の収まり、塗装など、頭の中にあった家具で出来ることとできないことの垣根が取り払われる鮮烈な体験ができました。新製品の開発や特注製品などでより良い提案をお客様にできるよう質の良いインプットを続けていかねばならないと感じたミラノデザインウィークでした。(開発部 富所 駿) [video width="900" height="505" mp4="https://www.adcore.co.jp/wpa/wp-content/uploads/column/f.mp4" poster="https://www.adcore.co.jp/wpa/wp-content/uploads/news/2223-01-scaled.jpg" autoplay="true" preload="auto"][/video] サローネ・デル・モービレ会場のベッドブランド「Flou」のブース。製品は屋外用ではありませんが庭のような展示空間です。

2023.04.28|

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春の九州工場訪問

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.132 2023年がスタートしてあっという間に4ヶ月が過ぎようとしています。3年もの永い間続いていた新型コロナウィルスの自粛生活もようやく終息を迎え、本格的な回復に向けて以前の生活が戻ろうとしています。春の到来と共に街にも活気が戻ってきて、一時は本当に少なかった海外からの旅行者も目に見えて増えてきました。そんな中、4ヶ月ぶりに九州の工場へお伺いしてきました。前回の訪問時には飛行機の搭乗前の検温や消毒が実施され、機内の乗客もまばらだったのですが、今回は航空便や宿泊の予約もほぼほぼ埋まっていて慌てて予約をするような状況でした。今まではビジネス関連の方々がほとんどだった空港も、国内外問わずたくさんのお客様で賑わっていて感染が終息に向かっていることを実感しました。 4月は日本では新しい生活がスタートする新年度の季節でもあります。新入学や新しく社会人となる方のみならずフレッシュな気分になる時期。今回お伺いした九州の工場では、永年お付き合いいただいた工場長が定年となり引退されて少し寂しい気持ちになりましたが、新たな工場長が赴任され新しいスタッフの方の入社もあったりと工場生産の現場も新しいフレッシュな雰囲気を感じました。中堅どころの職人さんも、熟練スタッフの方からどんどん技を引き続いで新しい体制作りへと準備を進めているようでした。職種に限らずどの業界でも人材確保が難しい時代になっていますが、今回お伺いした工場に限らず家具の業界では若い方の参入が少なくスタッフの確保も難しい状況が続いているようです。家具のようなモノ創りに携わる職人さんは様々な経験を積まないと良い仕事が出来ません。今回入社したスタッフの方も、周りの職人さんから技を引き継ぎ経験を重ねながら新しい技術も取り入れて一流の職人さんになってほしいと思います。 工場に中々お伺いできなかったこの数年間は、現場での製品確認が中々出来なかったので出荷前に仕上がった製品の画像をへ送っていただき、仕様や仕上がりをチェックするQC活動を行なっていました。本来は直接製品を見て触れて仕上がりの良し悪しを判断するところですが、コロナ渦の間は職人さんに仕上げたばかりの製品を画像に撮っていただきメールで送信いただいて確認をしていました。はじめは手間も掛かって大変だったリモートQCですが、製品を撮影することで客観的に物を見る機会になり、製品全体を引いた目でみたり要所をクローズアップして見たりと、これまで行ってきたモノつくりを新しい視点から感じることも出来ました。新型コロナウィルスの感染対策で広がったリモートによるワークスタイルですが、モノ作りの現場でも活かされることになりました。 最近では画像のやり取りも抑えどころを双方で理解しつつ、効率も上がってきました。ただし、この2次元のモニターチェックは製品表面の仕上がりや体裁を確認するためのものになります。そのため、見た目を整える事が優先になってきます。見た目の綺麗さ、仕上がりの良さはもちろん大事ですが、それ以上に大切なのが家具の作りの良さです。椅子やソファはデザインの良さを感じながら、触れて座ってくつろいで初めてその良さを実感できます。今回工場にお伺いしてリアルな製品を確認してまわりながら「家具の良さ、家具の心地よさ」を改めて感じました。皆さんも家具のデザインをエーディコア・ディバイズのホームページでチェックしつつ、座り心地や快適さをショールームでぜひお確かめください。(開発 武田伸郎)

2023.03.30|

DESIGN

家具に欠かせない椅子やソファの「ファブリック」

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.131 お住いの居住スペースやオフィス、施設や商業空間などの様々なインテリア空間には、用途やデザイン、使い勝手によって色々な家具が配置されます。その中でも椅子やソファは最も身近な家具として私たちが生活する上でなくてはならない存在です。エーディコア・ディバイズの製品も様々なインテリア空間にお使いいただけるよう椅子やソファをご用意していますが、家具をお選びいただく際にデザインや機能と合わせて重要なポイントが椅子やソファに用いる「ファブリック」です。どんなに素晴らしいデザインの椅子やソファであっても、表面を纏う張り地が悪ければ台無しになってしまいます。限りなくシンプルな椅子やソファでも、ファブリックによって印象的な素晴らしい家具になる場合もあるからです。 椅子やソファなどに用いるファブリックは、繊維製品の中でも専門的なカテゴリーに分けられます。服飾生地やカーテン生地とは違った強度や耐久性が求められますが、肌触りや織の表情、色彩やデザイン性も家具の生地には大切な要素になります。家具用のファブリックには糸素材の組み合わせから織り方、染色やカラーリングから機能を持たせるための様々な加工まで数かぎりないアイテムが存在します。そんなたくさんのファブリックの中から目的にあったアイテムを選ぶため、デザイン性と機能性の二つを両立させる必要があります。素晴らしい意匠と肌触りでもすぐ劣化してしまうようであれば家具に適した張り地とは言えませんし、耐久性と強度のあるファブリックでも快適でなければせっかくの家具が活かされません。張り地を選ぶ際にはたくさんの要素をバランス良くセレクトすることが大切になりますが、エーディコア・ディバイズでは世界中から選りすぐりのファブリックを規格張り地として皆様にご提案しています。当社の規格ファブリックは、縫製箇所が糸の滑脱で裂けてしまわないための引っ張り強度や表面の摩擦によって生じるピリング(毛玉)耐性試験などをクリアした家具に適したファブリックをセレクトしていますので安心してお使いいただけます。 エーディコア・ディバイズのファブリックバリエーションは、コストパフォーマンスを考慮し天然皮革を含めた7つのランクから28アイテム、計152種のラインナップになります。素材感やボリューム感、生地のフィット性やカラー展開と同時に、各種機能性を持った張り地をエーディコア・ディバイズ独自の視点からセレクトしたアイテムになっています。今回新たに採用したVM(ビロードミスト)は、止水・抗菌・防カビ・防臭のほか、水でふき取ると汚れが落ちるイージークリーン対応の高機能ファブリックですので、様々な施設でお使いいただけます。また、規格ファブリックを選ぶ際にデザイン性と機能性へのこだわりはもちろんですが、環境に配慮した生地の採用にもこだわりました。当社では2022年よりサステナブルを考慮した製品作りを目指していますが、張り地の素材や製品に有害な化学物質を含まない、製造過程でも環境に配慮した張り地の採用を進めました。世界最高水準の安全な繊維製品のエコテックス®️スタンダード製品は、申請中の製品を含め28アイテム中、13アイテムにも登りました。 当社の提案する張り地を1冊にまとめたファブリック・マテリアルのリーフレットをご用意しています。それぞれのカラーバリエーションと素性、機能をまとめたリーフレットとなっていますので是非ご覧になってください。また、当社の規格張り地には、撥水・撥油・防汚加工など機能性を後加工することも可能です。新型コロナウイルスの感染問題以降、除菌や消毒作業に対応する張り地や、汚れが付きにくい生地や機能性を持った生地をお求めになるお客様も増えています。お使いの用途に合わせコストや納期などお気軽にお問い合わせください。これからも環境に配慮した張り地の採用促進と、様々な機能性を持った張り地を皆様にご提案していきたいと思います。(開発 武田伸郎)

2023.02.26|

DESIGN

インテリアに欠かせないアート作品

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.130 先日、アメリカ西海岸のロサンゼルスへ建築インテリアの視察へ行ってまいりました。アメリカのロサンゼルスを中心とした西海岸エリアは、エーディコア・ディバイズのカタログ撮影で何度も訪れた思い入れのある街です。初めて訪れた時の衝撃は今でも鮮明に記憶していますが、ダウンタウンのビル群から実際に生活している住宅建築までインテリアのダイナミックさは想像もできなかったほど素晴らしいモノでした。4年ぶりとなるロサンゼルス訪問は、コロナ禍以降初めての海外ということもあり期待度マックスでの視察となりました。 このコラムでも紹介していますが、アメリカ西海岸で非常に印象的なのが「インテリアとアート」の結びつきです。日本の場合アートは「装飾品」として扱われますが、LAでは「インテリアにアートありき」アートはインテリアと同等に扱われます。LAの建築では建物よりもアートを含めたインテリアが印象に残る素晴らしい物件がたくさんありました。アート作品は絵画からオブジェ、写真まで多岐に渡りますが、数々の素晴らしい物件にはオーナーやデコレーターのセンスが凝縮され感心するばかりでした。そのセンスを培っているのがアートを尊重する意識、アートを身近に感じることができるたくさんの美術館の存在です。初めてLAに訪問した時から今回の視察まで、毎回様々な美術館を観ることができました。レンゾ・ピアノ氏設計のブロードからLACMAに始まり、訪問するたびにいろんな美術館を巡りましたが、その間もさらに新しい美術館のオープンもありました。それほどロサンゼルスはアートにあふれた街なのだと思います。 そして今回、初めて観ることができたのが「Weisman Art Foundation ワイズマン アート ファウンデーション」です。現地でも知られていないとても貴重な美術館です。この施設はワイズマン氏が自動車販売(トヨタ自動車)で成功した莫大な資産でコレクションした美術品を、1994年にワイズマン氏が亡くなった時のインテリアとアート展示をそのまま残した自邸を美術館として公開しているアートギャラリーです。ワイズマン氏は、アート作品を収集することよりもたくさんの人と分かち合うことを大切に考え、ギャラリーや美術館に作品を展示するのではなく「アートのある生活 ハウスミュージアム」をテーマに、アートを生活の中で共有した氏の思いに沿った美術館を創りました。美術館のように作家や作品のテーマ別だったり時系列で展示するのではなく、部屋の色調に合わせたアートを集めたり空間の雰囲気に合わせた作品の展示をするなど、オーナーの主観性とその時の嗜好が色濃く反映された興味深い美術館でした。この美術館は館内の撮影が一切禁止なのですが、作品に間近に近寄って観ることが出来ます。貴重な作品は厳重に警備されている一般的な美術館では得られない貴重な体験をすることができました。 ワイズマン美術館は、時間制限や内覧規則も厳しく少人数での完全予約制になりますが入館料は無料です。他にも、美術館のスケールを超えたゲティセンターやダウンタウンのThe Broad(ブロード)なども予約は必須ですが入館料は無料です。日本では美術館はお金を払って見る場所の認識がありますが、ロサンゼルスをはじめ世界的には「アートは共有するもの」で、多くの美術館は入館料が無料です。アートというとやや敷居の高い印象を持ってしまう日本とは異なり、アートをより身近に感じているロサンゼルスではインテリアにアートを取り入れることは自然なことなのだと思います。そんな雰囲気を感じられる美術館、ホルムビーヒルズの「ワイズマン アート ファウンデーション」をぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。完全予約制で時間厳守、さらに入館は門扉から車でしか入ることができませんので(タクシーや徒歩では入館できません!!)くれぐれもご注意ください。(開発 武田伸郎)

2023.01.29|

DESIGN

テーブルセッティングと家具

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.129 新しい年が始まってはや一月が過ぎようとしています。10年に一度と言われている寒波が到来して寒さが厳しい日が続いていますが、今週東京ドームで開催されている「テーブルウェア・フェスティバル2023 暮らしを彩る器展」へ行ってまいりました。このイベントは日本各地の陶磁器をはじめ世界各国のガラスや漆器などのテーブルウェアが一同に会するフェスティバルで、毎回来場者が20万人を超える国内最大級の祭典です。新型コロナウィルス感染の影響で2020年以来3年ぶりの開催になりますが、今年は30周年の節目の年でもあり開催を待ちわびている方々で会場は賑わっていました。 各ブースでは様々なテーブルセッティングの展示がされていましたが、正式なフォーマルダイニングのテーブルセッティングでは必要とされるテーブルサイズの目安があります。1人分のスペースの目安が幅60㎝、奥行きは30㎝以上必要になります。オードブルなどを盛る大皿のサイズが30㎝前後あり、テーブル理念のサイズや対面でのパーソナルスペースの確保、テーブルの真中に敷くランナーの寸法を考えるとテーブルの奥行き寸法が100㎝は必要になります。日本のテーブルサイズに多い3X6(サブロク)と呼ばれる180㎝X90㎝のサイズでは奥行きが足りないことになります。エーディコア・ディバイズのダイニングテーブルではネオクラシコシリーズを始めフォーマルダイニングに対応するため奥行きが100㎝以上のテーブルシリーズを多数ご用意しています。毎年「テーブルウェア・フェスティバル」に出展している銀器カトラリーとリモージュ焼きの陶磁器で有名な ERCUIS/エルキューイ・RAYNAUD/レイノーさんとおつきあいが始まったのも当社の製品がフォーマルダイニング対応のテーブルを製品化しているからでした。青山のERCUIS/エルキューイ・RAYNAUD/レイノーさんのショールームでは当社のダイニングテーブルにERCUIS/エルキューイ・RAYNAUD/レイノー製品がテーブルセッティングされていますので是非ご覧になってください。 このフェスティバルは器と食卓をテーマとした国内随一のイベントでテーブルウェアのコンテストや各界の著名人をゲストに迎えてテーブルセッティングを提案する「暮らしを彩る食空間」など様々な企画展やイベントが開催されています。一口にテーブルセッティングと言っても、正式なフォーマルスタイルから自分の趣味趣向を取り込んだ強烈なインテリアまでスタイルは様々。会場では俳優さんから音楽家の方などイベントならではのテーブルセッティングも見られますのでご覧になってはいかがでしょうか。食卓を彩るテーブルセッティングの器やカトラリーとテーブルや椅子を含めたインテリアスタイルの2つの組み合わせが食空間の演出には欠かせません。食からイメージを広げて、器やカトラリーのスタイルからテーブルやチェアを決定するインテリアのコーディネートもあるんですね。 会場の東京ドームではグランドいっぱいに出店ブースが並び、様々な催しありとても楽しいイベントです。館内では器を使った試飲会や日本全国の名産地から陶磁器や工芸品の展示があり即売会なども行われています。「テーブルウェア・フェスティバル2023 暮らしを彩る器展」は、2月5日まで開催されていますのでお時間がある方は会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。インテリアの中の「家具」とは少し違った「食や器」からアプローチしたインテリアコーディネートを見ることができると思います(開発 武田伸郎)

2022.12.22|

DESIGN

メイド・イン・ジャパンのエーディコア・ディバイズ製品

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.128 いよいよ押し迫ってきました2022年、暖かい冬が一転して厳しい寒さと記録的な積雪で一気に本格的な冬に突入した感があります。今年も様々なことがありましたが、新型コロナウイルスの感染が始まって3年、完全な収束には至っていませんが世界的にも感染防止の制限も緩和されてきて徐々に以前の生活に戻りつつあります。そんな中、製品確認と品質管理の工場検査と合わせて山形の工場へ行ってまいりました。日本海側は大雪で荒れた空模様でしたが、天候も思いの外安定していて無事工場へお伺いすることができました。 お伺いした山形の工場は、エーディコアブランドの創立時からのお付き合いのある工場で、独創的なエーディコアデザインの製品開発から製品化まで協力いただきながら関係性を築いてきました。今まで例のなかったアッセンブリーシステムの家具や難易度の高い加工をトライしながら(時にはデザイナーの瀬戸の無茶なリクエストに応えながら)技術を磨き素晴らしい家具を創り続けている工場です。優れた加工技術もさることながら、当時の家具作りの常識を覆す「受注生産システム」も、エーディコア製品から始めたシステムです。無駄なものは作らずお客様のご希望に沿った製品を必要な分だけ創る、現代のSDGsのスピリットに通じる取り組みを30年以上前から取り組んでいました。 新型コロナウイルス感染の影響やロシアのウクライナ侵攻の影響など、流通の混乱や資材不足、あらゆる資材高騰の影響を受け、モノ作りの世界では様々なダメージを受け現在でもその影響は続いています。コスト削減のために海外生産にシフトした資材や製品が入手できなくなり、今後の見通しも立たないような状態が続いています。自動車や電化製品でも何年も待たなければ入荷しないような事態も起こっています。インテリア業界のお客様からは「海外の製品が入荷しない」「需要があるのに生産の見通しが付かない」という声がたくさん上がっています。輸入家具の場合、半年待ちやそれ以上納期がかかる場合もあるようですが、当社の製品は全て国内で生産しています。昨今の様々な混乱の中、これまでと変わらない対応をしてまいりました。製品アイテムにもよりますが、受注生産システムにより2週間〜4週間の納期をいただければお届けが可能です。早期に情報をいただければ短納期でも対応は可能になります。今回の工場訪問でも受注から納期対応についても打ち合わせを行ってきました。 2023年は感染防止の制限も緩和され景気も本格的に回復してくると思われます。これから春先に向けてインテリア業界の需要期に入りますが、今後もしばらくは様々な混乱が予想されています。進行中のプロジェクトやご検討中の物件にメイド・イン・ジャパンのエーディコア・ディバイズ製品を是非ご検討下さい。今年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。(開発 武田伸郎)

2022.11.24|

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より持続可能な製品作りへ

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.127 東京から始まった2023年モデルコンセプト説明会が先週末の名古屋にて終えることができました。新型コロナウィルスの感染がはじまって3年が経過しようとしていますが、今年からWEBを活用した展示会からリアルなコンセプト説明会のみにしました。たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。2023モデルのデザインコンセプトも好評でしたが、製品に環境性能を持たせた事に皆さんから注目が集まりました。 今年の新製品は、エーモードブランドからMD-1301チェアと1302テーブル、エーディコアブランドから2002年に製品化したMASSAシリーズと2003年モデルのソファベッド SOGNO をリニューアルしました。2023モデルは環境へ配慮した持続可能な製品作りを目指し、構造材やクッション素材の検討を重ねました。ソファ工場のある大分県の日田市は江戸時代から天領で檜や杉の生産地でした。その日田市に国産合板工場があり、森林を守る為の日田杉間伐材を利用した合板を生産していたことが今回の新製品に使用するきっかけになりました。これまではソファの構造材に南洋素材の9ミリラワン合板を使用していましたが、今年のソファシリーズには構造体に森林保全や二酸化炭素の固定に貢献する12ミリの国産杉合板を80%以上使用しました。ネジやボルトを効かせる強度が必要な箇所にのみ硬木を用いています。 チェアとソファのクッション材に使用するウレタンフォームには、工場製造時に発生する端材をリサイクルしたリボンテッドフォーム(チップフォーム)を使用しました。リボンテッドフォームはヘタリの少ないクッション材ですが、従来の製品ではベース部分のみの20%程度の使用率でした。2023モデルのソファでは、リボンテッドフォームを硬さの異なる種類を組み合わせることで80%以上使用しています。クッション材以外にもポケットコイル上部の保護材に、衣料品の端切れや残反をリサイクルしたフェルトを敷き快適性を犠牲にしない耐久性を持たせることが出来ました。また、椅子やソファの「規格ファブリック」の見直しを行い、環境や働く人にも配慮して生産されている繊維製品 Oeko-Tex Standard100「エコテックス®スタンダード100」を11アイテム採用しました。今後も環境に配慮したファブリック製品の規格採用を進めていく予定です。 エーディコア・ディバイズでは1985年創業当時から、永くお使いいただける製品を目指し「一度製品化した製品を廃番にしない」、無駄な物を作らない「受注生産のオーダーシステム」の取り組みで自然環境に配慮する製品作りに取り組んできました。2023年モデルでは、さらに環境に配慮した物作りの取り組みを進めた第一弾の製品になります。各ショールームに2023年モデルを展示していますのでぜひご覧になってください。エーディコア・ディバイズでは人と地球に優しい製品作り、サステナブルな取組みを進めていきたいと思います。(開発 武田伸郎)

2022.11.07|

DESIGN

2023ニューモデル撮影レポート

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.126 このところ一気に気温が下がり、秋を通り越して冬が到来したような寒い日が続いています。寒暖差が大きい時期なので体調管理には注意したいところですが、冷たい雨の降る10月初旬、神奈川の某スタジオで今年の新製品の撮影を行いました。試行錯誤を繰り返し、瀬戸が撮影日直前まで九州と山形の工場を行き来してようやく新製品が完成。2日に渡って仕上がったばかりの新製品の撮影に臨みました。 今年はハウススタジオでのロケ撮影は行わず、白いホリゾントのスタジオでの撮影です。ここ数年で関東エリアの巨大な撮影スタジオが閉鎖してしまい、家具の撮影が出来る広いスタジオをキープすることが難しくなっているのですが、今回は国内撮影を長年お願いしているカメラマンの丸山さんが利用しているスタジオをキープすることができました。スタジオとバックヤードがとても広く、トラックで搬入口まで着けることが出来るのでとても便利なスタジオでした。今年の新製品はサイズもゆったりしていて重量感のあるアイテムが多いので、搬入や移動が楽だったのでとても助かりました。今回は2日間でイメージカットと製品カットを50カット近く撮る予定、加えて製品の特徴を収める説明カットはデザイナーの瀬戸が自分で撮るかなり強行な分刻みのスケジュールです。家具のスチール撮影もデジタル化されて以前ほどは時間が掛からなくなったとはいえ、光や陰影を作り込んでの撮影は簡単にはいきません。綿密な香盤表を元に早朝からスタートダッシュを掛け撮影を進めました。 今年の新製品は、構造資材をできる限り国産材を用いたりクッション材にリサイクルフォーム材のリボンテッドフォームを用いるなど、環境に配慮した製品創りを目指しました。その影響もあって今年の製品は、ボリューム感としっかりと重さのある製品に仕上がりました。座り心地も上質で快適なのですが、重量があるためスタジオでのセットや移動は大変です。大きなサイズになると製品を箱から出す作業だけでも大変な場面があったのですが、撮影スタッフの皆さんの協力によって撮影をスムーズに進めることができました。メインの製品撮影を効率よく進めるかたわら、瀬戸は自前のカメラで次々と説明カットを収めていきます。プロのカメラマンが驚くほどの手際良さ、瀬戸の説明カットは先に完了、時間のかかるイメージカットも加速度的にスピードを上げなんとか予定内の時間で撮り終えることができました。 2023のニューモデルのコンセプトは「NEXT  DESIGN  70’s」、どこか懐かしさもありつつ現在の視点には新鮮なスタイル。今年は視覚的にも手触りも優しい環境の負荷にも配慮したファブリックを採用して、快適でよりリラックスしたインテリア空間を意識しました。製品作りにもこだわりましたが、撮影にもこだわって良い画像が撮れたと思います。今月9日からはじまる 2023 ニューモデル新作展示で、ぜひご覧になってください。撮影した画像で製作したタブロイドをご用意してお待ちしています。(開発 武田伸郎)

2022.09.29|

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家具のメンテナンスはサスティナブル

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.125 あれほど暑かった夏も、台風一過、一雨ごとに少しづづ秋めいて過ごしやすい気持ちの良い季節になってきました。夏にかけて広まった第7波の新型コロナウイルスの感染もようやく終息に向かっています。もう3年余り続いている感染対策の生活ですが、私たちの生活にも色々な影響がありました。感染対策に基づいた、商空間やオフィスのリノベーション、在宅やリモート勤務に合わせた住空間の充実など、インテリアの業界にも様々な変化がありました。その中で増えていたのが家具のメンテナンス、椅子やソファの張り替えのお問い合わせです。 昨今はコントラクトやホームユース共に、サスティナビリティの意識が高くなっているので、リノベーションの物件でも家具を買い替えるのではなく、今まで使っていた家具をメンテナンスしてお使いになる方が増えています。お使いになっていた愛着のある家具を、手を加えてリフレッシュし、さらに永くお使いいただく、製作側もユーザーの皆様も双方で環境に配慮した空間作りが増えています。最近お問い合わせをいただく、椅子やソファの張り替えも、リノベーティブな対応の一環のようです。エーディコア・ディバイズ製品の張り替え対応は、痛んだ表面の張り地を変えるだけではありません。座り心地を左右する座面のベース部分や、クッション性を持たせるウレタン素材など、緩んでいたり劣化している場合は、手直しやパーツの補充を行い、見た目だけでなく使い心地もリフレッシュしてお届けします。ソファの張替えなどで、コスト的に割高な印象を持たれるお客様もいらっしゃいますが、布を剥がす手間等もありますが、中身までしっかり手を加えてお届けするための費用ですとご説明させていただいています。表面の張り地だけでなく、中身までしっかり手を加えた椅子やソファは、長年お使い頂いた愛着のある家具が見た目と同時に座り心地も刷新されるのでお客様にも非常に喜んでいただいています。 もう一点メンテナンスのお問い合わせで多いのが、天然皮革のキズや傷みについてです。天然皮革は鞣しや仕上げにもよりますが、椅子張り用のファブリックや人工皮革と比べても耐久性が非常に優れています。その分コストも上がってしまうのですが、天然皮革張りのソファは10年以上お使いになっても品質をしっかりキープしている例も珍しくありません。そんな耐久性のある天然皮革なので、一部分だけに傷がついたり、局所的に劣化が生じた場合、他の部分は全く問題がないのに張り替えてしまうメンテナンスを躊躇してしまう場合があります。本来であれば、全体を張り替えるメンテナンスがベストですが、軽度な症状の場合、費用的なご要望に合わせて、部分的な補修も可能な場合があります。傷んだ傷をウレタン樹脂などで補填、表面を研磨仕上げを施し、革の色に合わせて塗装補色するとても繊細なメンテナンス作業ですが、通常のご使用には問題ないレベルまで補修が可能な場合があります。お使いになっている革、痛んだ症状に合わせて対応を検討させていただきますので、お悩みの場合は是非ご相談ください。 エーディコア・ディバイズの製品は、ブランド発足時からご注文をいただいた製品のみを製作してお届けするサスティナブルな意識に基づいたモノ作りです。生産する側だけでなく、お使いになる方もサスティナブルの意識がますます高くなってきています。家具は生活の中で愛着を持って永く使い続けていくアイテムの一つ。新しい家具のお問い合わせはもちろん、お使いになっている当社製品のメンテナンスについても、是非お問い合わせ下さい。(開発 武田伸郎)

2022.08.30|

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安心してお使いいただける抗菌塗装の家具

AD CORE DEVISE DESIGN BLOG Vol.124 新型コロナウィルスの感染が始まって、すでに2年半が過ぎてしまいました。一旦は収束していた感染者数も、今年の夏には国内で第7波の感染が全国に広がり、心配な状況になりました。しかし、現在は感染者もやや減少に転じていて、長らく制限されていた感染対策も徐々に解除され始めています。まだしばらくは感染に注意が必要ですが、今回の新型コロナウィルスが収束したとしてもこれからは様々な感染症に対する対策が必要な生活になってくると思います。 新型コロナウィルスの感染が広がり始めた当初は、感染が広がらないためには何が有効なのか、どんな対策が必要なのか、様々な意見や試みがありました。マスクの着用や手洗い消毒、除菌や換気などが奨励され、飲食店には飛沫防止のアクリルパーテーションが必須となりました。テーブル席では使用のたびに除菌剤で消毒作業が行われ、身の回りの抗菌アイテムも一気に増えました。そんな中、エーディコア・ディバイズでは感染が広がり始めた第1波の2020年の春に、家具に用いる抗菌、抗ウィルス塗装の採用を目指し、塗料メーカーと協力して対応の準備を開始しました。 感染が広がり始めた当時、抗菌、抗ウイルス塗装の検討に入った際に、抗ウイルス塗装は認可の関係で採用するまでには時間がかかりそうでしたが、抗菌塗装は2003年頃に感染拡大したSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染対策として塗料メーカーが開発した資材が存在していました。しかし、SARSの感染が収束し、日本国内への影響がほとんどなかったことから、抗菌塗装が活かされることはありませんでした。新型コロナウイルスの感染が広がりだした当初も、感染対策に採用するブランドもなく、家具を生産する工場でも抗菌塗装への関心はとても低いものでした。当社は、抗菌塗料のスペックやエビデンスを確認しすぐに対応を決定しました。抗菌作用を実際に自分たちで確認するため、培養器を購入して社内で抗菌試験を行い、菌繁殖の抑制状態や通常の塗装と耐性に違いがないことも確認し、2020年9月には全ての製品に抗菌塗装を標準仕様に変更しました。採用した当初は、抗菌塗装の効果や認知度も低かったため、お客様に感染対策への有効性をお伝えして徐々に広めていきました。(除菌スプレーや除菌加工は効果的な時間が制限されますが、抗菌塗装は塗装の塗膜が摩耗してなくならない限り効果が持続するなどはその一例です) エーディコア・ディバイズの製品は全て国内で受注生産しているため、全製品の抗菌塗装への仕様変更も早期に実現することができました。これから新型コロナウィルスの感染が収束した後でも、インテリア空間での感染対策は、スタンダードな仕様になってくると思われます。当社の製品は全て抗菌塗装が標準仕様になっていますので、家具をお使いいただくだけで抗菌対策になります。さらにオプションとして感染対策を進めた「抗ウィルス塗装」もご用意っしました。他にも椅子やソファ用の家具用張り地の抗ウィルス加工、日本で初めて天然皮革に抗ウィルス加工を施した抗ウィルスレザーの対応も行なっています。より安全で安心できるインテリア空間にぜひご検討下さい。皆様からのお問い合わせをお待ちしています。(開発 武田伸郎)

2022.07.27|

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広尾ショールームのエントランス照明

AD CORE DEVISE DESIGN COLUMN Vol.123 今年は、梅雨の時期から全国的に暑い日が続き、東京では9日連続猛暑日の記録まで作ってしまいましたが、梅雨明けしたとたんまた梅雨入りしたような天気が続いていました。ここにきてようやく夏らしい気候になってきましたが、本格的な夏到来を前にエーディコア・ディバイズ東京では、エントランスを中心にショールームの改装を行いました。 現在当社の各ショールームでは、完全予約制でお客様をお迎えし、感染予防に努めてまいりましたが、広尾ショールームのエントランスも現在の状況に即したレイアウトに変更しました。お客様をお迎えする正面のカウンターを廃し、エントランスの空間を家具の展示スペースにしました。改装に伴い収納ワードローブを設置する等、ショールームを見ていただく環境も整備しました。今回の改装で一番の変化が、エントランスのドーム状のガラスの吹き抜けに設置した照明器具の変更です。これまでは、イスラエル製の有機的なフォルムのシルク製シェードの照明器具を展示していたのですが、今回はベースになる照明器具を瀬戸がオリジナルにアレンジし、8メーターを超える吹き抜けのスペースに照明器具をデザインしました。吹き抜け天井に設置した昇降機に、オリジナルの円形パネルを取り付け、そのパネルに大きさの異なる照明器具7台を、天井から最大で5mもの長さのワイヤーで吊る仕様になっています。大小のフレームを視覚的に、重量バランスを取って吊り下げた時にそれぞれのワイヤーが干渉しないように計算した意匠です。 ワイヤーで吊るす際の重量のバランスや明かりを灯けた時の空間の明るさのコントロールなど、デザインするにあたっては考慮するポイントがたくさんありました。当初用意したフレームは空間と色が合わないので、開発スタッフ新人の渡辺君が全てに塗装を施しました。(設置工事会社の方からは「製品みたいに綺麗!!」と、褒めていただきました)照明器具はサークル状の細い照明フレームに、3本のワイヤーをつないで吊るのですが、傾かないように水平にバランスを取る調整も必要です。昇降機からパネルを降ろした状態で照明器具を取り付け、昇降機で何度もアップダウンを繰り返しながら、平面状の位置、高さのピッチ合わせなど、微調整を繰り返しました。図上の計算通りにはいかないもので、ねじれが生じたり回転したり、ワイヤーの長さをピタリ調整することが難しかったりしたのですが、皆さんと協力して設置することができました。 早朝から開始した改装工事も、夕方には無事完了。3F 階段からエントランスを見下ろすと、展示した家具や壁面の高さ4mのバナーもよく見えるので、視覚的にも明るく抜けの良い空間になりました。陽が落ちると、ドーム型のガラスや床の大理石に、立体的に重なった照明がゴールデンリングのように輝いて見えるのでぜひご覧ください。エーディコア・ディバイズでは、広尾ショールームのリニューアルを記念して、大阪、名古屋を含めてご来場キャンペーンを開催しています。ご予約の上、ご来場いただいた方にオリジナルの手ぬぐいをご用意しています。ぜひこの機会にご来場ください。皆様のお越しをお待ちしています。(開発 武田伸郎)

2022.06.29|

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梅雨明けの九州工場訪問

AD CORE DEVISE DESIGN COLUMN Vol.122 日本国内で新型コロナウィルスの感染者が報告されてから約2年半が経過しようとしていますが、世界的にも収束に向かいつつあり国内での移動も活発になり始めています。今週、当社でも移動自粛期間中はなかなかお伺いできなかった九州へ訪問し、生産をお願いしている工場を始め配送業務をお願いしているお取引先などを訪問してまいりました。梅雨明けの九州地方、酷暑の中の限られた時間でしたが、目一杯廻ってきました。 久しぶりの訪問となった今回の訪問ですが、決算期の棚卸しや製品の品質に関する事案など、多岐にわたって打ち合わせがありましたが、直接お伺いできるようになって担当者の方と直接お会いしてお話ができることがある意味一番の目的でもありました。新型コロナ感染が発生した時期から工場訪問が出来なくなったため、ソファやテーブル工場での製品仕上がりチェックをリモートで画像のやり取りで行なって来たのですが、今回久々に工場のスタッフの方と一緒に製品確認を行うことができました。リモートでの画像検品を行うようになって製品クオリティーは向上しましたが、現場で担当者と一緒に確認することにより、対面でのコミュニケーションの大切さを改めて感じることもたくさんありました。今後もリモートでの利点を生かしながら、現場にお伺いして工場の方とコミュニケーションをとりながら製品の品質向上を進めていきます。 今回訪問した日田市は、国内屈指の暑さが厳しい地区で、夏の訪問時にはいつもめまいがするような暑さの中、工場を廻っていました。今回お伺いする際も、工場の方からは「暑いですよ」と忠告されていたのですが・・・、お伺いした工場では以前感じたような厳しい暑さはありませんでした。それぞれの工場で活躍していたのが、水の気化熱によって冷風を送り出す移動式水冷扇。扇風機や換気扇とは異なり、外気を取り入れながら工場内の温度を下げる効果は抜群の機器です。消費電力も抑えられ広い空間で効果を発揮します。この機器は、当社でスチールパーツをお願いしている株式会社フナボリさんの製品なのですが、工場へ紹介して設置、暑さ厳しい日田の工場で環境改善に役立っていました。とは言うものの、やはり工場内はじっとしていても汗が滴る暑さ。でもこんな感覚を味わうのも3年振り、直接お伺いができるようになったからこその体験でした。 資材高騰や物価高、パーツなどの入荷が滞るなど、様々な問題が持ち上がっていますが、新型コロナウィルス感染収束後の自由な活動が行える事に感謝しながら、皆様との密なコミュニケーションを目指していきたいと思います。製品のチェックやお客様同伴での使い心地の確認など、エーディコア・ディバイズのショールームにもぜひご来場ください。スムーズな対応ができるよう完全予約制で、みなさまをお待ちしております。(開発 武田伸郎)